{引用=「それでも、こころの中のたいせつな部分に、美しい、青い麦の生えた
草原があって、その向こうには荒々しい崖と海も見えて、そこではわたしとあな
たは虫捕りあみやかごをもって、いまでもはしってい ....
母の葬儀が終わった

母の 母の人生はかわいそうなものでした

思春期を過ぎた頃より病気がちになり

激しい運動は禁止されていた

しかし激しい学生運動の中父と結婚

二人の子供を ....
水のように流れ
人のように往来した
そのほとりからいくつもの
日常と非情がわき上がり
その沿線はいつもどこか湿っている
鬼門に向かって伸び
裏鬼門へと帰ってゆく
その繰り返しの中から
 ....
海沿いに並ぶ発電風車をくぐり抜けて
海風が膝を抱えている

吹かれて揺れる磯の花が
太陽の傾きを数えている

ぼろ布のように絡みつく
影の正体をゴム底に貼り付けたまま

そらを見上げ ....
ナニカは知らない、
燃える秋の山々はもくもくと煙立ち
はるか上空から
ふりそそぐ焼夷弾によって
木や草も畑も焼けた

森は焔につつまれ
必死に逃げる動物たちを
獰猛な火の手が執拗に追っ ....
空のとまり木に腰かけて
悪魔が釣りをしている

こんな泥の中から蓮の花が咲くなんて
マジ信じられんわ

と呟いて
黒く濡れた尻尾を伸ばして垂らす

そうして蓮の根を食べて ....
猫が伸びしてあくびする。
それを見ていた子猫も
ふぁ〜あ

子猫のあくびに
母猫
ふぁ〜あ

子猫が虫を追いかける。
前足交互に
しゃぁーっ
しゃぁーっ

そのあと、子猫は肉 ....
夏は
ひねもす虫を追って
森にまよう


虫は
翅をひらき
森を飛びたつ


夜は
空の翅で
ぼくは飛ぶ
指のさきが星にふれる
真珠のしたたり
涙のあかり
アップルグリ ....
送り火みたいな花火をした
愛犬は鼻を火傷しそうになり
わたしたちは
少し寂しかった


お盆も終わって
仏様はみんな帰ったけど
納骨の済んでいない魂は
未だここに残っている


 ....
ゆっくり回って
メリーゴーランド
夕日に照らされて
色を変えたのね

頭の中を回る
メロディー
切なくて力強くて
世界がこの歌の通りになればと
願っている

もう少し
小声で話 ....
テキーラの瓶は空いた
そろそろ腰を上げようか

この二週間 考えていたことは
フィジカルとスピリチュアル
どちらが強いのか
対極なのか
延長なのか

マラソンは肉体をいじめ
苦しみ ....
空のどこかに 始まりと終わりがあるのか
いつまでも一日が終わらない ぼくたちの
浮遊する魂の 影を見失うころ
すべてのかげが消えて そこから
すべてのかげが あたらしく生まれる


幾夜 ....
小さな水口から
待ちかねたように水がほとばしり
山吹とコデマリの花びらを散らして
春色に染めていく

かたわらでは
田植えの準備が賑やかで
初めて田に入る子供が
父から苗をもらっている ....
夜になったばかりの砂浜に
喪服で佇む一人の女
黒いドレスに黒いハイヒール
光沢があるのは纏められた黒髪のみで
女の黒い部分のほとんどは
艶もなく影と夜に吸収されている

波打ち際にしゃが ....
八月が恐い
僕は七月に話しかけていたのに
七月は知らぬ間に去っていた

八月には入道雲が空を仕切る
僕は彼らの無遠慮さが嫌いだ
態度がでかくて、真っ白で、どことなく冷たい
全身が真っ白の ....
あなたの目は人間に狙いを定めるために焦点を合わすのではない
あなたの指はピストルの引き金を引くために折り曲がるのではない
あなたの胸は誰かに狙われるために膨らんでいるのではない
あなたの肌は鉛の ....
きっと
体の中の 心の臓と 言われる場所には
純白の 純白の 繭があって

そして
繭の中には 子供の時の私がいて
膝をかかえて  かたかた 震えているんだ

いまも
膝をかかえて  ....
水のない水槽の中で
ただじっと空を見ていた
泳ぎ方を忘れた魚たちには
青の区別がつかない

水のない水槽の中は
水がない分だけ騒がしい
自分の鱗のはげ落ちる音にすら
耳を塞ぎたくなるほ ....
暇ができたので帰ります

突然の帰省の知らせに喜ぶ母の声

思えばもう何年も帰っていなかった


空港まで出迎えに来た母は少し不安げな顔で
私を見つけた瞬間、懐かしい笑顔を見せた
私 ....
雨の夜のアスファルトでは
光も熱帯魚みたいに濡れている
迫り来てよぎり過ぎ去り遠退く
赤い、黄色い、無数の鱗が目に入って
濡れるしかなかった視線が水性インクとなって
雨の夜に、明るい ....
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書

罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止

脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置

胸の奥乾き切って
 ....
突然
草原に風が吹き抜けて
雲海から産まれ出る
太陽
暗闇から朝焼けへ
空は様相を一変し
神々しいまでの
輝きを放つ太陽は
微かに空にしがみついていた
夜を追い払う

美しい世界 ....
「見て、B-29よ。」

一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。

終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別 ....

目を開けなくとも蝉が鳴いている
目を開けなくともあなたの部屋にわたしがいる
けれど、目を開けて
眠るこの部屋のあなたを確かめる


蝉が蝉が鳴いている、ああ、夏なのだ
翅の ....
ものごころがつく前は
うおごころも
みずごころも
何も分かっていなかった

世界よりも広かった
はだかんぼうの意識

ものごころがついた後は
おんなごころも
したごころも
少 ....
「人口は不明です」

 様々な色の傷痕や
 様々な味の妄想が
 都市を形成しているようです


「面積も不明です」

 小豆粒大〜ピンポン玉大
 三流私大〜夜郎自大
 等身大 ....
疲れ果てた身体で恋しがった光を

自分の手で消す

暗闇

一寸先もみれなくて

心許なし

身体儚し

締め付けられるような
何度も言い聞かせて

強くあれ

強さ ....
きみは君という病気なんだ
きみが死ぬまで君は治らない
でも君のままのきみがわたしは好きだから
きみは何も心配することはないんだ
コーヒーに入れる砂糖の量が変わろうが
日々の態度や言葉遣いが変 ....
見えないものを見る機会は少ない
だから
日食を見よう

あれはつまり見えるはずのない昼間の月
太陽と同じような大きさのふりして
ときどき
青い空に白く浮かんでいたりするやつ

ほんと ....
 居酒屋『道草』のカウンターでホッケの焼き物と格闘しながら冷酒を飲んでいると、
隣の席に座った、やっぱり常連のキャバ嬢のマユミが、酔っ払って、僕に向かって
話しかけてきた。
 「あんた、目の見え ....
るるりらさんのおすすめリスト(6712)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
----------------------- 渡邉建志自由詩509-9-2
【美しい母】- つむじま ...自由詩6*09-9-1
小田急線- 岡部淳太 ...自由詩3+09-8-31
断章(海を見つめている)- たりぽん ...自由詩509-8-30
ナニカ_☆- atsuchan69自由詩14*09-8-30
悪魔と釣り- shu自由詩409-8-27
朝の陽だまり- ……とあ ...自由詩9*09-8-25
翅(はね)- yo-yo自由詩6+*09-8-22
繋がる- 小原あき自由詩9*09-8-21
メリーゴーランド- ミツバチ自由詩6*09-8-19
【完璧山への登山口】- つむじま ...自由詩2+*09-8-17
星の命名- yo-yo自由詩8*09-8-15
水口- 西天 龍自由詩8*09-8-14
海の遺影- 木屋 亞 ...自由詩7*09-8-12
はちがつがこわい- 木屋 亞 ...自由詩2*09-8-1
それらしい詩- 木屋 亞 ...自由詩4*09-7-31
- 卯月正也自由詩509-7-30
水のない水槽- 三原千尋自由詩23*09-7-30
帰省- ゆでたま ...自由詩209-7-28
魚類の夜- A道化自由詩1009-7-28
夏の罪- nonya自由詩9*09-7-27
誕生- ミツバチ自由詩4+09-7-27
「B-29は頭上を通り過ぎていきました。」〜祖母の記憶- 夏嶋 真 ...自由詩31*09-7-26
蝉としゃれこうべの朝- A道化自由詩609-7-26
ものごころ- nonya自由詩6*09-7-25
ボクノ共和国- nonya自由詩7*09-7-24
暗順応- テルテル ...自由詩4*09-7-22
君なきみと君を好きなわたし- 木屋 亞 ...自由詩4*09-7-21
日食に月を見よう- 小池房枝自由詩3*09-7-20
PCを捨てよ_町へ出よう(2)- 花形新次散文(批評 ...5*09-7-19

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