夜になると
鳥は空を飛ぶことを諦め
自らの隙間を飛ぶ
高い建物の立ち並ぶ様子が
都会、と呼ばれるように
鳥は鳥の言葉で
空を埋めていってしまう
知らないことは罪ではな ....
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
ランダム係数で導き出された値を灰青色の明度に代入すると
コペンハーゲンブルーからグレーまで アフリカ模様を織り上げていった
集めている
草花の歌声を
鳥の時を
空気の鼓動を
水の根を
空の恋を
魚の道のりを
暗やみの夢を
ひたすら
見つけては
集めている
....
飲み干した酒杯のそこに
月が映りこんで
もっといっしょにいてほしかった
と
すきとおるようなさそいをなげかけています
小さな啄木鳥が
枝のむこうに
隠れて鳴いている
霜に白く
苔に覆われた墓石の上に
戯れる小栗鼠
韜晦する記憶のメレンゲ
青い雫
仄かに紅く冷たく
かじかんだ ....
母は
今も悔やんでいる
父が逝き
毎日
毎日
こんなにも悲しいのに
泣けないのはなぜだろう、
と
私もそうだ
父の
いるべきそのあたり
ふすまを背にした
低い食卓
....
ひんやりとした風が
長い髪を 後ろに なびかせる
「髪、切りなよ」と 舌足らずな声が聞こえる
切らないわ
この髪が 揺れるたび いつも あなたに 会えるから
1 ....
思い出したくもない思い出なら
いくらでもあるわ
子供の頃はいつも
両親はけんかばかり
私にも手をあげたわ
醤油の瓶をなげつけられて
失明しかけたこともあるわ
いまは一人暮らししてるけど
....
ばっさばっさ。
ひかりがまだとおい、
ななめまえの目標は まだななめまえのまま
光源らしからぬ ぼんやり加減で眼前、から はなれない
羽、では力がはいらない。
翼と言い切る強 ....
弱ってる冬蟷螂の黒い影
雪だるま作れるほどのものがない
あの人と半分こする冬林檎
即興で書いた
デタラメな絵みたいに
世界を、粉々に壊して欲しい
――悪魔と死神。
そして彼らよりも、
さらに残虐非道かつ悪辣な僕・・・・
ふいに質量を奪われて
儚く、空に飛んでゆくビ ....
人であるために必要な何かを落とした
それは必要なくなったので
沈みゆく太陽に
またねと手を振ること
飛び立つ力を失って地面でもがく蛾を
目で追いながら
ひょいとよけて歩くこと
....
(キリギリスやコオロギに似るが、成虫でも翅をもたず専ら長い後脚で跳躍する。その跳躍力は非常に強く、飼育器の壁などに自ら激突死してしまうほどである。「Wikipedia」)
カマドウマは笑う ....
広葉樹か針葉樹か
落葉樹か常緑樹か
単葉か複葉か
対生か互生か輪生か
全縁かそうでないか
鋸歯があるか切れ込みがあるか
先端の形と基部の形
葉脈は網状脈か平行脈か
葉柄は長いか短いか
....
向日葵がいまだ咲き誇る ある昼下がり
ひとすじの光と 一杯の紅茶
画用紙とクレヨンと水彩を使って
思うまま描く
どデカイひまわり
満面の笑み
伝えるためには
伝えるための
言葉が必要で
それにぼくたちは
とても不器用で
{画像=080420115727.jpg}
暖かい色
冷たい色
色々あるけど、
何色が好き?
ぼくはダイダイ色。
暖かくて何か期待させる色。
晩秋の夕暮れこれから寒くなる時のマフラー。
....
{引用=夢を見た。}
夢の国に行ったら神様はいなかったけど
ミッキーマウスがいた。
「みんなの人気者」なんて嫌いだったから
ディズニーランドで会っても
手なんか振ってやらないと思ってたけ ....
お魚畑を横切って
青い列車が突っ走る
火花がカーブで散るたびに
魚が闇夜に飛ばされる
枕木たちの音階を
青い列車が突っ走る
エレクトリックギターの弦の
レールが唸 ....
街路樹をまたぎ
車道を歩き
寝転ぶ
浮遊感に満ちた気分がクッションとなり
アスファルトは優しい
主張の強いネオンも点滅することをやめ
自動販売機が定期的に息継ぎをしている
大量のジュ ....
林檎狩り我も負けじと赤くなる
木漏れ日に揺れる影見て時を知る
舌先が絡める熱い銃口の鉄の苦みは血の味に似て
約束の指でいざなうライフリング自我突き破る濡れた弾丸
背徳を縛る鎖の錠を撃つ。ふたつの魂(たま)は逝く果てもなく
美とは
美しいことは
それ一つだけで良い
比較すべきBやCはない
鳩の雛は可愛い
それだけを思うがよい
風に揺らぐ灯芯のように
一つの愛
一つの美が
吹き消さることなく ....
満月に見つめられては照れ笑い
きんにくを やわらげるため
首をゆっくり 回す
伸びをして 深い息をついたら
本を読みつつ
心が弛緩して
魂が解放されてる
喫煙喫茶のいつもの席
音楽がたおやかに流れて
集う ....
子宮から産道を通って思いっきり息を吐いたら
絶望が打ち寄せてきた
だけどまだ、母の温もりを知らないので
知るまでは死なないでおこうと思った
階段を登ろうとしたら
絶望が打ち寄せてきた ....
アダムとイブのりんご(知恵の実、実は神様はあだむとイブにくれてやるつもりだったのでは無いだろうか。しかし、そう教えられていた為に、待ち焦がれ、待てなくて、実がしっかりと熟す前に、蛇の静止を聞かず食べて ....
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
不細工な顔でこちらをみてる
敵の居場所は知っている
私の中の私自身
敵が憎い
敵が嫌い
敵は無力
....
森林の中
ひっそり潜む
小さな月
あさい眠りの
はざ間を泳ぐ
黒い魚影が
ゆらり と
身体をしならせ
ついばんでいく
冷たい魚の接吻に
吸いとられていく
....
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