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ここからは金木犀の香の範囲
<枯葉はシャベルで集められる
思い出も未練もおなじこと
そして北風はそれらを運び去る
忘却の冷たい夜のなかへと>
(「枯葉」 ジャック・プレヴェール 高畑勲訳 ....
三度目の雨陣の中に朝があり
秋深しぼくのレジンが弛んでる
洗われて英字を誇るフライパン
華奢な花 ひらひらひらり 風に揺れ
薄っぺら これからふうと 膨らます
くるんとね 巻きひげ しれっと寄り添って
まだ開けない 緑の袋 ハッピーハッピー
内緒だよ 風船の家 ハートのお猿
競 ....
返された履歴書の裏に描く桜
冬めいて部屋に取り込む鉢ひとつ
冬めくも猫を{ルビ抱=いだ}いてミルクティー
くちびるが一番先に冬めいて
冬めいてなんの未練もない鳥よ
パソコンを切って冬めく夜を知る
手 ....
オオルリや 出逢いの森で 日が暮れる
割れる陽に花芯は昇りまた昇り
雨音のはざまに浮かぶ花微塵
けだものに片目預けて花見酒
刻みあう互いのすがた風ふたつ
指笛 ....
桜にも詩集にも耳あてる夜
ふるさとの桜をおもう遠くから
新しい頬紅を買うさくら色
花に似た花かまきりの花くらべ
金太郎飴はどこでも花模様
花冷えにきみのマフラー借りて行く
花という名をつけてみる野 ....
狙われしプラタナスの葉凱旋門
表現の不自由の穴秋の雲
朝顔のような君の笑顔
滴りやかつて地蔵でありし石
夕立 でもネコバスは来ない
人のフリ見て我がフリ直さず知らんフリー
スーパーの通路で話し込む迷惑な主婦たち
今どきの娘は〜という時に鼻の穴が膨らむ
老後が心配
バッグの中にはエコバッグ
無料(タダ) ....
恥ずかしがって楔型文字
おばさんは一日にして成らず
常識がないと人にいうあなたの方が常識無し
若者言葉ネットで検索中
何度聴いても覚えられないパソコン用語
話を聴いてくれる相手を探してる
助走乗 ....
春愁の好む餌撒き待ち伏せる
春ですがご自愛くださいふみの〆
花散らす風ではなくて春一番
春満月4回転のジャンプかな
{引用=猫}
降る讃辞しっぽの先で受け流す
{引用=人}
寝子胸に朝ランデヴー日曜日
{引用=猫}
老描の眠り百年時の棲む
{引用=人}
痩せ三毛のかそけき息に目を凝らす
小川コーヒー
ニコニコと母子立ちけり横丁に
あれこれと注文考う小川コーヒー
テーブルでビール一本つぎて呑む
午後の店三人立ちより談笑す
白き手で水を注ぎては立ち去りぬ
....
秋の夕暮れ
夕暮れに白き根を噛み青き菜も
紅い水コップにつぎて砂糖足す
聖霊のたすけをかりて聖書読む
玄米のかゆを食みおり鮭そえて
賛美歌を歌う秋の日こころ富む
造 ....
大山崎山荘美術館
一面の芝生の上に落ち葉散る
すぐにわかつくつく法師啼き始む
真昼時アサヒ・ドライに陶然と
山崎の山荘の庭夫婦して
焼き物に目を走らせて秋の日に
....
わからないことにうなづく白露のひ
魔法に
かかったほうの
負けなんだ
春うらら 喪服で出掛ける お買い物
喪の色を 深く染めにし 春の雨
首のない雛人形を飾っている
獺祭魚大人のキスをしてあげる
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