閉めきった部屋の中を
風が吹き荒れるなんて信じられる?
でもそれは本当のこと
現にそれで海は荒れ
帆をたたんだ私の帆船は
航路をそれて思わぬ方へと運ばれた
情熱からくる行為のそのほ ....
わたしのことばが
唯一のものではないと知っている
幾千万の文字列を従えて歴史は動いている
止めどない比喩の群れを追って
捕まえた星のひかり
何億光年も前に息絶えたいのちの尊さを
思い出して ....
孤独でない人間なんていない。
その事実だけが、私を安堵させる。
職場の上司が、手品を始めた。カード手品ってやつだ。時々、その成果を披露してもらう。だいたいは金曜日の飲み会である。飲み会自体が手 ....
ははは
ひひひ
ふふふ
へへへ
ほほほ
愉快でならない。
自分の時間が進んでいる。
自分の思い通りになり
好き勝手な事を言って
感謝される。
強引でない。
心を聞いて
....
{引用=
またいつもの
自転車にのって
ぼくがむかっていた
先とは
どこだろう
でも
いまは
どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
はたして
ど ....
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う
昨日との交信が途絶えて
寄る辺ない
なまぬるい風に
輪郭を確かめる
季節がしみこんでくるのと
季節に染み出していくのが似ている ....
日曜の
午前三時
手足のない男が
金網に入り
手足のある男と
2ラウンドを戦う動画を見る
手足のない男は
手足があるときは
アマレスの
....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
7日に蛭木の浜に下りていき
ヨガをする。
足の爪先から、踵まで、ゆくりと着地する。
干潮を合図に背中を反らせ、アーチを模る。
オヒルギとメヒルギが
音をひらいて絡み合い
嘆いて赤土を溶 ....
泣く女
泣く女は階段の下で
セーターを編んでいる
赤い毛糸と緑の毛糸で
哀れな女
シンデレラは靴の片方をなくした
シンデレラは靴の片方を探している
シンデレラは義足の片足 ....
彼女はきれいなシールをたくさん持っていた
そのシールを貼れば
どんなに汚いところもきれいに見えるようになった
彼女は通る道通る道にシールをどんどん貼っていった
それまで汚かった道も
....
今日は
金曜日だったね
通りすがりの
人がいう
ふりかえると
そこには
金色の
金曜日が
あるのだった
繁華街が
眩しく
私の背中にも
反射している
....
愛するわたしは愛するあなたのように語り
愛するあなたは愛するわたしのようにつまずく
わたしはあなたを愛するから帽子を脱ぎ
わたしはあなたを愛するから最初の皿を割った
あなたはわたしを愛するから ....
たった一本の卒塔婆のように
不健康に伸びた櫓から
私はずっと向こうの火山を見守る
今にも昂りそうで昂らない
噴き出しそうで噴き出さないそれを
ひたすら見守りつづけて幾星霜も過 ....
猫寺には
猫の観音さまがおわします。
仏罰は猫手パンチ、
肉球ぷにぷにの千手観音さまです。
右手の中指 深爪している 朝からなんだかテンション高くて
バレリーナの真似 爪先立ちで 歩いていたら 足首ひねった
無敵と無敗の遺伝子操作で できてる雲雀がピーチクパーチク
鳴けど騒げど ギ ....
パチパチと産卵する月光が
きめの細かいモルタルを舐める
チョコレートの銀の包みを
一生懸命に剥がしている
見よう見まねで月まで来たけれど
なにも食べるものがなかった
太陽が地球の裏側に ....
夕暮れ中央道にのり込んだ
明滅するテールランプが湿度ににじんで美しい
すべての初めては心を激しく呼んでくる
生きている
くるしいし高ぶるし泣きたくて笑いたい
センテンス
台 ....
春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い
そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い
いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
....
ピチカカという鳥がいます。それはとてもめずらしい鳥です。満月の光に当てると羽が青く光るのです。ピチカカ鳥は新月の夜に生まれます。そして満月の光に当たると青く光り輝き、月が沈む頃に卵を産み落として死んで ....
最近、古月さんに樋口由紀子さんという方の川柳の本を教えていただき、すごいのでびっくりして、川柳のことをちょっと学びました。古月さんの書かれた「【批評祭参加作品】ひろげた本のかたち(佐藤みさ子)」htt ....
15の時 演劇をやりたかった
が 部の雰囲気が悪く
音楽系の文化部に入った
戯曲”ロミオとジュリエット”に
あこがれていたから
その希望のままに
今も あたしは
生きている気 ....
セーラー服を着たおばさんから
愛をこめてヘルペスのプレゼント
夢中でがんばる君にエールではなく
とっておきのヘルペスをプレゼント
さあ こちらで一列に並んで下さい
三十分ほどでご案内出来ます ....
茶柱が立とうものならへし折ってやる
サブカルに傾倒したお前らに未来はない
哲学と就職の話題を一時にするのは止せ
今から半年後に俺だけが悲しくなるから
ウイニングイレブンの常識を持ち込めば
そ ....
疾走する赤き車
似つかわしくない車
それでも
気にならなくなった
麻痺したのだ
新産業道路から
尾久橋通りへ
さらに環状七号線へ
夜の四車線道路をとばす
その恍惚感
月の光 ....
障子すべて開け放った和室に
屏風の衝立
衝立は
六曲一双モネの睡蓮
昼寝時の畳からは
好んで水辺に生える青草の匂い
ひつじ草がぷくりぷくりと開く
どこか遠くの沼の気配
....
力を抜いた片掌に
ちょうど一つずつ乗るほどの
ピンク色したケセランパサラン
夜に開くサガリバナ
夜にだけ
マングローブ林の奥のほうで一晩だけ咲いて
ほたりと朝には
水面に落ちる
....
これなるはもぬけ
まぬけではなくもぬけ
まぁまぬけなもぬけではありますが
これなるもぬけは言の葉をあやつりまする
人語を解しまする
花鳥風月ひとの情けに涙もいたしまする
つまりは詩などもい ....
とうさんに教えてもらった花たちを遠くの町でさがしています
{引用=
黒が似合うようになりました
白はちょっと 気恥ずかしくなりました
女になったのはいつ頃でしょうか
どんなふうにしてでしょうか
化粧が上手くなった頃でしょうか
愛するからで ....
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