あやうげな尖塔

さびしさの鼓舞

きらびやかなのは、包囲の目

負よ、閉じなさい

無が緩やかに解かれてゆくまで
 .
嘯嘯と渡る風 牡蠣殻の谷間
置き忘れられた巻き貝
さんざめく天空の波濤
人には気づかれない 水底{ルビ=みなそこ}の弾き手
 .
冷たい秋の雨の夜はあなたのいる
彼方から かすかな ....
「私が死んだらヴァルキナファソに埋めて」とあの人は言った

「カラスはきれい」とあの人は言った

「曇り空が好きだ」とあの人は言った

「アイラーとシェーンベルグは楽しい」とあの人は ....
出鱈目で意味も不明でハイファイさ
夢でキスして蹴飛ばすラジオ

意地悪な従姉がくるよ日曜日
すぐに逃げたい宇宙旅行へ

淋しげなコラージュセンス武器にして
カウボーイたち家を出るのさ
 ....
さば味噌ホケキョ
のれんをくぐれば香りが唄うよ

さば味噌ホケキョ
わたしはとろけた脳髄ごはんに浸して

さば味噌ホケキョ
時間は蜜にとろけて流れる

さば味噌ホケキョ
かつおが踊 ....
1年前の夏

オモチャ箱を
抱えながら嬉しそうに
ピョンピョン跳ねる
チビッコ達をみて

【これだ!】と思った

将来の自分を
イメージして
やりたい事を上に
私なりにどんどん ....
          111010




花電車がやってくる日に
チョー簡潔な祝いのお品
チョコレートのパイを焼く
暖かいうちに運ぶんだ
横断歩道の先にある
プラットフォームには人 ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさ ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう


あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
来ない

夢の中のお話


*

大工の父親と過保護な母親のもとで
昭和のもやしっことして育ち
筋骨隆々な親父とくらべ
まるでビッケのような様子で
いや ビッケから勇気と ....
コスモス、小さく咲いた
香る花、美しい白
そっとつまんで顔を寄せた
あなたのような秋が来た今年
穂も色づいている
素敵な時間
わたしのそばに
花がある幸せ
二人占め
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ

つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ

のどぼとけがなって和尚さん ....
{画像=111010205059.jpg}

 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
みんな死んでしまった

スタートしたのはぼくだけ
急にグラウンドが広くなったみたい
走っても走っても
ゴールのテープが見えない
しかたがないので
 ....
わたしにたりないもの
てぶらでふろしきをたたむずぶといちえ

わたしにたりないもの
むさくいにほほえまないふせられたかるた

わたしにたりないもの
はきすてたことばを いつ ....
子供が鈴なら 親の愛は それを揺らす風

世界が鈴の音で いっぱいになれば いいのに
信じられるかい?
人間が月に行った事を

信じられるかい?
君と月を眺めてビールを飲んだ
あのビルの屋上は閉鎖されたよ

信じられるかい?
夜中に忍び込んで水面に映った月に
誰もが息 ....
ネットオークションで
小さな駅を買った
小さな駅には
小さな電車しか停まらなかった

小さな電車には
家族がいっしょに乗ることができない
いつのまにか一人ずつ
だまって家を出ていった
 ....
光り箱よ
お前はどこまで明るく壁を照らし出していくのか
ブンブンとうなる様はさながら巨大なアシナガバチの腹だ
光って、うなって
愛しいお前
 「上を向いて歩く−はてどこかで聴いたような」

風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
 ....
その時の川に
入れなくなってしまうのは
水が絶えず
流れてしまうから
川は変わらないじぶんを保てず
姿を変えては
石を洗っている
けれど
小便がついた手を
洗うために
ただの水 ....
 夜の図書館

しじまに俯く図書館の内省では
神田川の源流もナイルであります
不心得者の高校生が夕方
不品行に忍び笑いを殺していた
地下の障害者用トイレも森閑と
そばかすだらけの司書の死 ....
春になるとお母さんは
いっぱいえんどう豆を買ってくる
それを いつもふたりで
キッチンのテーブルで殻をむいた
学校のは話をしながら
近所の噂話を聴きながら
零れ落ちた えんどう豆を拾っては ....
  けさ、風は
  すこしだけ冷たい
  すこしだけ
  生きているのが痛い



  けさ、僕は
  すこしだけ嬉しい
  すこしだけ
  きみのことを思い出せたから
 ....
 
 
空の化石を
定規で測る
本棚に
古い指紋
人がいた
人はいた
肩幅の広さに
干されたままの
下着類
飲み物のない
簡単な食事を
フォークで
唇に運ぶ
言葉への失 ....
いろいろな
乳房を
見てきました

電車の轟きと、乳房
陽炎の記憶と、乳房
世界の呻きと、乳房

愛は乳房に、向けられます
それは、愛が、温もりだからです
乳房、泣きついても善いで ....
線が
思惑に触れて角度を変える
その鮮やかな反応
点々と落ちる
幾つかの俗情を振り払い
歩き出す私たち

今日もまた
背の後ろで翻った背に
声を掛けることさえできず
握り締めた ....
あきらめてみる

たとえばわたしでいることをあきらめてみる

すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか

なんだかふぅっと身軽になれて

お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
ありふれた言葉が好きだ
使い慣れた工具のように
なんだって 作れるから

人を切り裂くような刃も、包み込むような温もりも、
言葉の鉱石を鍛え 糸を縫い合わせて
この手に 携えることが出来る ....
きょうは
新しい空に着がえた
とてもいい日になるだろう

金木犀の風が
雲の影を明るくしている
西も東も
行っても帰っても
道の向こうの山の空の
うすい記憶が
めくれている

 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6712)
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