魂の深淵
ひだかたけし

月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか

青、蒼、碧

陽光余りに眩しいこの真昼

俺のジガは弱り果て
腹底から突き上げ
皮膚を内から
引き裂こうとする、
不安恐怖 恐怖不安
剥き出し露わ
シシシと笑う嘲笑う
己の喉ウゥと呻き
俺は苛立ち焦燥に駆られ
よろけゆらゆら歩み行く
立ち止まったら最後
を自覚しながら
ひたすら前進
脂汗のなか足運ぶ

消えはしない
肉の痛苦は軽減されても
決して消えない
この病巣、魂の深淵








自由詩 魂の深淵 Copyright ひだかたけし 2020-11-29 19:16:51縦
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