片方の指の半分が
いつまでもいつまでも濡れている
むらさきの
二重の光

そっと頁の上をおさえる
小さなけものの前足が
沼のような暗さを湛え
土を少しだけ歪めている

 ....
この世の(ふしぎ)を探すのに
遠くを指さしては、いけない。

たとえば風に踊る蝋燭の火が
あなたの横顔を照らす、夜

胸に手をあてるだけで
あなたの(ふしぎ)は湧き出ずる  


 ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ

わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
 ....
オオヨシキリは
カッコウに托卵され
自分たちの子供を殺されて
なぜ自分より体の大きいカッコウの雛を
疑わないのか

実は
オオヨシキリは
途中で気が付いているのではないかと思う
 ....
マリッジブルーと
マリンブルーは
よく似ている

透きとおる
深い青と
私のゆううつが
たぶん同じで

だいたい
結婚は束縛である
水圧で
胸を押されて
呼吸できないその様子 ....
  外に出ると
  風が
  大いなる質問を運んできた


信じることと疑うことはどちらが大切なの


なぜ人は鳥を信じるの

  

  なぜ人は人を信じていたいの
 ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
「タンザスト ナイト」




ひかりふる、


せかいをつつみこむほどの、
くうはくを、
うちにひめた、
わたげを、
うみへかえしてやります、

ぼくのうちがわから、
 ....
きのうまであった
いのちです
傘が行く
三叉路の紫陽花を横目に

靴がついてくる
水溜りをかろうじて避けて

身体は押し黙る
雨音の朗読を聴くともなしに

思考は潜り続ける
内側の後方の下部の
定位置に落 ....
くるかしら くるかしら
あなたは わらって くるかしら

そんなことだけ考えて 

心の中は大きな大きな嵐だけれど
それを悟られないように涼しい顔で

ずっと

まつのよ

そ ....
醗酵することは発行されたものをもたないこと
あるいは発光する冷たい微熱をかかえた昆虫の夜を生きること
あるいは薄幸な女の身の上話にあいづちをうつ場末の安酒場の空気

欲望は醗酵し発熱し自分の足 ....
このまま永久に眠り続けたいと願う朝

喉元は炭水化物がすり抜けるほど空気がうまい

そんなときに限って、向かいの庭先には腹立たしさが待ち構えているんだよね 。

( あれ  ....
ことがら は 昨日の記憶

そばがら は 今夜の枕のなかで

ひとがら を 朝のヒカリで描きこむ

うまれたての雛のあたまに
残された
一片の から

どこからと問うこともせず
 ....
唐突な話なんですがね
最近 魚になりたいって思うんです
いえ 泳ぎは得意じゃありません
なんか太陽とか土とか風とか
面倒臭いなあーって感じるから

海の中はいいだろうなあー
何処までも
 ....
何だか失恋が急に降ったようなある曜日
んん、たしか晴れてたから
顔を出した太陽からは避けられない 一日が稲妻

あれから時間は淡々と
寝息が規則正しいみたく
それを眠れない耳で聞いてる な ....
「サーカディアン・フラクタル」


空といたい。
そう言って見上げた優しいおでこに
ギリリと違和感が粘着していて
不毛の鳥は翔けてゆけない!

「ヒューストン、応答せよ!」  ....
 私が各地(といっても3都市だけだが)転勤の末、夫の出身地である広島へ行くことになった時のこと。

 それを聞いたある人が言った。
「大丈夫なの? 広島に住んで。ナマ水とかは飲まないようにしたほ ....
球体の全方向へゆけること水無月の坂はゆるりと続き

七分袖着るか着ないかしてるうちドミノ倒しで夏の到来

夕刻のうすくかげゆく西向きで満ちていくのはクライミー ア リヴァー
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
今日は 10回言おう
さみしいって

さみしい
さみしい
さみしい

言えてるうちは
大丈夫
哀しみは
まだ
そんなに近くにはいない

私には
あなたがいる
私が
さみ ....
{画像=140531162934.jpg}



時間は無いと考えている?

でも時間はいっぱいあるのだ

日頃の所作の大半は無駄な時間潰しで
大事なものは何も無いのだ
マネキンが ....
人間になった理由を歩きながら 空に求める応えてと
知りえない宇宙を腕で括って 流れる星のオーラ

人間になった理由を風に溶け込みながら 尋ねる胸に叩く胸は無言
知りえない彼方を眼力が泣きながら ....
沸騰させた水が
マグカップの中で
常温を目指している

まだ
ひりつく
くちびるに
おそらくとても
優しく
同化していくことだろう

情熱だとか
とがりだとか
叫びだとか
 ....
月山だけが
神々しい姿を見せている

幾つ 眼の前に現れ
幾つ 眼の前に
 崩れ去ったことだろう

高く聳えたいと
積乱する
白き夢を 
遥かな空に 見上げながら

 前に、  ....
それで、
雪が降ると。
山口の人は、はしゃぐ。
福井の人は、溜息をつく。
福島の人は、目を細めて。なにか、思い出すように。

―3月10日。昼過ぎにホテルのロビーで新聞を読んだが。いっこう ....
本作品は、メビ【書換連詩リレー】にて、はるりらさん『いろとりどり』をベースに書いてものです。本作は語句転用が多いのでオマージュ作品です。
メビ連詩板で、私⇒こひもさん⇒はるりらさん⇒私という流れは、 ....
だれもしらない庭にだれもしらないあなた
わたしたちは夢をみた
はつ夏のひかりのなかで
あれはあなたの花
ジャスミンのむせる匂いに
秘密めいたあそび くちびるの感触をおぼえた


だれも ....
(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】http://mb2.jp/_aria/840.html#S65 にて、蛾兆さん無茶ぶりの(難)題名で書いた詩。)



 「キリン座とフラン ....
(メビウス【前レスの無茶ぶりタイトルで書いてく詩】http://mb2.jp/_aria/840.html-62-63 にて、はるりらさん無茶ぶりの題名で書いた詩。)




「雑草の名前 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6754)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつ_ひもとく- 木立 悟自由詩514-6-11
瞑想録- 服部 剛自由詩414-6-9
はるかな個人- 乾 加津 ...自由詩23*14-6-9
オオヨシキリ- ichirou自由詩6*14-6-9
マリッジブルーとマリンブルー- umineko自由詩19*14-6-9
大いなる質問- ichirou自由詩7*14-6-8
旧友- ただのみ ...自由詩29*14-6-8
タンザスト_ナイト- 赤青黄自由詩1*14-6-8
これは- フユナ携帯写真+ ...4*14-6-7
傘が行く- nonya自由詩22*14-6-6
豚の生姜焼き- ウデラコ ...自由詩114-6-6
ただしい醗酵のてびき- 梅昆布茶自由詩1914-6-6
_、ネバネバ- アラガイ ...自由詩3*14-6-5
から- そらの珊 ...自由詩25*14-6-5
【_妄想を泳ぐ_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-4
胸の栞- 唐草フウ自由詩9*14-6-4
サーカディアン・フラクタル- ハァモニ ...自由詩5+*14-6-4
夜更けの紙相撲_水の月_プロミストランド- そらの珊 ...散文(批評 ...11*14-6-3
クライミー_ア_リヴァー- そらの珊 ...短歌8*14-6-2
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
あなたに甘えているんだと思う- umineko自由詩9*14-6-1
時間は無いと考えている_/_君は時間を止めている- beebee自由詩23+*14-5-31
人間になった理由- 朝焼彩茜 ...自由詩10*14-5-30
常温- そらの珊 ...自由詩23*14-5-30
雲の峰__【題名無茶振り】- ハァモニ ...自由詩114-5-28
しおくみざか- れつら自由詩6*14-5-28
彩とリドリ_【連詩より】- ハァモニ ...自由詩1*14-5-27
だれもしらない庭で- 石瀬琳々自由詩14*14-5-27
キリン座とフランス座_【題名無茶振り】- ハァモニ ...自由詩1*14-5-27
雑草の名前_【題名無茶振り】- ハァモニ ...自由詩2*14-5-27

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