さて、私の航海はこれで何度目だろう。
 未だ明けきらない朝に、港の喧騒は透明だ。
 果物かごを抱えた婦人が通り過ぎ、
 口髭をたくわえた紳士に足音はない。

 静寂なのだ。
 この神 ....
「 もう、5年 」
「 まだ、5年 」



それぞれが描いた復興
それぞれが歩んだ復興


少しずつ分かれていく その理想
少しずつ分かれていく その現実


残す
 ....
おまえが生まれた年に
菜の花が庭にはびこって
それはそれはたいへんだったよ

おまえはまだ二ヶ月だか三ヶ月だかで
はじめてみる菜の花に
はじめて嗅ぐ菜の花に
目をまるくしたり ....
桃始笑
ももはじめてさく


コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める

ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している

音符を思い出した
爪先 ....
きらきらと
ひかるピンクのすみれの
しあわせを願うきみのまなざし
誰にでもあって誰にでもないもの
さがしてさがして
たどり着く束になったひかり
すべてから
とき放たれたような ....
青のしたの鉄のむきだしすべりだい ななめにういた赤錆の音

(なるほど)と(それもそうだね)と(なるほど)
(出していいよ)と(でもまだ待って)

いつまでも凍えてるわけにはいかないでし ....
ささやきかけるかさのかげ
母音の樹が揺れる

ふたりで歩いていく
丘の上へ 遠くまで

のびていく記憶

いそがなきゃ
走りはじめる
わたしたちを

月が見ている

それを ....
君よ、童心のまま
舞踏せよ
日々の動作の只中に
あの炎を垣間見るまで  
おなかの小魚はときどき小ちゃな声で鳴くたいせつな奴だ

電子ジャーの独り言を翻訳しながら夜が明ける

痛みっていつも友達だったなこれからもよろしくな

僕の休日は病院に奪われてディスカウン ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
宇宙は無という空虚な大地を開拓している

有を生み出しながら

自由と孤独が漂う中を

淡々と



人間は人生という草原を旅している

他人から自分というものを認識しながら
 ....
職場へと続く、朝の道。
近所の小学校のグラウンドから
空の青さへ響く、野球少年等の号令。

ひとりが「いーちにーさーんし」と、屈伸し
みんなも「ごーろーくひーちはーち」と、屈伸し

お経 ....
数えきれないだろう
あなたを探した朝の数など
数えきれないだろう
あなたと笑った昼の数など
数えきれないだろう
あなたを憂えた夜の数など
数えきれないだろう
あなたと歩いた道の数など
 ....
 自分に負けそうな夜。
 一人で泣くことも出来ない。
 頭の中は真っ白け。
 逃げ道ばかり探してる。

 こんなにつらい夜はない。
 体の力が抜けてゆく。
 なにか大きな怪物に
  ....
蛇口が
みずうみにつながっているように
蜜柑は
五月の空へつながっている
かぐわしい白い花
まぶしい光に
雨だれに
ゆっくりと過ぎてゆく雲に

蜜柑をむくと
その皮は
しっとりと ....
  

      不意に、居場所が消えて


          通り過ぎた記憶が深まる


       燿りなく途絶えた門を


     独りくぐり抜けようとする度

 ....
{取消= 果てしない旅路(みち)を選んだ気もする
 終わらない悲しみを負った気もする

夢はいつもどこか遠くにあるような気がして
 時には辟易することもある

路はいくつにも別れている気が ....
梅の香りちらほら匂う春先の

あの寒風はいずこへ消えゆく

薄青い空の片隅でいずこから

はぐれ飛びゆく子らのカイト

糸は千切れてフラフラ彷徨い

風に流され永遠に漂い浮かぶ ....
道路はよこたわっているのではない
限りなく渦を巻いては
自動車たちを加速させている
建築は直立しているのではない
限りなく燃え上がっては
過ぎる風を減速させている
世界の心臓は血液 ....
誰も知らない山路で
酸っぱく甘い梅の香り
ふわりふわりと匂っている

静まり返った藪の中
にわかに騒ぐ猿一匹
がさがさがさと音を立てる

山間に炊飯の煙を眺め
雲雀の声を耳にして
 ....
ホッキョクグマの巣穴
数多のクマが使ってきた巣穴

彼女たちはこんな穴ぼこの中
助産師無しで出産するなんて。

数えきれない母熊が
この巣穴で子どもを産んだ

元気な子、病弱な子 ....
ぼくはどのくらい生きてきたのだろうか
脈打つ血潮物足りない映画
歩いていると生きているんだと噛みしめる
ふみしめるのではなく
生きている実感が強いのだろうな

音楽の断片から香りを聴きとる ....
   あれは空だろうか
   それとも海だろうか
   わたしが欲しかったのは
   あの青だったのだ
   体中の骨を関節を筋肉を
   すべてを伸ばし
   掴もうとす ....
だまっててねこのひだまりにコネコたまる
ことにこにことわらうのにうんといわない
きみはすこしうそつきでオオカミなボーイ

てのひらにひらとのっかるほどのしあわせ
あたしにちょうどいいきみにち ....
まっ白い
豆腐を
そっと
水底から
すくいあげるように

たいせつにしてきただろうか


リリースした
魚を
ゆっくりとした眼差しで
見送るように

やさしくしてきただろう ....
      160223

自衛隊は何をしている
国土を侵略されたのだから
すぐに取り戻すのが筋だろう
二国間の争いだから
憲法違反にもならないはずだ
すぐに、ジェット戦闘機で
攻撃し ....
     木々は裸に剥かれ冷たい風に
     枝先を震わせている
     白いベンチは錆ついて
     今はだれも座るものもない
     緑の葉が深呼吸を繰り返す
      ....
吸着力が激しい磯巾着
口にチャックが常套句

夜になれば
群れるモスキート達と お友達

性質が悪いと 
ブルーライトを キラキラさせて
闇の向こうに去っていきますが

青信号 ....
生きることの最果てには
哀しいことだけれど
とても深い孤独さえあって
少しでも幸せに
生きることが
生きた証として
残れば嬉しいのだろう
それが人間の運命と云うもの

そう誰かに愛さ ....
手を貸そうか、なんて
わたしが必要としていないのを知っていて言うんだ
1530円をレジで払おうとして
財布にない10円玉を探すふりをして
冷凍庫で乾いてしまったような伝言を
今更思い出した風 ....
るるりらさんのおすすめリスト(6713)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
航海- ヒヤシン ...自由詩10*16-3-12
もう、まだ、5年_~_元通りの最定解と0起点の最適解_~_- komasen333自由詩2+*16-3-11
おまえが生まれた年に- 佐々宝砂自由詩2*16-3-11
桃始笑- nonya自由詩17*16-3-10
ピンク色の菫の花束- かんな自由詩4*16-3-9
むきだし- はるな短歌416-3-8
樹と記憶- 渡邉建志自由詩416-3-8
- 服部 剛自由詩416-3-8
とっても素敵な世界へ- 梅昆布茶短歌15*16-3-7
ティータイム- Lucy自由詩14*16-3-7
- hiro自由詩216-3-7
朝の号令___- 服部 剛自由詩216-3-6
星の数- やまうち ...自由詩3*16-3-5
大失態- ヒヤシン ...自由詩5*16-3-5
蜜柑をむく女- そらの珊 ...自由詩21*16-3-2
フロネシス_Phronesis- ハァモニ ...自由詩4*16-3-2
僕は- 翼がはえ ...自由詩316-3-2
早春の_晴れゆく空に_凧は飛び- 翼がはえ ...散文(批評 ...1*16-3-1
過程- 葉leaf自由詩516-3-1
梅と猿- 藤山 誠自由詩5*16-3-1
ホッキョクグマの巣穴- 自由詩3*16-2-25
生きる存在と時間のながれのなかで- fujisawanori ...自由詩216-2-25
青になる- 石田とわ自由詩16*16-2-24
ひだまりだまりねこねころがり/即興ゴルコンダ(仮)投票対象外- こうだた ...自由詩3*16-2-23
寝顔に- ryou自由詩516-2-23
ひだまりだまりねこねころがり- あおば自由詩4*16-2-23
錆びたベンチ- 石田とわ自由詩13*16-2-22
ちりめんのこい- 藤鈴呼自由詩3*16-2-22
花束の季節- りゅうの ...自由詩11*16-2-22
春が立ちあがる音(ゴル投稿長考版)- 高橋良幸自由詩7*16-2-22

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