{ルビ嘗=かつ}ての僕は頼りなく 
些細なことで今にも崩れ落ちそうな 
不安な、不安な
青白い魂でした・・・ 

今の僕は 
昔の服を脱ぎ棄て 
無明の闇に、瞳を閉じ 
高まる胸に、手 ....
湯をもとめ

山林にはいる

猪か、獣の臭いがする

腐葉土を踏み

靴底を滑らせてゆく

真実は

湯をもとめてはいない

獣を撃つことのみ

思考している、否、体が ....
晴れた空に幸せそうな雲が

まだ明るい日のひかりが

高層のビルに当たっている

こんな時間帯に

悪だくみをする人もいるだろう

美しい歌を聴かせる人もいるだろう


失意 ....
町の夕方がきらきらしていた

台風一過のレモンの色で

ほどけた空が明るくなっていた

それを美しいと思えることが

いついかなるときもそうあれるように

三百万年まえも

三 ....
ごめんね
いつかはしんでしまう
愛するひとよりひとことだけ早く
しにたいよ
しにたくないよ
くるしくされたいの
つよく
やさしく
声を何度ものんで
ひとりを感じたい
感じたい

 ....
玄関は春です
別れと出会いが
毎日
飽きることなく
繰り返されるから
わたしは
いつでも花を飾ります
薄紅色の花が
一番似合うと思います



浴室は梅雨です
温かい雨が降る ....
あおとあかと たまにきいろと
あとはいらない
たいくつと思ったことはない
ただ
まいにち日が暮れかかって
あかりがぽつぽつともる
これはうつくしい

じっとまえ見て 風に吹かれて
雨 ....
ときどき僕は
草のなかを歩いてみる
さらさらと風が流れてゆく
草穂が膝頭を撫ぜれば
なつかしい思いに満たされる


ときどき僕は
人に話しかけてみる
ときどき
誰とはなしに笑いかけ ....
泣いて
泣かないで
つめたい雨が心臓に流れこむ
あなた
わたし
だれか
いいえ あなたの
熱い 肩や指先の
感触たちがおしゃべりする
わたしのからだに
夏が帰ってきたみたいだよ ....
                    それだけは 
                    避けようと するのだ、
                    未開の人が 
            ....
摩擦子音+母音の
「す」
を発音する時の
舌先をすり抜ける息の
すがすがしさが好き

破裂子音+母音の
「き」
を発音する時の
喉の奥で突き放す息の
いさぎよさが好き

「すき ....
紛いなりにも
一度生えたのなら
拭い去れませんよ
それは拭い去れませんよ
夜には光りますよ
消滅はしませんよ
焼却も出来ません
普通の方法では
そういうものなのです
それはそういう ....
十月の午前の窓は開いていた

どこか遠くで冷やされた風

部屋はあのときの青に澄んでいた


十年ほどまえ商用で行ったアルゼンチン

仕事を昼までに終え

通訳兼運転手の日本人が ....
ありゃあ 

ぜったい略奪婚の
名残りだぜ

衆人環視の中で
父親が娘を連れて
バージンロードを歩み
花婿に手渡す
なんてさ

敗れた族長が
征服者に
降伏の証として
自族 ....
あのひとのお勤めする
ひんやり白い建物を
思い描いている
あのひとの好きな
歯の痛くなる甘いお菓子
コンビニで買ってみる
あのひとと一緒に行った
細い道を
一人で歩いてみる

なん ....
ぼくは 生きています
なんとなく 生きています
いいえ ほんとは
生きたいと思って 生きています


ぼくはときどき 詩を書いています
詩のようなもの と言ったほうがいいかもしれません
 ....
石を蹴ったら靴が脱げて

靴を拾いに行ったら国境を越えた

そんな風に僕はあいさつをして

君はバナナを一本僕にくれた

皮をむいて

あまりおなかは空いていなかったけど

バ ....

どういうわけかうちのごみぶくろだけ
いつもあけられてしまって
中身がまき散らされているの

ある日曜の朝
母が困惑顔で言ったとき
それはきっと妹を狙う肉食獣の仕業に違いない
とわた ....
以前から目にしていたけれど
この所目立っている
プラスチックの彼
木枯らしの中で
踊っている
躍動感たっぷりに


以前はよく目にしていたが
この所見かけない
マイナスチックの彼女 ....
空は夜空ではない

星でもない

宇宙そのものだ

宇宙そのものから

虫の音が

降るように聴こえている


哀しみ

孤独

裏切り

不実

それらは
 ....
 
 
不安な気持ちでたまらない、と
夜、入院している父から電話があったので
病院まで行く
今日はリハビリ頑張りすぎて疲れちゃったんだね
そう言って落ち着くまで父の頭を撫でる

その帰 ....
体に毒を持つということは
他のものを寄せ付けない
そういう事になるのだろう

忌み嫌われる形ということは
周りから孤立する
そういう事になるのだろう

墓場に育ち
葉も無く
血を吐 ....
私の詩がどんなに拙い読むに耐えないものであっても
便所の落書き以下の代物であっても
そんなこと関係ないんです。
ポイントが入っていないと誰にも相手にされていないようで
孤独に凍えそうな ....
カインツホーム
ぼくたちは
ある晴れた
空白が青く
平屋の建物に
くり抜かれた
にちように
ポカリと口を開け
まぶしいと
顔をしかめながら
柱から斜めに切れ込む
影に半身を切り取 ....
お風呂から上がると
生き返ります

そのあと水を飲むと
もっと生き返ります

ひだまりで昼寝をすると
生き返ります

そのとき誰かとぎゅっとすると
もっと生き返ります

美味し ....
「林檎ってちょっと女に似てるから歯を立てるときぞくっとするね。」

夕暮れに秋刀魚さばいてみるのですふと血が見たくなりましたので

夜遅い夫の帰りを待ちながら深く深く爪を切るわたし

 ....
 演台に
 原稿用紙を広げ
 子どもたちは声の限りに叫ぶ


「笑顔の
あふれる町にしませんか」


「あなたの近くに
寂しがっている人や
弱っている人はいませんか」
 ....
目には目を、歯には歯を、

このハンムラビ法典の言葉は

復讐法だとか拡大報復の戒めだとか

そんなふうに言われてはいるけれど

この言葉の連なりに

私はひとの悲しみを感じるのだ ....
誰と同じでもいい
私はただ私になりたい。

大きくも小さくも偽らない
今の私になりたい。

遠くのあなたに
私自身に
私が私とわかるように

夜明けの光に
笑顔で答えられるように ....
あまくなった
熟れた私は
のばしかけの髪を
洗う。

したたる
雫をなめてみて。
りんごの
香りがするよ。

モーツァルトを聴いて育ったりんご
のように
あまい
からだ。
 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6712)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
炎の鳥_ー雪の降る、家持の庭と夜空に響く、コルトレーンー_- 服部 剛自由詩609-10-13
久しく忘れず- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-13
秋の日の午後- 吉岡ペペ ...自由詩509-10-12
台風一過- 吉岡ペペ ...自由詩509-10-11
循環- たちばな ...自由詩1009-10-11
家と季節- 小原あき自由詩12*09-10-8
信号のうた- 小林 柳自由詩5*09-10-7
ときどき僕は- 石瀬琳々自由詩14*09-10-7
空は泣いてなどいない- たちばな ...自由詩1309-10-7
身_辺_雑_記_(殺戮された_花々の_碑)- るか自由詩7*09-10-6
「す」+「き」- nonya自由詩20*09-10-5
ヒカリゴケ- ゴースト ...自由詩5*09-10-5
どこか遠くで- 吉岡ペペ ...自由詩1109-10-4
バージンロード考- 青い風自由詩5*09-10-3
ぱっぱかはしる- とうどう ...自由詩809-10-2
ぼくは_どこへも行けない- yo-yo自由詩6*09-10-2
家族- 水町綜助自由詩809-10-2
世の中がどんなに変化しても、人生は家族で始まり、家族で終わる- 吉田ぐん ...自由詩53+*09-10-2
プラスチック、マイナスチック- ゴースト ...自由詩8*09-9-30
秋の宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩1009-9-28
ブランコ- たもつ自由詩3509-9-26
彼岸花- 奈々自由詩709-9-25
私にポイントをください- 花形新次散文(批評 ...8+*09-9-24
_- 水町綜助自由詩709-9-22
いきかえり- 小原あき自由詩6*09-9-18
結婚してよかった、とか言ったことない- 吉田ぐん ...短歌2209-9-14
子どもの宝- 千波 一 ...自由詩10+*09-9-13
ひとでしか癒されない- 吉岡ペペ ...自由詩1809-9-8
飾らないということ- 小林 柳自由詩4*09-9-4
りんご飴- とうどう ...自由詩15*09-9-4

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