そらにはりつく ひしゃく星
すくっておくれよ
ちっちゃな、ちっちゃな、うちの祈り
ないしょのことは
ないしょにするから
それまではあそぼうね
夢でも会えるし
いますぐにあいに行くこともできるよ
のぞめば
のぞめば
いつでも
現実は直角に交わるし ....
{引用=祝婚歌2}
ラブを書く
2文字か4文字
ラブを飲む
ただの森永ラブ
ラブを食べる
痩せて肥える
ラブを着用に及ぶ
ブラの逆さま
ラブを歌う
他人が作った ....
遊園地に「回転しない木馬」があった
妻と娘が乗り
僕が写真を撮ることになった
バーにおつかまりください
というアナウンスの後にブザーが鳴り
回転しない木馬が
回転し始めなかっ ....
ゆうちゃんは無口な転校生だった
四年生の春に
ぼくのクラスにやってきた
ゆうちゃんと、ぼくは
なぜか気があって放課後はいつも一緒にあそんだ
がっこうは友だちできへんからきらいや。
....
やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと ....
空
抜けるような
青いうしろめたさを
雲
ぽっかり浮かんだ
白い嘘でなぞって
花
可憐な
ピンクのあてどなさを
葉
みずみずしい
緑のお節介が抱き ....
詩をよむ
襟をただして 向かい合い
掬いとられた言葉に耳を傾ける
駆けても丁寧にしても捕まえられない
のろまな自分をちょっとま棚に上げて
他人の世界に没頭すると
動き出すはずだ
....
育てる
花を育てる
愛しい我が子を抱くように
育てる
花を育てる
我が子の明日を夢見るように
※
よく見かけるひと
花電車の通う線路脇で季節の花を育てるひと ....
奥琵琶湖周遊ドライブ
若き日々たちまちに過ぎ妻ととも湖畔を走る老年の日々
薄き陽の雲広ごりて平年の23℃の秋のドライブ
稲はみな刈入れは済み黄葉となり一年過ぎてまた歌を詠みいる
....
{画像=111016151903.jpg}
迷ってばかりではないんだよ
ゆっくり歩いて来たんだ
途中に声を掛けてくる者もいたけど
脇目も振らず歩いて来たよ
....
1
静かな糸で縛られたふたつの命。命が影のように伸びていくといつか人間にぶつかる。初めまして、僕らこんなに遠かったんだね。お互い嫌いなほうの手で握手しよう。服さえあれば知らない街でもさかのぼって ....
あやうげな尖塔
さびしさの鼓舞
きらびやかなのは、包囲の目
負よ、閉じなさい
無が緩やかに解かれてゆくまで
.
嘯嘯と渡る風 牡蠣殻の谷間
置き忘れられた巻き貝
さんざめく天空の波濤
人には気づかれない 水底{ルビ=みなそこ}の弾き手
.
冷たい秋の雨の夜はあなたのいる
彼方から かすかな ....
「私が死んだらヴァルキナファソに埋めて」とあの人は言った
「カラスはきれい」とあの人は言った
「曇り空が好きだ」とあの人は言った
「アイラーとシェーンベルグは楽しい」とあの人は ....
出鱈目で意味も不明でハイファイさ
夢でキスして蹴飛ばすラジオ
意地悪な従姉がくるよ日曜日
すぐに逃げたい宇宙旅行へ
淋しげなコラージュセンス武器にして
カウボーイたち家を出るのさ
....
さば味噌ホケキョ
のれんをくぐれば香りが唄うよ
さば味噌ホケキョ
わたしはとろけた脳髄ごはんに浸して
さば味噌ホケキョ
時間は蜜にとろけて流れる
さば味噌ホケキョ
かつおが踊 ....
1年前の夏
オモチャ箱を
抱えながら嬉しそうに
ピョンピョン跳ねる
チビッコ達をみて
【これだ!】と思った
将来の自分を
イメージして
やりたい事を上に
私なりにどんどん ....
111010
花電車がやってくる日に
チョー簡潔な祝いのお品
チョコレートのパイを焼く
暖かいうちに運ぶんだ
横断歩道の先にある
プラットフォームには人 ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ
だいだい色の満月
あたたかさ ....
おやすみ、あなたの黒髪にまだ青い葉をからませ
おやすみ、蔦は赤く、赤く血の色のよう
あなたの血のように赤く 私の血のように赤い
蔦を体に這わせ 木の葉の雨の降りしきるなか
そっと夢みる ....
来ない
夢の中のお話
*
大工の父親と過保護な母親のもとで
昭和のもやしっことして育ち
筋骨隆々な親父とくらべ
まるでビッケのような様子で
いや ビッケから勇気と ....
コスモス、小さく咲いた
香る花、美しい白
そっとつまんで顔を寄せた
あなたのような秋が来た今年
穂も色づいている
素敵な時間
わたしのそばに
花がある幸せ
二人占め
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ
つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ
のどぼとけがなって和尚さん ....
{画像=111010205059.jpg}
【 雪花 】
あ
雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
みんな死んでしまった
スタートしたのはぼくだけ
急にグラウンドが広くなったみたい
走っても走っても
ゴールのテープが見えない
しかたがないので
....
わたしにたりないもの
てぶらでふろしきをたたむずぶといちえ
わたしにたりないもの
むさくいにほほえまないふせられたかるた
わたしにたりないもの
はきすてたことばを いつ ....
子供が鈴なら 親の愛は それを揺らす風
世界が鈴の音で いっぱいになれば いいのに
信じられるかい?
人間が月に行った事を
信じられるかい?
君と月を眺めてビールを飲んだ
あのビルの屋上は閉鎖されたよ
信じられるかい?
夜中に忍び込んで水面に映った月に
誰もが息 ....
ネットオークションで
小さな駅を買った
小さな駅には
小さな電車しか停まらなかった
小さな電車には
家族がいっしょに乗ることができない
いつのまにか一人ずつ
だまって家を出ていった
....
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