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築十八年になる
カステラハウスと呼ばれる
小さな三階建ての家に住んでいる
毎週日曜日になると
潔癖症の夫と二人で掃除をする

掃除機を抱えて 嬉々と
バトルスーツをきた戦士のように
家 ....
一匹の青むしが
道路を横断している
ゆっくりと
ゆっくりと
(小さな青虫だから)
這っていく

きっと
道路を渡りきってしまう前に
あの青むしは
車に轢かれてしまうだろう

そ ....
ある日 
水槽の中で泳ぐ
熱帯魚が
テレビに映った 
青い南の海をみた

こんな狭い
水槽の中では
すいすい泳げない
テレビに映った
広い海に憧れて

ここから
逃げ出そうと ....
いっちょまえに
子(娘)が親(母)に意見(もんく)をいう
いっちょまえに
子の方が稼ぎが多くなってきた――

一緒に道を歩いていたら
いきなり娘に腕を掴まれた
「なにするん?」
背後か ....
こんなの詩じゃないと
お叱りを受けそうですが
まあ、いいだろう
と、寛大な心の方はご覧ください

     *

小さい頃のわたしは
引っ込み思案で 恥ずかしがり屋
自分から友だちを ....
ガードレールの内側に
くくりつけられた花束
それに向って手を合わせる
初老の女性がいた

先日、その場所で
交通事故があったことを
私は知っている

バイクとワゴン車の衝突で
事故 ....
傷心の時
人は季節を忘れる
今がいつなのか
ここが何処なのか
茫然として
うわの空

それでも季節は巡る

新しい風が吹いて
花々が咲き
陽の光は注ぐ
あなたの肩越しに
滔々 ....
ひと足の途絶えた
深夜の商店街
わずかな気配にも
センサーが反応して
ひとりでに機械が喋りだす


 イラッシャイマセ
 パネルノ番号ニ、シタガッテ
 操作シテクダサイ

 番号 ....
     光のあたらない
     すみっこにこそ
     きらりと光るものが
     ひそんでいる

     目立たなくても
     すみっこの力を
     侮っ ....
星なんか
見えない夜もある

それでも夜空を見上げて
一番輝く星を探しているんだ
その星が
ずっと照らしてくれると信じて

星なんか
見えない夜がある

暗い夜道で
仔猫の鳴き ....
公園に若いお母さんと小さな女の子がいた
お母さんはベンチに座ってスマホをいじっている
女の子は傍をちょこまか歩きまわる

女の子がお母さんに話しかけても
お母さんはスマホに夢中で返事をしない ....
いそぎ足でやってきた
冬が
粉砂糖みたいな
パウダースノーを
街中に降りかけていった

私の黒髪にも白く積って
ガトーショコラみたい
綿菓子みたいな吐息が
凍える指先を温める
北風 ....
お前らなあー
山がいつも大人しく
鎮座してると思ったら
大間違いだ!

俺様のハラワタは
いつだって煮え滾ってる
怒らせたら
熱いのをぶちまけるぞっ!

よーく聴け人間ども
山を ....
自分で敷いた道がある
凸凹道で思うように進めない
曲がりくねった迷路の道で
迷ってばかりいる

ぬかるんだ道に
足を取られて転んだこともある
途中で立ち止まり
天を仰いで溜息を吐いた
 ....
ちょっと長いけれど
暇だったら聴いてください


私は小学校五年の頃 
お化粧に興味を持ちました
鏡台に姉の化粧品が入っていたので
ある日 赤い口紅を塗って
三面鏡に映った自分を見てい ....
虚空に向けて指さす人
その指先は何を示す
道標
明日の空
去っていった人の背中

夏の香りを衣装箱にしまい込み
スマホの写真を整理
一つ 一つ
削除しながら
思い出にサヨナラを告げ ....
ぽっかりお月さま 
今夜は月明かり
暖かい風が吹いてきた

ブロック塀の上に猫がいる
ゴミ置き場に猫がいる
駐車している自動車の底にも
猫が潜んでいた

ニャア――

真夜中は猫 ....
私はかつて[緑病]と呼ぶべき奇妙な病気に罹ったことがある。
それは十八歳くらいの時で、高校を卒業して初めて社会人となって働き始めた頃のことだった。
なぜか緑色に魅かれて、服も靴もバッグも帽子も身に ....
私は関西人だけど
納豆が大好きです!
けれど頑固な関西人の旦那は
決して納豆を口にしない

蛸を食べる日本人を見る
欧米人の眼
豚を食べる民族を見る
イスラム教徒の眼

彼にとって ....
冷蔵庫に賞味期限切れの
ちくわが一本残っていた
二日しか過ぎていない
まだ大丈夫だろうと
丸かじりする

食べながら
ちくわの穴と対峙する
もしかしたら……
別世界が見えるかも知れな ....
   怒鳴りだしたい
   衝動を
   奥歯で噛みつぶす

   瞼の裏に溜まった
   悔しさを
   ギリギリの精神力で
   持ち堪えている

   溢れそうな感情を
   ....
唐突な話なんですがね
最近 魚になりたいって思うんです
いえ 泳ぎは得意じゃありません
なんか太陽とか土とか風とか
面倒臭いなあーって感じるから

海の中はいいだろうなあー
何処までも
 ....
ジョウロを持って
庭先に立っていると
植木鉢の間から
ヒョイと小さな顔を覗かせる
私と目が合った瞬間に固まった

キミと出会うのは
今日で何回目だろうか
植木鉢の森の住人さん

太 ....
遠い国で内戦があった

銃弾に倒れた人
爆弾に吹き飛ばされた人
炎に巻かれて焼かれた人々や

たくさんの人間が血を流し死んだ

勝利者は誇らしげに
殺した人の数を発表する
その中に ....
   砂地にのびる
   影法師
   不機嫌な男みたいに
   息苦しくて
   湿っぽい
   気圧が下がってる
   きっと
   嵐の前触れだ


           ....
人のフリ見て我がフリ直さず知らんフリー

スーパーの通路で話し込む迷惑な主婦たち

今どきの娘は〜という時に鼻の穴が膨らむ

老後が心配

バッグの中にはエコバッグ

無料(タダ) ....
子どもの頃
大縄跳びが苦手だった
自分の順番がきて
入るタイミングを計っているが
なかなか飛び込めなくて
戸惑っていた

後ろから
早くと背中を押されて
飛び込んだら
いつも縄を踏 ....
おばさんは一日にして成らず

常識がないと人にいうあなたの方が常識無し

若者言葉ネットで検索中

何度聴いても覚えられないパソコン用語

話を聴いてくれる相手を探してる

助走乗 ....
   携帯は見ない
   家事はいっさいしない
   仕事のことは考えたくない

   窓も開けないで
   一日中 ボーとして
   無為の時を過ごしている

   病気じゃないけど ....
初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる

時間外保育の部屋 ....
るるりらさんの泡沫恋歌さんおすすめリスト(82)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【_払拭_】- 泡沫恋歌自由詩29*15-10-21
【_青むし_】- 泡沫恋歌自由詩24*15-9-29
【_熱帯魚_】- 泡沫恋歌自由詩25*15-8-31
【_いっちょまえに_】- 泡沫恋歌自由詩16*15-7-20
【_私の友だち履歴_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-7-15
【_ガードレールの花束_】- 泡沫恋歌自由詩11*15-5-29
【_季節_】- 泡沫恋歌自由詩21*15-3-31
【_無人の街で_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-3-12
【_すみっこの力_】- 泡沫恋歌自由詩19+*15-1-31
【_星空_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-1-25
【_スマホと女の子_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-1-17
【_スイーツ♡ウインター_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-1-13
【_山の神様__】- 泡沫恋歌自由詩16*14-10-22
【_紆余曲折_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-10-2
【_私の化粧履歴_】- 泡沫恋歌自由詩27*14-9-18
【_指さす人_】- 泡沫恋歌自由詩24*14-9-10
【_猫の集会_】- 泡沫恋歌自由詩18*14-8-21
散文_【_緑病_】- 泡沫恋歌散文(批評 ...10*14-7-21
【_納豆_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-7-10
【_ちくわ_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-7-3
【_表面張力_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-6-20
【_妄想を泳ぐ_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-4
【_シッポ_】- 泡沫恋歌自由詩18*14-5-26
【_数字_】- 泡沫恋歌自由詩15*14-5-22
【_前触れ_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-4-25
自由律_【_おばさんの流儀_】_其の八- 泡沫恋歌俳句6*14-4-25
【_大縄跳び_】- 泡沫恋歌自由詩10*14-4-22
自由律_【_おばさんの流儀_】_其の五- 泡沫恋歌俳句10*14-4-9
【_仮病_】- 泡沫恋歌自由詩20+*14-3-28
【_おばさんラプソディー_】- 泡沫恋歌自由詩22*14-3-24

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