切れかけの電灯

霧が靄となり街を融かして呑み込む光景

真っ直ぐだと思って
実は傾いている電柱
世界が傾いて見える

あの三日月は何故嗤う

階のボタンを押さないと
エ ....
おかあさん覚えていますか
私が生まれた夏の夕暮れ

たった一枚残る写真に
疲れ果てやつれた様子の
寝巻の母に見守られ
同じように疲れた顔の
小さな赤ちゃん
夏のお産は大変だったことでし ....
どんなに優秀なものも
優秀ではないものも
燃されてしまえば
灰になる

どんなに貴重なものも
貴重ではないものも
燃されてしまえば
灰になる

風に従順な踊り子となって
 ....
夜の帳に溶け込んだ心情が 淡く病む。
シタールの音色が鋭く僕の喉を刺す。
震える手で連ねる恋文は
異国の呪文のように匂い立つ。

ああ、夭折した画家達よ。
あなた方の創造した世界はなん ....
カラフルな欲望の中から一番鮮やかに見えるものを捨てる。
トーンの重い音楽の銃口をこめかみに当て 弾く。
頭は真っ白になり、口から真っ赤な泡を吐く。
一瞬軽くなった体は宙に浮き、その後いびつな形の ....
 
見せびらかす愛なんて くそっくらえ

語る愛なんて 持ち合わしちゃいねー

でも感じあう愛なら、あるぜ



 
{画像=140720232423.jpg}



言葉に傾き
ほら歩く姿に
傾きがありませんか?


真っ直ぐ歩いて来た
自分はそう思って来た
でもある時
人に言われたんだ
 ....
産声のなかで
ひとりの娘が母に変わる日は
生命にまつわる大切な記念日
わたしのためには
何にも起きたりしない平凡な日でも
見知らぬ誰かには
たったひとつの日

雑踏のなかの
あり ....
尾鰭も背鰭もない者だから
スクラップブックから拾ってきました

この気怠さの海を泳ぐ
艶めかしい夏の生き物たちを横目に

白い爪痕も心地よい
日焼けした空をまる齧りにします

スイカ ....
誰も
教えてくれないのなら
美しくなるしか道はない

不要と必要との分別方法を
自分独りで身につけて

圧倒的な過酷さで
美しくなるしか道はない

その内側を
誰もが ....
おっぱい揉みたい手の爪伸びている 毒のある花で飢えを凌ぐ 立脚点


あふれる
おもいを
言葉に託し

いますぐ
誰かと共有したい
心の忙しい人もいるでしょう

ひとり
友達も見つからないまま
静かに
書き留めた
自分の言葉
 ....
世界の始まりは夜の闇
夜の黒は
星と月によって和らいだ黒
それが下にいくにつれて濃い黒となり
目を閉じたような漆黒になる
その黒は途切れることなく海に続き
再び色が薄くなり
紺色 ....
わたしの総てを
受け容れるだなんて
わたしにも出来ないことだわ

だから、
わたしの総てを
受け容れてくれる人なんて
いるわけがないと思うのよ

わたしの
些細な何かをひとつで ....
空き地にはヒメジョオンの花盛りラブアンドピースアンド猫

     ヒメジョオンってその名のとおり、可愛らしいいでたちで
     あるのですが、群生していると、なんだかガールズトーク
    ....
バベルバベル高く高くおいなりさん積みあげている 義姉の手を握った
痛くない程度に強く
妻以外の女性の手を握ったのはいつ以来か
兄と義姉が結婚したとき
わたしは高校生だった
男二人兄弟だったから
「{ルビ義姉=ねえ}さん」と呼ぶのも恥ずか ....
ゼンマイ切れたまま迷子の深海魚 スクラッチ削ったコインじっと見ている 種を蒔いてきたのだと思う
いや、散らしてきたのだと思う
なんの種だかわからないまま
そもそも種だかわからないまま
どうしたって僕は
僕以外の何かにはなれないのだ、と
恵まれ続けてきたの ....
きょう
水の針

とがった川から 流れてくる声
切りとった格好で 鳥がおぼれてしまうころ

くすんだ雨のにおいにぬれて
ころがった石が どこにも見えなくなる
とおいヤマのように眠ったま ....
名前とこのからだを
引き受けたときから
ぼくは舞台の主役になった

科白は自分で決めているようで
多くの出演者に
気配りしながら
作りあげていく

嫌われたくなくて
意見を言わない ....
旧姓に戻り巣箱をかけにけり トラックに巣箱を載せて故郷へ 世界各地の
アニバーサリーが集まる広場には
喜怒哀楽が渦巻いている

渦巻き過ぎて
統一されたように感じるそれを
いつしか誰かが
時、と呼んだ

賛否両論のその呼び方に
関 ....
忘れ去られるものに
名をなんと名づけよう
しかし名づけた事さえも忘れて
私は不能となってしまう

事象の地平へと消えて行くものが
惜しくて言葉に追いかけさせる
しかし言葉さえ事象の地平に ....
巣箱買う来世は鳥と思いけり 真顔でトマトの返り血を浴びる  
見えている未来に うんざりし

見えない未来に 不安を覚える

どちらも本当ではないのにね



 
朝焼彩茜色さんのおすすめリスト(5109)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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恋文- ヒヤシン ...自由詩14*14-7-21
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流麗- 千波 一 ...自由詩614-7-18
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毒のある花で飢えを凌ぐ- 北大路京 ...自由詩514-7-18
立脚点- はなもと ...自由詩814-7-18
砂漠へ- 凍月自由詩5*14-7-17
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バベルバベル高く高くおいなりさん積みあげている- 北大路京 ...自由詩214-7-17
義姉- ただのみ ...自由詩17*14-7-16
ゼンマイ切れたまま迷子の深海魚- 北大路京 ...自由詩214-7-16
スクラッチ削ったコインじっと見ている- 北大路京 ...自由詩314-7-16
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旧姓に戻り巣箱をかけにけり- 北大路京 ...俳句114-7-15
トラックに巣箱を載せて故郷へ- 北大路京 ...俳句314-7-15
アニバーサリー広場- 千波 一 ...自由詩214-7-14
事象の地平- 渡辺亘自由詩314-7-14
巣箱買う来世は鳥と思いけり- 北大路京 ...俳句414-7-14
真顔でトマトの返り血を浴びる- 北大路京 ...自由詩614-7-14
未来- 殿上 童自由詩25*14-7-13

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