甘えんぼな あたしは
あったかいひと
やさしいひとに
ふれると
ホワンとしたきぶんに
なってしまう
気を全開にゆるしてしまう
たまに失敗することもあるけど
猫の勘はたいがい ....
このこ、うちのペットのみっちゃんです。
ミシシッピアカミミガメのオスで、10歳。たぶん。
みっちゃんはとても可愛いのです。
毎朝エサをねだって、私の後を水槽の中でうろちょろとついて来ます。
....
「線引き」
教科書に、
黄色のマーカーで線引き。
ある瞬間のための、
不幸にならないように、
焦らずにいたいから、
サッと伏線を引く。
本当のかなしみを知るひとは
かなしみのあり様をあれこれと邪推せず
涙で濡れた手のひらにあたたかな眼差しを重ねてくれる
本当のかなしみを知るひとは
ひとの過ちをあれこれと論ったりせず ....
猿ぐつわを噛まされた
裸の青白い男が椅子に坐っているので
私はどういうわけか
ふるさとを思い出さずには
いられない
椅子の背に両手を縛りつけられ
陶器のようにつるりとした太ももに
一 ....
いつだって
飛ぼうと思えば
飛べるんだ
空を飛ぶことなんて
僕にとって
容易いことさ
僕は周りに
そう言いふらしていた
いつだって
飛べるのだから
あえ ....
もう絵はやめた
そう言っていたあなたが
鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら
これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと
紙を忘れてしまったと
やっぱりち ....
僕は殻を破って
やっと外に出た
そしてまず最初に
やったことは
自分の殻を
作ることだった
今度はもっと頑丈な
簡単に破れないような
そんな殻を
作ることだった
....
のっぴきならないのっぴ―のような
蛙の声が雨音にまぎれるような
御飯、パン、御飯、パンのような
星空がスイッチのない電灯のような
ゴミの日のカラスの合 ....
立ちションしてたら
虹がでた
手のひらで
掴もうとした
おしっこが終わるまで
何度も何度も
隣の姉さんが
バス停を降りるのが見えた
高校生になっていた
おしっ ....
みえるもの
触れるもの
ゆれるもの
遺された体温が、シーツの
皺にまぎれ
薄くひかっていた
指で掬って、軽く混ぜて
水の匂いのような
ものと遊びながら
何 ....
蝉が泣く
蛙が鳴く
草木が揺れる
こんな夏の日の宇宙論に言わせてみれば
私だって宇宙なのだ
{引用=ボイジャーは太陽系外に旅立ち
やがてライカと出会うだろう
アダ ....
100722
90日間で世界一周!
80日と君は言う
休みを入れない旅先で
10日間が惜しいのか
元気いっぱい歩いてた
どこかに消えた十日 ....
そっと胸をなで下ろしてみる
今まで気付かなかったこと 塞いでいたもの
射していた日が見えていてもちゃんと呼吸をしていた
誰かのためにいたい だから肩で息をしてまっすぐ見つめていたい
今日く ....
【悲しみを乗り越えて】
私たちには悲しい思い出がある。
それでも今こうして生き続けている理由は
あの日、
あの時、
あの場所で、
死んでいった人た ....
貴方を探して参ります。
どうか
私を探さないで下さい。
{ルビ顎=あご}を上げれば ほら
水面が見える所まで
来てる
蒼い天辺で {ルビ揺蕩=たゆた}う
陽光の揺らぎが
手を犯してゆく 日を夢見て
砂を{ルビ踵=かかと}で慣らしながら
....
ずっと知っている
甘酸っぱい腐葉土に降り立てば
ほら、夏に焼け焦げた体の
もうすぐそこへ含まれてゆく予感
夏はひとつの心臓として脈打っていた
どくどく、樹液の行き渡ってゆく空気へ ....
 
 
大家族から核家族へ
核家族から核個人へ
人は自由を求めて
分裂を繰り返してきた
原爆のように
大きなものを
小さな核が分裂して壊し
残ったのがこの街だ
....
水族館
泳ぐ魚を
凝視、凝視
美味そうだなぁ、と
思うは異常?
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途
突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る
崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
ある真夏の日
万障繰り合わせの上
故郷の川で
友釣りを始めた
はじめに私を鼻に掛けて
流心に泳がせていく
すると懐かしい
あの顔とあの顔が
あの顔のまま針に掛かって
....
豆腐がテーブルの下に入ったまま
出てこようとしない
いくら呼んでも
何の反応もしないでじっとしている
仕方なく椅子をどけて
自分がテーブルの下に入る
特に豆腐に恨みがあるわけでも ....
真夏の温度の中にいて
少しのけだるさを感じるのかと
おもってこわがってた今朝
無音の朝の気配には
なんの操作もなくて
自然の風にさらされる
ときが通り過ぎる
過去も今も未来も
....
冬でも雪が降らない
そんな暖かい僕の家でも
おまえは寒そうに
ストーブの前で丸くなる
背筋に稲妻の閃光が走るような
艶光りするおまえの
ビロードを思わせる黒い体毛
思わず ....
狂女の独白
いつもそれは夕刻よりも暗い夜明け
一日は、東の地底で死んだ胎児のように
いつ迄も、紫色の胎盤にまみれて
暗黒の硬い産道に引っかかっている
胎児の頸には硝子のつららが刺さって ....
湿気ない黴びない腐らない
お菓子の家を建てました
フェイクスイーツのお家には
雨樋なんていらないの
そんなリアルはいらないの
ピアノの形のオルゴール
複製された印象派
微笑む少女 ....
<桃>
夏の夕 シャワーを浴びて 丹念に
君に食まれる 身支度のとき
うっすらと 産毛の肌が汗ばんで
早く食べてと 桃の香がして
摑 ....
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている
きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも
きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている
くっつかないということは
い ....
まあるいおわんの底で
くるくると回っている
ガラス玉のように
くるくると回っている
ゼリーの雨が
ぽとぽとと降ってくる
服がぬれると
かなしみ
したたり
冷えた体が
憂いを
....
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