断捨離は「いつか」を嫌う
読めなかった本を処分した
私が摂取できたであろう言葉とは
出会わないまま
その分無知を増やした
人間関係までも切ってしまった
その中に将来助けてくれる
人脈があ ....
今私の中で
何物かが急激に育っている
それはー
誓い。
人生の春を迎えて見せるとの
決意だ
光源はかがやき
私の中の闇は消え去った
いつかこの瞬間が
決定的なターニングポイントだった ....
かつてお酒の好きな詩人が
青い背広を着て旅に出ようと言った
夏の来るのを待つ短い ひと時
休日の真昼間
私の心はスーツケース持たず旅に出る
海もあった
太平洋の波の音に吹 ....
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も ....
ひろがりゆく
いようにいだい
いだかれて
いようにいだい
いしにだきしめ
ひろがりゆく
ただそれだけ
だきしめる いし
いだかれながら
いし に より
艶やかに
傾げるバラの
かぐわしく
雲の切れ間に
鳴く揚雲雀
青錆色のものが 慢性疲労 三年前から 慢性寂寥 僕の{ルビ鳩尾=みぞおち}に巣食っている
この世のすべての生き物は
みな いずれ食べられる
食べられることなく死んだとしても
屍体は大地に食べられ
また なにかの食べ物へと姿をかえる
もし 食べることをこばんでも
おのれがおのれを ....
風を感じていると、生きていることも、同時に感じる。しかし今は無風だった。椅子に腰を下ろしても、遠くに海は見えない。車もなく、そこに行く足もなくしていた。金も、底をつきかけている。昔、家賃が払えなくなり ....
手のひらに載せたガラス瓶の中は不可思議な水で満たされていて
米粒ほどの数匹のさかなが泳ぐ
ここで生まれてここで死んでいく
生殖も食事も排泄も
すべてのことがその水を介して完璧にめぐっていくのだ ....
ももを食べました
塩で食べました
レバーを食べました
タレで食べました
叔父が余命を宣告されました
ねぎまを食べました
塩で食べました
十人いた父の兄弟姉妹の
最後 ....
青い空
白い雲
わたしは野を走る
一両の列車になって
心のすべてを
空っぽにして
健康生活は
早起きから始まる
早起きすれば
早く寝る
しかもぐっすり寝る
朝五時に起きて十時に寝るパターンであったが
この頃はだらけていた
また元のように早起きして
健康生活取り戻そう ....
物心ついた頃にはTVがウチに居座っていた。
自分の運命よりも他人の運命を察しては笑い、憂う…
そんな日々を疑うことなくたぶん、続けているのだと思う。
こんな環境を半世紀以上続けられていること ....
ばくてりやがズルズルしてゐる
海はつめたい
人魚も星のやうに震へる
そして都会には温度がない
人々はコゴエもしない
あいかはらず海はつめたい
先カンブリア紀の地層もつめたい
....
春の水蒸気は何処に行つたのか
この空は{ルビ禊=みそ}ぎするものの色
永訣の色
地上は百色さんざめき
めざましくもゆたかである
いちめんの輝かしき生存
疾風は田園の暮色をよ ....
精神の国をぶんどった
瞳に映るのは町並み
一生で作り上げたはずの美しき景色
分け合うことができるだろうか
私の国と同じになってよ
あなたと歩きたい道
純白に覆われた道
時には草陰に花も咲 ....
植物の中で夜が育つ
水の名前を呼べば
脈打つ石造りの平原
素の風が間もなく
インク瓶の縁に沿って
眠りにつく
木造の旧家屋その皮膚に
愛していた人
鉢植えだけが増えて
遺伝だ ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている
ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する
夏は終わろうとしていた
....
生きているからこそ喉が渇く
生きているからこそ腹が減る
生きているからこそ寂しい
生きているからこそ腹が立つ
すべては生きているからこそ
死ねば
火葬場のけむりとな ....
髪の後れ毛が
もやしのひげのように
蒸れた風とけっ託して
汗と貼りつく
ぽにーているならぬ
わたしのひとつ結びは
ねこのしっぽでありたい
脊髄のさきにあるまでの、感情
あな ....
仕事だから しんどい事もたくさんあったけど
仕事だから やらなければならない
その思いが 私の心と体の健康を 守ってくれた
空想的な理想主義者だった自分を
現場の人間へと 鍛え上げ ....
半月、宙空に白々ぽつんと輝いている
この宵の空 窓から顔突き出し眺め
現の不思議な関係、ふと想い至る
月も太陽も この地球に世界に私に関わり
何か発し命の力動与えている と、
向かい ....
遠イ遠イ雪ノ山
降リル事ナゾ思ハズニ
タッタひとりデ ノボルノデス ト
誰モ ダーレモ
女ガひとりノボッテイルコトナゾ
知ラナイノデス ト
止ンデイタ雪ガマタ
サ ....
剥がれた分度器を
落ちている人のように
並べていくみたいに
拙い息継ぎが
街の柔らかいところに
終わっていくみたいに
コンビ、ニエン、スストアで
スストアで
淡い方の手を近づけ ....
この夜陰、
向かいの家
ガラス越し、
灯る明かり
忙しく動く人影
ふと吹きつける暖風に包まれ
やわらか わたしは私を感じ
只 静かさ奥に横たわる
だんとんだん だんとんだん
恐い夢を見た朝は
丘にマンサクの花を訪ねてみてください
澄んだ黄色のクニャクニャした花弁
メドウサの髪 縺れる糸手毬
すこし浮き浮きし ....
歯磨きをするように
詩を書くといい
日に三度
多い人なら五度か六度
前歯や奥歯を
乳歯や親知らずを
そして栄えある
永久歯を
いつくしむように
いましめるように
お花があって
それから
けむり?
雨ふりの森の中みたいな
ちがうよ
びゃくだん!
くすくす
しっ!
こえだしちゃ だめ
おそーしき?
そう
おそーしき
ぼわぼわって空気が
静 ....
仮寓の蝸牛には
やり残したことがいっぱいあるのだが
奇遇という気球に乗って
無音の空の旅をしてみたかった
修羅場という修羅場がなくて
絵になる風景も知らずに
雑踏に紛れて遺伝子 ....
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