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 希望の朝。
 常緑樹が瞳に優しい。
 無情の朝。
 屹立する断崖絶壁に立っている。
 どんな夜を過ごそうが朝は来る。
 
 不安、悲しみ、淋しさ、諍い。
 微笑み、喜び、美、愛 ....
 湖のほとりで吹く風が私に優しい。
 朝散歩に人はまばらでこの場所を占拠している気持ちになる。
 朝日を受けてキラキラと輝く湖面はまるで私の心のようで
 耳の聞こえなくなった私の唯一の癒 ....
 明け方の情景
 聞こえる鳥たちの声
 満ちてゆく心
 窓を開けると初夏の匂いがした。

 私の庭では赤いカーネーションが花を咲かせている。
 母に贈ろうか。
 親不孝を重ねてき ....
 緑の映える公園に人は少なく、秋の入り口に私は立っている。
 涼しい風があなたを通り過ぎる。
 小さな肩が私に寄り掛かる。
 あと何度こういう時が訪れるだろう。
 冷たい現実を前にして ....
 音のない部屋の窓からしっとり濡れた庭が見える。
 泣き濡れた空に向かって紫陽花が優しく微笑む。
 ゆっくりと窓を開けると夏の匂いがした。
 季節が移り変わろうとしている。

 やがて誰 ....
 雨降りの休日に訪れた西洋館。
 静かな音楽が流れ、時が緩やかに過ぎてゆく。
 思い出すのは祖父の家。
 誰もいない応接間に幼い僕がいる。

 飾り棚に美しい酒瓶、アンティークドール、日 ....
 月の見えない夜に想う。
 沢山の愛に包まれているのに何をまだ欲しがるのか。
 本当に孤独の人の気持ちはわからない。
 失礼を承知で自分の孤独を唄っている。

 濃紺の夜空に星達は輝き、 ....
 夜の延長線上にある朝に聴くコルトレーン。
 時間をさかのぼると見事に夜へとつながっている。
 今この時までの道程に私は立ち尽くしていた。
 時計だけは正確に過ぎ行く時間を刻んでいる。
 ....
 海沿いのカフェで猫があくびした。
 隣の席で彼女があくびした。
 その様子がそっくりだったので私は笑った。
 君が猫なら僕は何だろう。

 港の見える丘公園で二匹の猫がじゃれていた。
 ....
 のっぺらぼうが私に一つ菓子をくれた。
 菓子を食べたら私は大きくなった。
 恥ずかしさで私はしゃがみこんだ。
 けれども私に気付く人は誰もいなかった。

 のっぺらぼうが私にもう一つ菓 ....
 生と死の狭間で虹を見ている。
 気に入らないものは排除し、生きてきた。
 気付いたら一人ぼっちになっていた。
 男も女も居なくなった。

 生と死の狭間で夕陽を見ていた。
 目の前に ....
 目覚めると、先ほどの光景が記憶の片隅に消えてゆく。
 天井に向かって手を伸ばす。幸せな記憶を逃がさないように。
 それはするりと僕の手をすり抜けて記憶の彼方に消えてしまう。
 もう無理だよ ....
 闇夜の行列が憎しみの彼方からやってくる。
 それは巨大で、熱情を伴い、魅惑的だ。
 逃げ道はない。
 それは常に君の前にやってくる。

 闇夜の行列が悲しみの彼方からやってくる。
  ....
 衣擦れの音で目が覚めた。
 こんな夜更けに、暗闇の中で。
 気配をうっすらと残しそれは消えた。
 夢であろうか。
 誰もいようはずもない。
 妻も子も出て行った。
 私は病気だ。
 心 ....
 夢のように横たわる貴方と交わす言葉。
 刺激という感覚を忘れてしまった。
 今はもう安らぎの彼方に浮かんでいるのか。
 どうか私の空虚な言葉は連れて行かないで。

 貴方の愛したピアノ ....
 明け方の応接間で一人、壁に漂う船を見ている。
 日常の埃にまみれた心に壁際のアロマが沁みこむ。
 軽めの葉巻と淹れ立ての珈琲。
 この部屋の壁一面にも時代の匂いが沁み込んでいる。

  ....
 桜舞い散る裏庭に空は高く、
 水晶のように澄んでいる。
 心の闇は浄化され、
 絵画に映す一本の道。

 厳しさの中、隠された優しさに魂が宿る。
 瞳に映る桃色の円舞、狂瀾。
 春 ....
 過ぎる季節の只中で、自分を見つめる旅に出る。
 煤けた国道に朝日が昇り、駆けるバイクで夢を見る。
 未だ見ぬ場所に行きたい。
 誰も知り合いの居ない所へ。

 ついたため息の分だけ、経 ....
【1】
 黎明の森に緑がさらさらと揺れている。
 心の奥であぶくが湧いている。
 しまい忘れた情熱が青く光っている。
 誰かの夢と同じように。

【2】
 闇の中を蠢いていた不安は、 ....
 雪を降らせるつもりの寒空の下、
 点る街灯に人々の影は歩いてゆく。
 悲しみ溢れたその光景はとても虚しい。
 街角に佇む人の生がぼやけて見える。

 すべての信号が赤になったその瞬間、 ....
 昇る朝陽に恵まれて、小鳥の歌声もこの林道には涼しい。
 路傍の人との挨拶も愉しく、足元の落ち葉ですら愛おしい。
 別荘地に吹く風は清らかで、空気は澄んでいる。
 どこかの家からモーツァルト ....
 悲しみに久しく、愛に飢え、欲望のままに生きた。
 傷口を広げ、流れ出る鮮血を舐め合い、瞬間の癒しを求める。
 痛みを伴う快楽にその身を委ね、探り合いで過ぎてゆく日々。
 死を意識するともう ....
 季節はたそがれ、満ちてゆく。
 幸福と不幸の狭間に立って漏らすため息。
 願い事を信じる力はあるか。
 心は風に舞い、静かに溶けてゆく。

 古時計のぜんまいを巻いてみるが、過去に戻る ....
朝焼彩茜色さんのメープルコートさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
信念- メープル ...自由詩3*22-12-3
忘却の歌- メープル ...自由詩1*22-8-13
新しい日- メープル ...自由詩3*22-5-5
秋風- メープル ...自由詩4*20-9-23
音のない部屋- メープル ...自由詩5*20-6-12
抒情- メープル ...自由詩3*20-3-14
充足感- メープル ...自由詩3*20-3-14
グッドバイ- メープル ...自由詩6*19-12-10
なんだそりゃ- メープル ...自由詩1*19-9-27
のっぺらぼう- メープル ...自由詩2*19-9-27
存在価値- メープル ...自由詩2*19-9-27
別れの歌- メープル ...自由詩2*19-9-20
フリージャズ- メープル ...自由詩2*19-7-4
衣擦れ- メープル ...自由詩1*19-6-30
恋人- メープル ...自由詩2*19-5-3
我が世代- メープル ...自由詩2*19-4-27
春の夢- メープル ...自由詩2*19-3-23
新しい季節の中で- メープル ...自由詩2*19-3-2
小詩- メープル ...自由詩3*19-2-9
秘め事- メープル ...自由詩4*19-1-26
小詩- メープル ...自由詩4*19-1-12
大河の流れに見る夢- メープル ...自由詩1*19-1-12
- メープル ...自由詩10*18-12-29

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