誰かを疲れさせて
その誰かに去られてしまう
おなじことの繰り返し
壁一枚むこうに見えてるじゃないか
壁を越えられないなら
上から見てればいいじゃないか
突き破っ ....
木が騒いでいる
風と葉擦れが波のよう
潮の香のない海のよう
虫が鳴いている
幾重に重なる星のよう
その音色が宇宙のよう
ぼくらはどこから来て
どこへ還るの ....
経験は尊い
苦難を背負うことで
他の痛みを知ることができる
と、
それがどうした、と
苦しみで他の痛みどころではない、と
我慢する必要などないのだ
他の痛 ....
{引用=真夜中に時計の秒針胸を刺す丑三つ過ぎても消えないお化け
エアコンが冷房暖房間違える台風前の平熱微熱
忘れたい忘れたいと書くほどに思い出すため「寺山修司」
宛てのない手紙を書く ....
かわいい小鳥が鳴いてゐる
かわいい小鳥が鳴くたびに
肩がずきりといたい
ええ わたしは鳥だつたんですよ
ひとのゐないところでは
いまでもときどき鳴 ....
今日の午前三時
痛む肉を携えて
部屋の暗闇に沈んだまま
私はひたすら夜明けを待っていた
その時また
意識のふわりと広がり始め
頭上から垂直に響く
無数の秘やかな息遣いに
じぶんの息 ....
夕暮れ、時は奏で、美酒に酔う。
天空のカーテンは降ろされ、夜が舞う。
見つめる瞳に、内なるものは恐れ、
夜空の瞬きは、最期の光を大地に落とす。
崩れかけた古城のほとりでは、子供 ....
青空に
雲だか僕だか
漂って
大きく息を吐いた
眩しくて
今度は急いで吸い込んだら
潮だか草の匂いが少しした
幸せだな
夜風たのしい
思い出す当たり前のこと
当たり前は当たり前ではないこと
夜風さびしい
思い出す傷つくこと
傷つく体力ももうどうやらないこと
夜がはやい
ビル ....
此処が何処だろうが
誰が誰だろうが
私は私だ
宇宙を横切り
宇宙大に広がり
あらゆる処に点在する
在る処の私だ
人はもはや帰属先への執着を捨てていくだろう
人は自らを異邦人として見 ....
魂、魂、降て来よ
何を考えているのかわからない
と言われる
ならばわからないままでいい
言葉じゃなくて
伝わること
伝えるべきこと
持ち続けるべきもの
言葉じゃなくても
....
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人であると知る
ある日
詩人の詩を読んで
自分は詩人ではないと知る
ある日
同じひとりの人が
そんなふり幅で
弦も響いて
からっぽだから余計に ....
虹の根元を今日の夕暮れ初めてみた
輝く太い白柱、虹の弧を支え
余りにリアルなその立体の佇まいに
遠い遠い常世から
繋がり報知する
そのサイン
確かに見事に聳え立ち ....
腕に生ぬるい風が
夏の叢に虫の音が
頭に響く星のこえ
秋の煙を幻視する
過ぎていく
一年が
三年にも十年にも
万年にも光年にも
思える
還って ....
木々が襟を立てて拒む間
風は歌わない
先を案じてざわざわと
意味のないお喋りを始めるのは木
いつしか言葉も枯れ果てて
幻のように消えてしまう
すっかり裸になると
しなやかに 風は切られて ....
わたしが
単に私で在る
時、
わたしは世界の一点
世界を占有せんと世界に挑み
わたしは限られた一点に住み込み
限られた一点から世界を眺める
(どけ、そこは俺様の場所だ!)
わたしが ....
どんな物事も永遠には続かない
だからこの苦しみにも終わりが来る
そう思うと少しだけ勇気が湧いたんだ
幾つもの空を超えてゆくのだろう
君は今
どんな空を見てる?
雨雲
曇り空
晴れ渡る空
どんな空でも
雲を突き抜ければ
青空が広がる
だから心配しなくていいよ
明日はきっと晴れ渡る
誰かにとっていい人が
誰かにとって悪い人かも知れない
みんな抱えきれないおもいを抱いて
抱きしめて
生きてる
そんな事を思い出すと
やりきれなくなるよ
パニックになる
どこかで人にあた ....
毎朝コーヒーを淹れる
住む場所が変わっても
毎朝コーヒーを淹れる
目覚めが良くても 悪くても
くやしくても
久しぶりに上等な豆を買った
ふたり分
ふっと息を止めて ていねいに ....
あなたは一体
何処から来たのでしょう?
あなたは、あの日
たった一粒の種でした
一粒の種の中には
「他の誰でもないあなた」という設計図が
小さく折り畳まれ
ぎゅっ ....
郵便ぽすとが
陽だまりに
一本足で、立っている
今まで、どれほど人の思いを受け入れたろう
これから、どれほどの言葉を届けるだろう
今日も手紙を持つ人がすうっと闇に手を入れる
....
初夏の存在は風だけになびくわけではない
ひかりや悲しみ
宇宙を幻視する
真昼であろうと大きな時間を見つめている
きみがいま地球で大切なことを
ぼくは散り散りになって守 ....
その海とはぼくは違う道を行く
いつもの一本道を歩いて行く
神様は気まぐれで予測の出来ないことばかりだ
その海はちいさな居酒屋の窓明かり
日だまりで鳩がたぶん鳴いている
....
昭和という小さな家族の乗り合わせ
不思議で不可欠な力が運転していく昭和バス
十才半ば、私の春
道路工事の終わった平成通に差し掛かると
祖父の姿は消えていた
草履では歩きにくくなった、と呟いて ....
ひかりをやぶき
いくつものかたちが
そのかたちをしているのをみる
それは偶に 惨めなことだ
夕焼けに似ていない
コロッケに似ていない
どうでもよ ....
みんな簡単に考えているけど
そんなもんじゃない
そんなもんじゃないんだ
みんな本音を上手に隠しているけど
そんなもんじゃない
そんなもんじゃないんだ
ああ!!
いつか私にも先生の ....
いつかこの精神はほどけるだろう
いつかこの肉体は崩壊するだろう
その時私は何を思うのか
その時まで私は何を願って生きていくのか
春の午後
静かな静かな部屋の中でそう思う
ただ
先生と分か ....
南の窓から朝日が差し込んでくる
簡素な食卓 トーストとコーヒー
妻と私は向かい合い 何気ない会話をかわす
あたりまえの事に幸せを感じる
ふたり別れて暮らすこともあったけど
今は一つ屋 ....
遠く南アルプスを望む高原で私は風に吹かれている。
風は私に留まり、そして通り過ぎる。
風は私の人生を肯定する。
私の生きている意味さえも。
風を信用していない私は少し戸惑う。 ....
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