桃をおろし金に擦りつけ
埃をかぶって臭うストローを水で洗った
プラコップの水面は穏やか
遠い南国の、夏の海の、奥の奥

レンジから元気のない食パンを取り出して
固いバターをスプーンで擦り落 ....
かじかんだ背骨に脂をめぐらせて
あなたは4℃の水底に憩う
ごちそうがなくなれば共食いもする
吹き寄せられた薄氷の庇
その下にもぐって ただ噛んでいる くつくつ

針を飲んでしまったよ
そ ....
みんなイイネなんか押してないで

詩でも書けばいいのに

似てるなにかに頷かないで

ちょっと違う!って叫べばいいのに

秒速5センチメートルみたいに

青春に恋はしたけど

 ....
そんなに急いで
どこへ行くの?
この先は急カーブ
速度おとせ
長く曲がりくねる
人生という道
少し焦ったところで
行き着く場所は

それよりもきっと
焦燥感に追いやられ
取り返し ....
冬に雪が降るように
春は砂糖が空に舞う
なまあたたかい日差しと
つめたい突風に乗って
粉糖がにわかに吹き上がる
乾いた頬にさらさらと
なめると甘い
空気がもう
糖分で黄ばみ始めて
 ....
だめだ
もうだめだと思いながら
それでもまだ生きながらえている

この鼓動は止まることがなく
呼吸が止むことなく
陽の光を浴びて幸せを噛みしめる

気を失ってしまいたいと切望し
なに ....
人は年をとるたびに衰える

しかし、水が自分を犠牲にして木を潤すように

木が火を燃やすように

そして、火が自分を犠牲にして土に命を与えるように

土から金がとれるように


 ....
雪の冷たさの青の空
桜のつぼみに咲くなとわめいてる
私を殺していたあのころ

なんで

好きな人は働かなかった 家事もしなかった 絵だけ描いてた
絵は息をのむようなやさしさだったのに
 ....
 鳥が飛ぶ 一斉に
 羽根をもがれた鳥も 翼を奪われた鳥も
 みな 一斉に

 孤独を知らぬ者はない
 歓びを知らぬ者も
 ただ与えられた使命のままに
 空を飛ぶ

 運命に抗う者は ....
いつも日没は反覆だった


ごみ箱に弁当の中身を捨てる
箱の中
散らばった白飯が造花のように咲き
今朝解凍された惣菜がぽろぽろと転がる
(それだけしかないから)
誰にも見つからない ....
薄臙脂色に錆びた 夜に向かう空
冷める夜営の街 風がなぞって
そんな絶景の中に 悲しい唄の語り部がひとり
物静かに立ちすくんで 遠くを見やり 語りだす

「誰のためでもない この世界で」 ....
「綺麗」「美しい」
その語感に
こころとろけ
誘惑され
引き込まれる

私はそれを愛おしみ
抱きしめ愛撫する

それは秩序があり
天体のように
細胞のように
緻密で
謎に満ち ....
潮風を浴びている
白い丘
黒い岩肌、
なめらかな、
すべるように飛ぶ鳥の
くすんだ青の骨
、風に中指をのばす
調律師はもうなにも
弾かなくても、それが見えた

やさしい音楽 ....
崖を巡る
白い岩の径
ふたつの海の
ひとつは黙っている


水の底には花が見える
崖上からは羽に見える
降り来るものには
まばたきに見える


欠けた色の響きの ....
[line]

彼女が不可思議な行動を見せるようになったのは僕たちが同棲をはじめてから数ヶ月ほど経ったころだった。ある朝、肌を逆撫でるような寒気に目を覚ますと、あけっぴろげにされた窓からあざやかに ....
人は過熱する成熟とともに
真珠の繊維を紡ぐようになる
貝がその内側に宝玉を育むように
人はそのすべての能力を費やして
経験と対峙し経験を醸成する
積み重ねられた生きる経験が
白い光 ....
あなたと一緒にいれば
どんな場所でも
居心地がいい場所になる

笑顔で過ごしたり
見つめ合ったり
お互いに飾らない

そのままのあなたが好き
今が色濃く私を包む

居心地がいい場 ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
感じ悪いって思ってる
たとえば

嘘をついてしがみつくとか
取り乱して吠えさかるとか

感じ悪いって思っている
自分のことを護ることしか
考えていない自分とか

帰る場所がないのは ....
表にも裏にも
鏡のついた手鏡を
ふたつの指で廻しながら
光ははじまりと終わりを行き来している


横の波が
縦に重なり窓を覆う
外の冬を隠すように
布の鳥の羽音が積も ....
氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... そうだなあ

ふかす
何ごとに関しても

そうだよねえ

啜る
時間をそしゃくするごとに

そういうことが増えた、

何もうまれてはいない
何もかもが産まれて、空までたち ....
父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい

父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている

その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す

私が石鹸で流せる ....
青い青い海を
裸で泳ぐと

魚の頃の私に戻り
手足も自由になり

心も自由になり



そして、そして



どこまても…どこまでも
私は泳いでいけるような
そんな錯覚 ....
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から 
魚を、逃がす 
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
 ....
ここにはもういなくなってしまった

ひとたちが

ときどき浮かんでくる


そのたんびに僕は

夕焼け 夕焼け

って詩を書き始める




いないいないばぁ
 ....
まぁ座って。



あなたはテーブルとの距離を好きにする。

これより喰らわせるアイデンティティなら氷山の一角
つまりあなたはミーム逹 乗船のタイタニック。

いく ....
灯籠のつくように世界の意味は反転する
昼と夜とについてくる残酷な時刻たち
君らには心がないんだね
それなのになぜ世界を統べるの

吐く息に祈りを込めた
吸う息に唇を震わせた
先へと思いを ....
顔  しかないあなたを覚えては
   いませんとうの昔に身体が
あることが当たり前になっていた
からあなたの膝によじ登り二の腕
にぶら下がれるほどの小さな私は
よく脱臼して整骨院に連れて行か ....
言いたいことも言えぬまま
蓋を閉じた父の棺。

最後に触れた手に一輪の花を握らせて
また会いましょうね。と
母は呼びかけた。

悲しみの中
いつもと変わらぬリズムで時刻を告げる
柱時 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6712)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いただきます- 印あかり自由詩14*17-4-4
氷点下- 紋甲メリ ...自由詩417-4-4
みんな詩でも書けばいいのに- フユナ自由詩12*17-4-4
速度おとせ- たいら自由詩117-4-3
sugaru- 木屋 亞 ...自由詩3*17-4-2
生きてゆく- 坂本瞳子自由詩10*17-4-1
人間は醜くなっていく- F.philogist自由詩1*17-4-1
なんで- 田中修子自由詩11*17-3-29
情熱の名前- stereotype20 ...自由詩117-3-29
セパレータ- 紅月自由詩917-3-28
綻びの街- 黒ヱ自由詩117-3-28
「綺麗」「美しい」- 星丘涙自由詩3*17-3-27
風の腕力- flygande自由詩917-3-27
こだま_かたち- 木立 悟自由詩317-3-26
phosphorescence- 紅月自由詩817-3-26
白髪- 葉leaf自由詩117-3-26
居心地がいい- 夏川ゆう自由詩217-3-25
よるのとり- そらの珊 ...自由詩23*17-3-24
クラクションS- umineko自由詩5*17-3-22
かたち_かたち- 木立 悟自由詩417-3-21
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
チムニー- 唐草フウ自由詩6*17-3-20
父の背中(挨拶付)- 宣井龍人自由詩9*17-3-19
- 薫子自由詩317-3-19
記憶を、汲む- 望月 ゆ ...自由詩27*17-3-19
いないいないばあ- AB(な ...自由詩7*17-3-18
前頭葉に取り付けておいた鈴。寝かしてくれない。- 幽霊自由詩117-3-18
烈光- 黒髪自由詩2*17-3-17
いないいないばあ/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩3*17-3-17
暖かな食事- 梓ゆい自由詩417-3-17

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