俺は涙を流さない
なんでもかんでも理由をつけていとおしむのはもうやめにしたんだ
夏色にかわった東京タワーの向こう側に一番きれいな月が輝くカーブで
俺を乗せたバスは大きく左に傾いた
この銀行の角 ....
あなたの手を見ているとき
わたしは時折、魚のようだと思うことがある
別れ際にひらひらと
暗い海へとかえっていく

来た場所も行く先も知らないわたしたちが
誰かに与えられた名前を呼び合いなが ....
まぶたを 閉じれば 海は すぐそこ
関門海峡の潮の音

あっちのほうが長門そどな
長門には 鯨さんのお墓があるそどな
おおけな鯨のちいさな墓に 南無阿弥陀仏を奉じると
波をみな飲み込んでき ....
さざ波の僅かな飛沫さえ愛おしい
春から初夏への道のりは
小舟で海を渡る様に
儚くも危なげなモノ
飛べなくなったイカロスが クス、と笑う
白のシャツと海と小さい波が
あなたには とても似合う ....
空に向かって高く

超合金製の蟻の巣が

渦巻き状に伸びている

無機質でのっぺらぼうの蟻の巣も

夜になれば

綺麗に画一化された部屋には

優しい灯りが点り

街を照ら ....
コンビニを出ると

誰かがお菓子の箱を開けて

ぽいっと捨てたセロファンが

ちょうど私の目の前に

空から垂直に錐もみしながら落ちてきた

ひとときのま

私の頭はどうにかな ....
ひとが声を出さずに

絶叫するときは

そのまま連れ去られるか

逃れられるか分からなくとも

死神にやさしく抱擁されたときだ

やさしく抱擁する死神ほど

凄惨なこの世の別れ ....
生きなければなんて
誰が決めたの
決定事項
決定事故
きっと私は事故ったんです
人生の岐路を間違えました

なんて
もう一方通行
後戻りなんて出来やしないのに
後悔だけは人並み以上 ....
在りし日の婆ちゃんが 
出来たての熱いスープを出した後 
つぶやいた、あの日の一言。 

「ちょっとしたことで料理は、変わる」 

さて、あの頃よりも
少々大人になった僕は
今日の場面 ....
机上の聖書の上に置かれた 
ひとりの骸骨が 
遥かな明日の空を視て、笑ってる。 

骸骨は、恐いものと思っていたが 
全てがそうではないらしい 

どんな人もいつかきっと骨になり 
顔 ....
 
 
夜、ベッドの中で 
妻はいつもより濡れている
ぎゅっと抱きしめると
ぼくの腕の中で 
あっけなく崩れていった 
豆腐だった
水切りが足りないことに
どうして今まで
気づいて ....
ひとは別にペンを持たなくても
そのひとだけの生は小説である

ひとは別に筆を持たなくても
そのひとだけの生は絵画である

それは確かに歳月の流れのなかで
忘れられてゆくものかも知れないけ ....
(無音)

ずっとずっと少女は旗を振っている。

なにを言わんとするのか

なにを伝えんとするのか

一切、わからないが

その表情は切実で、真剣そのもので

真っ黒い旗を必死 ....
 
迷うたら負けやと、きつい一言

今でもうちのお守り

そんなあんたは迷わずどっか行ってもうたけど



 
マンガガール

メルヘン気取って また妄想の世界に浸って
マンガの話ばかり 彼女は黙らない
可愛いもんだけ 心に詰めるだけ詰め込んだら
どんどん醜く見える 外見の体が嫌だった

だから着 ....
惨めな日
寒い日
歩いていられるのは
僕が
花を信じているから

僕の花
僕がこの世に 在る証

夢、なんて大それてる
未来、なんて嘘くさい
見栄をはりたくなる気 ....
喉が渇いたので
醤油を飲んでいたら
目が痛くなった
目薬と間違えて
醤油を差していた
まるで
お寿司のように

空っぽになった
醤油を探して
東京を歩く
薬屋はたくさんあるのに
 ....
化石になったら隠れよう 琥珀になったら閉じこもろう
みずみずしい生き方だったね
まるで魚のような鱗はないけど
剥がしても剥がしても人になんてなれないから

何万年経ってもまだ地球の話をしてば ....
あの人傘さしてない

田んぼの真っ黒を睨むのだ
汗が畦道を進んだ先でぽたぽた落ちてる
恐ろしいまでの星と葦の群れに
身動き一つ取れない
梳いて髪のように拐かされたら
発振に重ね合わせる
 ....
 
日食グラス
買わなきゃなあって思いながら
あっという間に金環日食前日
急いで探してもどこも売り切れで
 
日食グラス以外で
観察する方法はないかと
色々試した結果
大根おろしならぬ日食おろしが
出 ....
キミがいなくなるなんて想像できない
キミがいなくなるんて想像したくない
そうは言っても お若いの
そんなトーンじゃ 
味わいなんて生まれっこない

体調が悪い 
心が不安定 
そんなの ....
雨の日に梅酒を作った

晴れの日にはスケッチに行って

昨日の晩はお皿を割った


夢も見るし電話もかける

こんな何気ない毎日を繰り返して

それでも私

幸せ ....
指紋と同じように
文紋と言うものが存在するとしたら
俺の文紋がべたべたとくっついた文言を並べるのは
心苦しい

灰で洗われた鋼鉄のように
そのようにありたい
不自由です
水の中にいるよに

いらないものに囲まれ
いらないものを抱え込み
みてほしくなくて
みていてほしくて

一人になりたいひとは
みな
一人がきらいなひとです
いのちのサーバーが天にある
それは雲の上で眩しく輝いていて
すべての生き物の情報は自動的に記録され保存されている

それはまた蓄えた情報を私たちに発信している
ふと胸が暖かくなって明るい気持 ....
太陽が右端から欠け始めていた

月が侵入してきたのだ

肉眼ではわからないが

これを使うとはっきり分かった


宇宙のこの運行のように

人もまたさだめられた偶然を

生き ....
いつか終わる世界で
いつか終わる鼓動を抱いて
そうして最後を知りながら
今日は確かに終わっていく

きっと意味がなくなったら
世界に捨てられるんだろう
だけど未だに生きているから
僕に ....
あの頃不幸であることがなぜか魅力的に思えた

何一つ不自由のない暮らしをしてお姫様のように扱われていた

車窓から一瞬目に飛び込んできた物乞いの目は淀んでいたか

柔らかな ....
数年前は
誰かが私を
語ってくれた
私の歌を
歌ってくれた
けれど長く生きたせいか
今はそれも
少なくなった

私が私の
物語を語るときがきた
私の歌を
歌うときがきた

 ....
鳥と話そうとする者がいた
鳥は陽気にさえずり明るく応えた

石と話そうとする者がいた
石は沈黙したまま
ただその表面に瑞々しい苔を宿らせ
思いを告げていた

森と話そうとす ....
朝焼彩茜色さんのおすすめリスト(5109)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
International_Klein_Blue- カワグチ ...自由詩4*12-5-25
約束- 瑠王自由詩8+*12-5-25
鯨の民- るるりら自由詩20*12-5-25
はがゆい- 岸かの子自由詩5+*12-5-25
蟻の巣- 灰泥軽茶自由詩11*12-5-25
セロファンの幻- 灰泥軽茶自由詩5*12-5-24
抱擁- HAL自由詩4*12-5-24
束縛(仮)- なきり自由詩212-5-23
今日の一匙ー婆ちゃんの格言ー_- 服部 剛自由詩5*12-5-23
あかるい骸骨ーセザンヌ展にてー__- 服部 剛自由詩812-5-23
湯豆腐- たもつ自由詩9*12-5-23
問い- HAL自由詩9*12-5-23
- 高原漣自由詩3*12-5-23
お守り- 殿上 童自由詩24*12-5-23
マンガガール- itukamitanij ...自由詩3*12-5-22
僕の花- 御笠川マ ...自由詩3+12-5-22
東京- たもつ自由詩512-5-22
『アンモナイト』- 東雲 李 ...自由詩4*12-5-22
憎悪の鉄道- しべ自由詩312-5-22
日食おろし- 次元☆★携帯写真+ ...8*12-5-22
I_am_ポエマー- komasen333自由詩1*12-5-22
日常- 永乃ゆち自由詩4*12-5-22
鋼鉄と灰- 一般詩人 ...自由詩2*12-5-21
水の中の花- 朧月自由詩912-5-21
日蝕- たにい自由詩512-5-21
太陽が欠けている- 吉岡ペペ ...自由詩612-5-21
人間日和- なきり自由詩512-5-21
幸せな少女- 永乃ゆち自由詩3*12-5-21
Lullaby- mizunomadoka自由詩412-5-20
対話- 蒲生万寿自由詩4*12-5-20

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