夕凪の前に漂う溶けた粘土の身体
ただいま、という言葉を言わなくてよい
そんな自由に
かりん島のここここ鳥という物語を思い出す
殻を破り、あと少しで孵ることができる、というタイミングで
托卵性 ....
{画像=140622083456.jpg}


*


言葉が漲っていますか
心が漲っていますか


前を見ていますか
手を握っていますか


感じていますか
感動してい ....
読み人知らずの
ささやかな空気の振動を
耳たぶでそっと掬って
外耳道へ流し込む

外耳道の突きあたりの
気弱すぎる鼓膜のときめきを
耳小骨は丁寧に拾い集め
蝸牛の殻に押し込める
 ....
星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
 ....
   怒鳴りだしたい
   衝動を
   奥歯で噛みつぶす

   瞼の裏に溜まった
   悔しさを
   ギリギリの精神力で
   持ち堪えている

   溢れそうな感情を
   ....
汗をかいた

汗で目がしみる

生物として
人として
うれしい

曇っていても
太陽を感じる

風が吹かなくても
体温を感じる

くよくよするな
汗をかけ

ひか ....
ただしい孤独は
凛として涼やかな音色であった

愛しい憂鬱は
窓辺に花をさして髪を梳かす

美しい季節は
褒めそやされて散る花びら達で
そこそこ保たれるものだ

どうしようもない時 ....
かららん
ころろん

約束してた夏祭り
浴衣の帯は苦しいけど
少し急ぐ下駄の音が好き

髪をあげた少女の瞳に映る
裸電球のあこがれ
くっきりと 影法師が揺れる

うす暗闇で手 ....
パソコンとかスマホの
画面に表示される
あの子の空とその子の空がくっついていくのを見てる
わたしの夕焼け
あちこちで
同じそれが
ひろがりつづけてひとつになるまで見ている
ここにも太陽が ....
ホモスイッチは、
すべての男の人の
おしりの穴の中にあって
それを押すと
ちゃんとホモになれる
というか、
これを読んで
試してみようかって
考えただけでも
それを押さなくても
き ....
花のように違う価値観

些細なことに
うちひしがれて
長い帰りの電車の中でも
回復はしないまま

封をされた新しい紙袋が誇らしい
アクセサリーや化粧を落として眠ればまた新しい気持ち ....
おしるしが来てから二日後
夜、下っ腹に引きつる痛みがあった

陣痛 前駆陣痛か はたまた胎盤が剥がれてしまったのか
ネットで調べる仰向けの オロオロ妊婦

これは我慢できる痛みだから 陣痛 ....
{画像=140615125414.jpg}
(ジョウビタキの♀)



これまでは耳を開ける事はなく
いつも音楽を流し込んでいた
今はイヤホンを外して
外界の音を追っている
鳥の鳴き ....
>吹いて
<吸って
<吸って
>吹いて

あたたかい息が
リードをふるわせると
やわらかい音符があらわれる

>吹いて
>吹いて
<吸って
>吹いて

さみしい唇を
 ....
火が燃えている、火はささやかに舞い、わずかな黒煙を伴い燃えている。
すでに燃え尽きようとしているその男は、小さなともしびに油を注ぐ。
日が燦々と差す部屋の片隅の小さな戸棚を開けると、油の瓶が並んで ....
足跡を捨てながら
帰り途を急ぐ
 その歩数と
  掛け算するように
夜の密度が
 濃くなっていく

粘度を増して
重く絡みつきはじめた
暗闇の
後ろ姿しか
見えない

姿の無 ....
喜びは誰に捧げるのだろう、肉付きのいい母親の頬は弾けていた。携帯の写真を覗いては閉じる。チョコレート色に焼けた力強い腕。ながれる汗は距離を忘れ、遥か故郷の土を抱きしめていた 。

できるだけ ....
片方の指の半分が
いつまでもいつまでも濡れている
むらさきの
二重の光

そっと頁の上をおさえる
小さなけものの前足が
沼のような暗さを湛え
土を少しだけ歪めている

 ....
この世の(ふしぎ)を探すのに
遠くを指さしては、いけない。

たとえば風に踊る蝋燭の火が
あなたの横顔を照らす、夜

胸に手をあてるだけで
あなたの(ふしぎ)は湧き出ずる  


 ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ

わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
 ....
オオヨシキリは
カッコウに托卵され
自分たちの子供を殺されて
なぜ自分より体の大きいカッコウの雛を
疑わないのか

実は
オオヨシキリは
途中で気が付いているのではないかと思う
 ....
マリッジブルーと
マリンブルーは
よく似ている

透きとおる
深い青と
私のゆううつが
たぶん同じで

だいたい
結婚は束縛である
水圧で
胸を押されて
呼吸できないその様子 ....
  外に出ると
  風が
  大いなる質問を運んできた


信じることと疑うことはどちらが大切なの


なぜ人は鳥を信じるの

  

  なぜ人は人を信じていたいの
 ....
突然窓から入って来たかと思うと
開きっぱなしの聖書を勝手にパラパラめくり
挨拶もなしに出て行った
――相変わらずだな
きっと満開のニセアカシアの間を抜けて来たのだろう
すると今頃は下の公園辺 ....
「タンザスト ナイト」




ひかりふる、


せかいをつつみこむほどの、
くうはくを、
うちにひめた、
わたげを、
うみへかえしてやります、

ぼくのうちがわから、
 ....
きのうまであった
いのちです
傘が行く
三叉路の紫陽花を横目に

靴がついてくる
水溜りをかろうじて避けて

身体は押し黙る
雨音の朗読を聴くともなしに

思考は潜り続ける
内側の後方の下部の
定位置に落 ....
くるかしら くるかしら
あなたは わらって くるかしら

そんなことだけ考えて 

心の中は大きな大きな嵐だけれど
それを悟られないように涼しい顔で

ずっと

まつのよ

そ ....
醗酵することは発行されたものをもたないこと
あるいは発光する冷たい微熱をかかえた昆虫の夜を生きること
あるいは薄幸な女の身の上話にあいづちをうつ場末の安酒場の空気

欲望は醗酵し発熱し自分の足 ....
このまま永久に眠り続けたいと願う朝

喉元は炭水化物がすり抜けるほど空気がうまい

そんなときに限って、向かいの庭先には腹立たしさが待ち構えているんだよね 。

( あれ  ....
るるりらさんのおすすめリスト(6711)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かりん島のここここ鳥- クローバ ...自由詩2*14-6-23
自分に問いただす言葉_/_信じています- beebee自由詩24*14-6-22
聞こえた- nonya自由詩19*14-6-21
星を食べた少女- 小原あき自由詩13*14-6-20
【_表面張力_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-6-20
もうしばらく汗で目がしみていたい- ichirou自由詩10*14-6-20
ただしい孤独について- 梅昆布茶自由詩2014-6-19
夏祭り- 藤原絵理 ...自由詩9*14-6-18
ぼろぼろの木陰を歩いている- モリマサ ...自由詩5*14-6-18
ホモスイッチ- atsuchan69自由詩3*14-6-17
少し劣っていると感じた時- うさぎの ...自由詩514-6-16
痛みに強い女がうつ伏せで眠るまでの記録- 朝焼彩茜 ...自由詩24*14-6-15
静かに耳を澄ませて_/_私は緑の目を開く- beebee自由詩22*14-6-15
ハーモニカ- nonya自由詩22*14-6-14
火と水- 山人自由詩8*14-6-12
樹晶夜_【横書Ver.】*改訂版- ハァモニ ...自由詩2*14-6-12
サウダージ_No.- アラガイ ...自由詩8*14-6-11
ひとつ_ひもとく- 木立 悟自由詩514-6-11
瞑想録- 服部 剛自由詩414-6-9
はるかな個人- 乾 加津 ...自由詩23*14-6-9
オオヨシキリ- ichirou自由詩6*14-6-9
マリッジブルーとマリンブルー- umineko自由詩19*14-6-9
大いなる質問- ichirou自由詩7*14-6-8
旧友- ただのみ ...自由詩30*14-6-8
タンザスト_ナイト- 赤青黄自由詩1*14-6-8
これは- フユナ携帯写真+ ...4*14-6-7
傘が行く- nonya自由詩22*14-6-6
豚の生姜焼き- ウデラコ ...自由詩114-6-6
ただしい醗酵のてびき- 梅昆布茶自由詩1914-6-6
_、ネバネバ- アラガイ ...自由詩3*14-6-5

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