121120
動機とは
発動機に頭が付いていないものだと思った
頭が付いて始めて動くと思った
頭がないと動かない 回らない
音がしないし役にも ....
秋深しとっとと黒猫歩きけり
紅葉舞う掌の中のぞくはてな猫
落ち葉踏み尻尾を立てて猫二匹
蛙
自分の子孫を残したかったから
好きな人の子供を産みたかったから
本能?
老後をさみしく過ごしたくなかったから
家の存続の為
母親になりたかったから…
色々並べ立ててみましたが
どれも ....
芋堀や数年ぶりに触れる土
きまぐれに寄り道しても彼岸花
行く秋や蕾が孕む闇光
接近す蜻蛉の羽根の中の空
夕暮れの夢の間に間にユビキタス
月光や ....
空気のにおいが変わり
熱と衣は円に舞う
夢を盗む夢を見たあと
共犯者を思い出せない
葉と花の足跡
街を分け つづく
はじまりを知らず ただ
はじまりから来たことだけを ....
この頸動脈の奥にある植込み
スカートをまくしあげしゃがむ
、というタイミングを待っている
ズキズキとする森へ
咽の先へ行きたがってるのに
すこやかとすごせますように 4車線に祈る ....
人間の心は母の腹に置いてきました
121116
出生率が下がってるから、若者の人手不足といわれていても
若者にも厳しい職場しかないのです とため息をつかれた
わりかし給与が好くて働きがい ....
脳に転移していますね
ある日
余韻の残らない口調で担当医は言った
丁寧に覚悟を積み上げてきたはずなのに
質問をする私の声は上ずっていた
ひとつひとつ言葉を置くように説明する
....
いつもの帰り道。
電車に揺られながらうとうと...
夢現の中、あんたの声が聴こえ ....
冬の夜
わたしのうでは母に貸すものと決まっていた
ほどかれたセーターの毛糸の輪を
うでに通してかかげていると
母はそのはしをくるくると巻き取って
毛糸玉を作る
単純な作業は退屈で よく居眠 ....
自らの動きで決まる人生は宇宙や地球にハグされている
秋桜は陽射しに感謝して笑う一塊になって合唱
冬だから南国の陽射し憧れるホットコーヒーの湯気は旅する
君がいる世界に僕は惚れて ....
桃色のトレイン
今日も誰かが
パパやママになる
わたしは
煩雑で薄汚れた
しかし時折美しく
光ものが転がる
待合室で
....
近所の子らが小銭を握って
フルタのチョコやオレンジガムを買う
細野商店はおばさんがやっていて
娘と息子がひとりずつ
近所の子らが大人になって
いつやらクリーニング代理店になり
細野商店 ....
流れゆく川のように
ゆっくりとした足取りの妖精達
昨日までの汲々とした世界から区別された聖性を掲げ
大地は誇り高く実りを告げる
冬の星座も宙高く
また来る聖夜には全てが始まる
すべての予感 ....
買い物袋を持つ
袖口から覗く彼女の腕には
野犬に噛まれたような夥しい赤い痕がある
ぼくの腕にも、
同じような痕が犇めいている ....
{引用=
長らくご無沙汰しております
要に結ばれた 松の葉が
はらはらと舞っていたりするものですから
この世で添い遂げられなかった二人の 死骸の群れのように思え
いたたまれず ....
雨上がりの朝 音楽会は終わり あたりは拍手のように光っていた
──終演
濡れた落ち葉は閉じられた楽譜 土に還る日を待つのだろう
──静謐
鳥は何の疑問もなく冬へと向かう ....
ウツウツしつつ
鬱憤はらし
クヨクヨしながら
苦を昇華する
ビクビクしては
吃驚ぎょうてん
クルクルまわる
狂った脳天
タンタンとして
耽溺する水
モヤモヤして ....
お日様は
例えばカモを乾かすし
植物の栄養になる
人にとって日当たりとは
幸福であり温かい気持ちである
この絶妙な心配りの太陽は
昼の活動には欠かせないし
雨雲に隠されては悲しく思う
....
虹の始まりが
何処なのか分からない
虹の終わりが
何処なのか分からない
出所もなく 湧きあがる
雨上がりのイリュージョン
七色の光のスペクトルを
キラキラと反射させて
....
広葉樹の多い樹林の中央に
高さ二〇メートルほどの榛の木が一本
屹立するその根元はジメジメとした地面が広がり
いち早く裸木となった榛の木は
次の春に暗褐色の花を付けるため逼塞する
あたり一面紅 ....
両親を持たない
孤児はさ迷って
乳が欲しいと雌の裾を掴む
だのに女は乳房を持たない
大聖堂の聖母も大通りの花売りも路地裏の娼婦も
まるで育むことを拒むように
首元までボタンを閉めて
....
{画像=121112003029.jpg}
人はみな心の中に
自分の花園を持っていて
色々な花を育てている
私は一つの花壇に飽き足らず
ネットを彷徨い
この花園を見つけた
私 ....
僕が降ってきたよ
無数の
堪え切れずに
僕が
地面に突き刺さろうとして
ザザズ
濁った悲鳴をあげているよ
無数の
僕が降ってきたよ
止めどなく
所嫌わずに
....
押入れの毛布にくるまり
ロールケーキのようだなと
とろけるように目を閉じ
甘い夢を見る
お菓子の家は飽きたから
寿司ネタにしてくれと叫んでいる
小学生の私
そ ....
試験管を試験官の尻に差し込みフラスコをステテコに押し込んで足のところを縛ります
塩酸を凄惨に撒き散らし人体模型を靭帯がもげるまで捻じ伏せます
BTB溶液をBLTバーガに流し込み胃液で溶かします
....
コントラバスを弾いている人たち、
うわごとのようにつぶやいていた
「おやすみなさい、おやすみなさい」
「しあわせは耳をぼんやりさせるのですね」
....
車で信号を待つひと時は
役者が舞台にあがる前の
あの瞬間、に似ている
交差点を
右から左へ、左から右へ
車はゆき交い
のたり、杖をつくお爺さんと
たたた・・・と駆け ....
在りし日の祖母の部屋にて
スタンドの灯をぽつんと点けて
幼い頃に玩具で遊んだ
炬燵の机の細かい傷を
じぃ・・・っとみつめた
向かいの座布団の上から
からだの無い
祖母のに ....
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