あまりにも苦しいから
もう子供なんかいらない
そう叫んだら生まれた

あなたは私にいう
生まれてから記憶があるまでの私は
私でないと思うようになった

だから
なぜ生まれたかを思い出 ....
朝早くから祖父が死んだ
葬式の準備に追われながら
仏壇の前に寝かされた
小さく硬く冷たくなった
祖父の姿が目に入る
子供の頃
遊び疲れて歩くのを嫌がったおれを
毎日のようにおぶっ ....
スルメイカの
矢印が
空を差している

私は
宇宙から
来たのだと

故郷の星へ
帰りたいのだと
うその悲しみ

ほんとうの悲しみ

そのあいだの悲しみ

だれかの悲しみ

ぼくだけが見つめる悲しみ

あなただけが見つめる悲しみ

ひとはたぶん

悲しみにくるしみたいん ....
ぼくには廊下を走るしかないのか
なにもできずに世界の一員であることを
ぼくは駆けつけることもできなかった

文学で立ち向かえるのか
どうやって立ち向かうのか
立ち向かう理由なんてあるのか
 ....
じっと見つめると
あなたのようにあまく
とけてゆく夏を

シロップのように
かき氷にかけると
ひんやりつめたい


つまりね。

あなたに向かって
ただ今咲いています
そういうメッセージ
小学校から家に帰ると
母の店に勤める悦ちゃんが来ている
兄たちは学校からまだ帰らない
今のうちに二人で遊ぼう
きっと楽しい時間になるだろう
ぼくはランドセルを投げだす
悦ちゃんは少年少女世 ....
美しい7月

太陽はまた新しく耀いて
波涛を映して瑞々しく
熱した白いアスファルトの上を娘たちは
日一日と灼けて
ときめきに図太くなって行く
楽しい事なら何でも起こる
碧いカレンダーの ....
しらない、でしょう
わたしのことを
ひとは「死」とよぶ
なぜかしら。
あの宇宙の闇をみ上げ
湾曲する砂浜の桜貝の
黙りこくる口から気泡を吐いて
すこしだけ雨にぬれる
夜が手放す風に透け ....
無頼ぶる俺の性根照らしてごらん白熱灯
どんなにまばゆく暴いてもなにひとつしゃべってやらない

何も変わらないはずの俺たちの裸眼が
夜毎違うものを見せるのだからもう視力など信じるに足らない

 ....
お年寄りの話は
へぇーといって聞かなければならない
そんなことないですよ
なんて言ってはいけない
いや 言えない

一度そう言ってしまって
とんでもなく遠回りをして
やっとうちにたどり ....
君の鎖骨の裏側から
湧き出る清らかな水は
僕の思い上がった左手には
少し冷たかった

君の脾臓のほとりで
青白くひらめく魚は
僕の遠視ぎみの右目には
少し痛かった

お願いだか ....
着慣れない浴衣と 履き慣れない下駄

からころ からころ
音をたてて
夜を見据えて歩く
ただ ひとりで

ぼんやり 浮かびあがる
一夜の幻

真っ赤なりんごあめ
甘いかき氷
撃 ....
ぼきっ
骨ばったゆびの折れるおと

まるで、マリオネットのよう
一人では立てない私を君は何故慈しむの?


『早く治るように』


そういって塗ってくれた薬は
今でも確かな熱を保 ....
 
 
いつの頃からか口の中に
ハリセンボンが住み着いている
怒らせると針が口中に刺さって痛い
ちょっとした振動にも反応するし
取り出そうとして手を突っ込んでも
針が引っかかって取り出せ ....
ぐれてイグアナになった友人は
何か
忘れ物でもした顔をして
酒を飲んでいた
たまたま
その夜は
人間に戻っていたらしい
挨拶をすると
眼はイグアナのままで
何を考えているのか
全く ....
スプーンを傾けるその角度さえ愛しいままに百年が過ぎ

カーテンの揺れるはやさに追いつけず取り残されて百年が過ぎ

指さきにのこる温度をたぐり寄せ記憶撫でるだけ百年が過ぎ

晴れわた ....
砂漠には
牡牛や熊や鳩や鷹
大昔
それらすべてはひとつであったと
髭づらの人が
乱れる息を
掌の中
上手にすり合わせ
微笑み
「悪疫は煮沸消毒いたしましょう」
「悪疫を煮沸消毒いた ....
歌は要るけど詩は要るか

ことばは要るけど詩は要るか

イルカはいるけど詩はいるか

詩はどこにいるか此処にもいるか
甘えんぼな あたしは
あったかいひと
やさしいひとに
ふれると

ホワンとしたきぶんに
なってしまう

気を全開にゆるしてしまう

たまに失敗することもあるけど
猫の勘はたいがい ....
このこ、うちのペットのみっちゃんです。
ミシシッピアカミミガメのオスで、10歳。たぶん。

みっちゃんはとても可愛いのです。
毎朝エサをねだって、私の後を水槽の中でうろちょろとついて来ます。
 ....
「線引き」


教科書に、

黄色のマーカーで線引き。

ある瞬間のための、

不幸にならないように、

焦らずにいたいから、

サッと伏線を引く。
本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる



本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない

椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
いつだって
飛ぼうと思えば
飛べるんだ
空を飛ぶことなんて
僕にとって
容易いことさ

僕は周りに
そう言いふらしていた

いつだって
飛べるのだから
あえ ....
もう絵はやめた
そう言っていたあなたが

鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら

これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと

紙を忘れてしまったと
やっぱりち ....
僕は殻を破って
やっと外に出た
そしてまず最初に
やったことは
自分の殻を
作ることだった
今度はもっと頑丈な
簡単に破れないような
そんな殻を
作ることだった
 ....
 のっぴきならないのっぴ―のような
 蛙の声が雨音にまぎれるような
 御飯、パン、御飯、パンのような
 星空がスイッチのない電灯のような
 ゴミの日のカラスの合 ....
立ちションしてたら
虹がでた

手のひらで
掴もうとした
おしっこが終わるまで
何度も何度も

隣の姉さんが
バス停を降りるのが見えた
高校生になっていた
おしっ ....
みえるもの
触れるもの
ゆれるもの




遺された体温が、シーツの
皺にまぎれ
薄くひかっていた
指で掬って、軽く混ぜて
水の匂いのような
ものと遊びながら
何 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6712)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いつでも海のように- 朧月自由詩310-8-2
祖父の死- 寒雪自由詩310-8-2
イカロス- 小川 葉自由詩210-8-2
ほんとうの悲しみ- 吉岡ペペ ...自由詩410-8-1
子殺しのメカニズム- 吉岡ペペ ...自由詩610-8-1
ミツバチ- かんな携帯写真+ ...7*10-8-1
焼かれすぎた胸のフライパン- 殿岡秀秋自由詩410-8-1
7月、八月- salco自由詩10*10-8-1
光合成色素- こしごえ自由詩2*10-8-1
無頼ぶる光- 自由詩5*10-8-1
さきゆくひと- 朧月自由詩410-7-31
君の水_君の魚- nonya自由詩6*10-7-31
金魚姫- 愛心携帯写真+ ...9*10-7-31
眠れる森- 三奈自由詩810-7-31
伝言- たもつ自由詩710-7-29
ぐれてイグアナになった友人は- 曲がり屋 ...自由詩810-7-29
千年- はるな短歌310-7-29
鬼子- 高梁サト ...自由詩10*10-7-28
パウル・クレーの絵をください- 小池房枝自由詩4*10-7-28
あったかいひと- 森の猫自由詩13+*10-7-28
懺悔- くろきた自由詩310-7-26
線引き- 山岸美香自由詩410-7-26
本当のかなしみを知るひと- 恋月 ぴ ...自由詩42+*10-7-26
猿ぐつわの男- 豊島ケイ ...自由詩15+*10-7-25
空を飛べる- くなきみ自由詩2*10-7-24
にがお絵- まひ自由詩9*10-7-23
脱出- くなきみ自由詩1*10-7-23
あれ、つまり、その- ヨルノテ ...自由詩410-7-23
よこしまなにじ- 小川 葉自由詩8*10-7-23
スライドアウト- ねことら自由詩510-7-22

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