褪色したかこはモノクロ
 セピアのくすむ
 鉄錆の
 あかがね色

 ふくざつに入り組んだそら
 四角い工場群がある昭和のはじめは卵の
 ちいさな箱
 筒状のえんとつ
 ....
固く強張った叫びの表面から
水が剥がれる
一枚の皮膚のように
音もなく
樹齢千年の眼差しに救われて

水は
季節の波紋を揺すり
懐かしい演奏を軸とする
流れと
陽光の到着を待ちなが ....
鳴るように
色付いて
はばたくように
ふれあう

それは
ひどく
不器用な鳥たちが
抱きあい
落下する 夕暮れ
おばあちゃんが言った
ふりかえっちゃいけないよ

茄子の牛に乗って空へ帰る人たちを
見てはいけないと言った

だってさみしくなるだろう
送る方も
送られる方も、さ

藁を燃やして送 ....
まりまりと育った
踏みつぶされて死んだ



夕方の河原で妹たちが裏白い顔で揺れている
剥がれない瘡蓋
喉元を細い波線が貫いて
噴き返る血流と漏れ出す呼気の
擦れ合う音
こ ....
現実が見えない速度で流れゆく
見えずとも流れゆくのは
時間と河の佇まい
喉を切り裂く
その 刹那
声にならない
悲鳴と絶望の渦の中に
また 流されてゆく

小さな小さな ただ
 ....

コップ一杯の水を飲む

夜の間に
水分が失われた細胞が
目覚めていくのを感じる

八月六日の朝
同じように水を飲む

最期の言葉は
ミズヲ クダサイ

この水は
私の水 ....
うなじに貼りつく蝉の声を
拭ったハンカチの上に


炎天下の用水路に浸した
素足のこそばゆさを重ねて


最後の線香花火が消えた後の
かすれた火薬の匂いの上に


水着の跡 ....
おひさまに干されたふとんは
懐かしい匂いがする

平屋建ての木造家屋
屋根より高く育ったヒマワリ
リュウノヒゲにふちどられた細い通路
赤いバラのアーチでは
テントウムシがアブラムシを食べ ....
亜寒帯のオフィスを出て
果てしない温水プールを
東から西へ

亜寒帯の百貨店を目指し
思考停止のままの潜水で
東から西へ

最後の力を振り絞って
エレベーターのRボタンに
タッ ....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく

畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
 ....
火曜日の放課後は
グラウンドの半分をサッカー部が使う
野球部はだから守備練習だけ
あとはひたすらスイング、ラニング
ところがサッカー部の連中は
ピッチャーマウンドの盛土が時たま
そのままな ....
それは
世界の中、



反映される事象の数程
鉱石を無数に集め



運命をかたち創る






忘れてしまっていた想いの数程

今、


緩やかにも
穏やかにも



時間を流し


 ....
どんな窓にこんな猫がいるのだろう
忘れもしない通った白い家の窓辺で
まどろむ幸せが充ち満ちて
目を覚まさないようにと
やさしく襟元に、毛布を寄せてくれる手は
だれのものなのだろう

いつ ....
珍しく気分を変えて
新宿のバーで独り飲む

バーボンのロックを傾け
タバコに火をつける

立ち昇る紫煙の向こうに
忘れた恋の景色が見えた
あなたと二人
見上げる最後の花火が消えて
暗闇に抱かれたまま
星空に私は願う
この一瞬を切り取って
すべてが止まればいいのにと
 

100万年後
アルタイルの科学者が
とんきょう ....
 
あなたへ直線をひけないので

円をかく

今日も円をかく


 
メジルシが多過ぎる街を
さまよい続ける男は
メヂカラが強過ぎる小悪魔に
あっさり魅入られて
メクバリし過ぎた日々を
少しずつ取り崩しながら
メベリし過ぎたときめきを
愚かにも取り戻そ ....
ぼくも夏毛になりましたって そんなアホな 
暑中お見舞い申し上げます   たま

雨の日はほら
また寝ぐせがついてる犬のひげにアイロン だめかしら

どしゃぶりの雨の中しつこく猫をさがす犬 ....
すきとおるがからまりあがりゆくのです 小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように

風は愛撫する

幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を

市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上

心地良さげに ....
a,

波打ち際にしゃがみこんで
砂浜にいくつも円を描く
白いスカートの裾は
潮にひたひた濡れて揺れて
手の甲に透けた
青い筋がきゅっと強張る
最初の晩から此処へ来て
明日には帰 ....
仮の名を
光でおくる
ぼくら星


流星も
声なき叫び
残したり


混沌の
星のことばを
セーブする


掬っても
すくっても君の
青い星


鈍足の
北斗 ....
とある宗教に誘われて断りました。
それで なんとなく宗教について考えています。
うちは 神棚と仏壇があり 毎朝 御水と御茶 ご飯などを
お供えして先祖を拝みます。実家も同じです。
嫁にきてから ....
夜が明けて
いつもの日々が戻ってきた
飾る言葉は何も見つからないが
飾らないまま
朝のやわらかな光の中で
こうして
過ごしていたい
自分の呼吸を友とする者には
太陽はまぶしすぎる
何 ....
一ノ妙


その命の長さ 七つの月


おぎゃおぎゃと 君はどんな声で泣いたかしら

「ねぇ 見て 手を握りかえしてくれるの」

ちぃさなちぃさなお手手 小指をすこしだけ掴むの
 ....
弱さを強さで
コーティングした
直立二足歩行の木偶の坊

愚かさを優しさで
マスキングした
なんとなく文化的な唐変木

心という
自滅回路の中で
思い上がっては落ち込んで

 ....
 人災テポドン
   {引用=   東京ムービー企画部 作詞
   平壌ダービー企画部 補作詞
   渡辺岳夫 作曲}
父から昇った正日が
草場へ沈む(あっ たいへん)
これでいいのだ こ ....
黄昏時の青空に 
遠く聞こえる 唸り声

暮れゆく山の稜線に
赤く響く 叫び声

黒く染めゆく山肌の
静かに震える 樹々の声

天空高く呼びかける
言葉の辛さ 曖昧さ

生きる ....
西瓜の皮の饐えた
匂い

溶けかけたアスファルトの
執着

潮の香りで擦り剥けた
夜明け

逆光の中で振り返った
誰か

何処から剥がれ落ちたのか
皆目見当がつかない
 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6711)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フリーハンドのくろい線- 石川敬大自由詩15*12-8-10
水路- 綾野蒼希自由詩15+*12-8-10
(____________)- はるな自由詩612-8-10
盆送り- そらの珊 ...自由詩2312-8-10
川は蛇行して背を伝う- 手乗川文 ...自由詩5*12-8-9
渦の中にて- 岸かの子自由詩3*12-8-6
誰かの水- そらの珊 ...自由詩14+12-8-6
盛夏- nonya自由詩18*12-8-4
黄昏待ち- そらの珊 ...自由詩2312-8-4
ビアガーデン- nonya自由詩16*12-8-1
夏休み- ……とあ ...自由詩17*12-8-1
安全神話- salco自由詩5*12-7-30
つぼみの時間- オリーヴ携帯写真+ ...312-7-30
花嫁- 灘 修二自由詩7*12-7-30
紫煙- うずら豆自由詩5+*12-7-30
星の記憶- umineko自由詩7*12-7-30
円をかく- 殿上 童自由詩39*12-7-30
- nonya自由詩20*12-7-28
ちぎれたしっぽ- たま短歌23*12-7-27
つる- 阿ト理恵携帯写真+ ...7*12-7-26
夏のこどもたち- ただのみ ...自由詩24*12-7-24
海の家- peau自由詩12*12-7-24
北斗七星☆五七五- yo-yo自由詩312-7-23
宗教_みたいな?- 砂木散文(批評 ...13+*12-7-22
生き残されて- 灘 修二自由詩3*12-7-22
手向け_会えなかった君へ- 黒ヱ自由詩612-7-21
ジブン_(_ヒト_)- nonya自由詩21*12-7-21
替へうた- salco自由詩4*12-7-20
詩人- ……とあ ...自由詩9*12-7-19
鈍痛の南側の季節- nonya自由詩22*12-7-18

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