画用紙いっぱいに水を塗り
そしてその水の乾かぬうちに
空を描き
雲を描き
僕を描く
風を描き
花を描き
君を描く
すべてのものの輪郭が
水に滲んで溶けあって
....
否定と廃頽の中
私は肯定のあなたに出会った
あなたは無数の「ノー」をいとも簡単に
「イエス」へと捻じ曲げる
あなた自身がたった一歩、前に進む事によって
何も知らない 僕 と
何も知らない 君 を
乗せた船 は 深夜
港を出る
世界は丸い とは
限らないので
行き着く先は
誰も
知らない
叶えたい願いもなくて
与えられたものを持て余す心もなくて
それでも辛い思いだけはしたくなくて
君は心を伏せた
自分の力では
どうしたらいいかわからなくて
もう何もかも嫌で助けすら求めた ....
「新しい生きものになったように」
木の若芽
土に生えたい
かたばみ、ひるがおのように
土の養分を吸いたい
みみずのように
光を浴びたい すずめ、 ....
「越境するとき」 木の若芽
鳥たちの最も自由なのは夏の朝5時だ
雲も人もなく光満ちるばかりの時よ
もしも魚が鳥のようにさえずり歌えるなら
どんな音色を響かせるだろう
....
きこえないとき
はい と言います
え と
ききかえしたりはしません
はい と言って
くすりと笑われたらそれは
案外どうでもいい話しです
困ったようにもう一度
言ってくれるときは ....
{引用=恋人へ}
あじさいの
ような淡い青の水彩
ゆめをみていたのは僕だけ
慣れない万年筆のインクが
しろい便箋に滲んだ
あの日付は遠い
風はよく吹き
小道はかすかな日 ....
もし
もしということが叶うなら
君の都合はどうかなと
もし
もしということが叶うなら
明日メシでもどうかなと
もし
もしということが叶うなら
それからどうしたらいいかな
....
緑はひかりを柔らかくする
あなたは僕を柔らかくする
僕はあなたを柔らかくする
緑はひかりを柔らかくする
生姜湯を飲めば風邪が抜ける
足を温めれば血が巡りだす
抱き締め合えば入りたくなる
....
手のひらを見てごらん
五つの指紋は
太古の時を越えて
君にしゃべっている
刷りかたが足らないんだ
牛丼が値上げされるくらい
回転寿司が120円になるくらい
だれ抜け駆けすることもなく
利益率はそのまんま
給与が跳ね上がるまで
円安が世界を ....
赤ん坊は何故生まれてきてすぐ泣くのだろうか
それはやさしい世界から厳しい世界へと来たことを
すでに知ってしまうからなのだろうか
生の悲しみをすでに知ってしまっているからなのだろうか
....
夏休みの宿題を
やらないまま今になっている
イキルということへの抱負
季節と同じ熱い課題に
流されてここにいる
答えなんてあるの?
それをだれにきけばいいのか
夕暮れにかくれ ....
あなたがのびのびと
楽しくいられるように
ぼくはととのえます
あなたがすこやかに
楽しくいられるように
ぼくは悪になります
あなたがぼくの中で
楽しくいられる ....
みられたい自分と
見える自分が
違うのはよくあること
いいかっこしたいけど
どこか抜けている
誤字のような間違いをして
気付かないままでかけてしまう
そんな今日のはじまりに
あ ....
アタシは強くなる!
毎日かいじゅうに襲われようとアタシはがんばるよ生きる!
負けないのだって夢があるから
強くなる!きっと、
{画像=120712232443.jpg}
陽の当たるところ
その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ
ぼくは一番大きな建物 ....
誰かの森の中に寝転んで
陽だまりを浴びて
ただひたすら
夢だけを見ていた
こんなに晴れた日に
目を閉じているのは勿体ないと
この星のささやきが
聞こえた気がした
そろそろ
現 ....
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ
チョ ....
何もかもが
嫌になって
何もしたくない日
音楽も聴きたくない
TVも観たくはない
本も読みたくもない
そのために余ってしまう時間
その時に睡眠薬を口に放り込んで
眠れるかどうか ....
換気扇の下で
きょう、最後の
セブンスターを吸い終わる
少しだけ散らばった灰と
砂のような煙草の葉を
指を唾で湿らせて
僕は掬いとった
....
たったひとり味方がいると
人間は生きられる
それがなんにも教えない人でも
静かな背中をみていると
心にこたえがみえてくる
背中を背中を追うごとに
みんなが優しくなってくる
人間になりたいのです
あなたという空気を吸い
歩くことを厭わない
言葉を知るけものに
恥をも知らぬまま
十八年も生きて参りました
空のままの身体に満ちるは
あなた ....
また新しい朝をもらって
水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる
足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる
有る ということについて
猫の前足の ....
再びの夜明けを
ひまわりは信じている
どこの哲学者の蔵にも
視ることのできない
廻りの神秘をも悟っている
発った桜花が
その根元で人間たちに
享楽されたことをまったく
嘆いていなか ....
楽しそうに笑っていれば楽しくなる
哀しそうに泣いていれば哀しくなる
薄っぺらな安っぽい
電飾で着飾ったフラダンスショー
ハリボテの楽園で目をつぶれば
夕暮れ浜辺で一緒にフラダンス
....
ひとは水から生まれたから
流れていかなくちゃならない
いくら愛しくてもとどまっていられない
ありがとう
と 言ったら
そんなものいらない
そういったあなたのせなかを
いつまでもわすれ ....
息子もいつか
フルーツパフェに登りたい
などと
わけのわからないことを言って
この家を出ていくんだろう
わたしもかつて
プリンアラモードに登りたい
と言って家を出たけれど ....
「詩人」という言葉のその概念的内実を考えてみれば、「小説家」とも「文学者」ともちがっていることがわかるだろう。
そこには、詩を表現手段とすることと、個人であるという、相反するような人間の定義が宿って ....
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