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答えを探している

答えは至る所に
極めてさりげなく
あるいはこれ見よがしに
散りばめられているのに

コインを拾うように
極めてなにげなく
自分のものにしてしまえば
楽になれ ....
左側の
下から二本目には
幼い過ちが
絡みついている

右側の
上から四本目には
小狡い鳥が
棲みついている

左側の
上から三本目に
温かい実を
結びつけてくれた人
 ....
岸辺を撫でる
さざなみは
私にいくつもの
音を書かせる

川面で弾ける
きらめきは
私にいくつもの
色を撮らせる

私の中には
川が流れている

花弁を浮かべ
渡り鳥を ....
ふうっと
息をつくと
こびりついていた何かが
テーブルの端まで
遠のいた

そおっと
見渡すと
微かに青みがかった指先が
木の葉を鳴らすのが
見えた

自由になった
意識 ....
ぽたり

心の壁の左下の
しみったれた蛇口は
しまりが悪くて
思い出したように
言葉が滴り落ちる

気紛れに
小さな器で受け止めて
液晶の畑に撒いてみるけれど
発芽するのは
 ....
ときどき旅に出る
バスあるいはロマンスカーで

目的地を通り越して
家に帰るために

ごくまれに家出する
抵抗あるいは革命のために

気恥ずかしい迂回の末
家に帰るために

 ....
僕の東側から
今日も君が昇った
コーヒーの香りが
ほんのり温かい

他愛無い話に
マーマレードを塗りつけて
右目は美人のアナウンサー
左目は君の笑顔

ベーコンエッグは
半熟 ....
「思春期」


疎ましく膨らんで
悩ましく弾けて
狂おしく奔って
暑苦しく押し黙って

思春期なのか
四月は変拍子

狼狽える前髪で
躊躇う指先で
彷徨う吐息で
蹌踉め ....
雀始巣
すずめはじめてすくう


佐藤さんちの玄関の
パンジーの寄せ植えから
オハヨウを拾い上げて

鈴木さんちのベランダの
古い室外機の裏側から
サビシイを探し出して

 ....
空から
剥がれた薄皮が
ふうわり落ちてきて
森と街と人の
あらゆる隙間を
滲ませる

君から
届いたLINEが
妙に素っ気ないのが
どうでもよくなるくらい
僕の指と吐息は
 ....
桃始笑
ももはじめてさく


コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める

ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している

音符を思い出した
爪先 ....
脚の細い象の背中で
ユラユラしている私の
広すぎる糊しろは
饐えた臭いを放っていた

何も企てない午後を
ユラユラ生き延びた私の
丸すぎる背中には
錆びた罪が生えていた

心地 ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
風を読もうとして
青空の中に人差指を立てた
風上から風下へ
紙飛行機は滑っていった

時を堰き止めたくて
夕焼けの中で小指を絡めた
川上から川下へ
笹舟は忘れ去られた

水面に ....
重たいドアを押して外に出ると
階段を数段上ったところで
思わず立ち止まる

百貨店の屋上は
すっかり様変わりしていた

複雑な段差を組み合わせた
明るい色調のウッドデッキ
オリー ....
誰かに飲み干された君は
埃っぽい街をぼんやり透かして
仄かな緑色で薄笑いしていた
濁り切れずに立ち尽くしていた

可憐ながらんどうの君は
微かにアップルタイザーの匂いがして
僕は言葉 ....
ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ


寄せては返す
奪ったら返してくれない
怨んでもシオマネキ
黙ったら塩辛い


ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ


 ....
華々しく出航したはずの
船の羅針盤は
いつの間にか壊れて

勿体つけて差し出された
六つ折の海図は
ほとんどが嘘っぱちで

最初は威勢が良かった
スクリューには
得体の知れない ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
 ....
目を閉じると
緋色珊瑚色菜の花色
まぶたの裏に
現れては消える明るい斑

風の無い中庭は
緩やかな分子で満たされて
枯れ枝から枯れ枝へ
見知らぬ鳥が声を探している

鎖骨のあた ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に

傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
凍てついた夜道で
640年前のベテルギウスの光を見上げながら
今日は星が綺麗だね
って僕のポケットに手を突っ込んでくる

見えないサソリから
ただ逃げ回ってばかりいるとても臆病な僕を
 ....
久しぶりに息継ぎしたら
歯磨き粉みたいな
ノスタルジイが
喉に染み渡った

垣間見た空は遠すぎて
その場限りの
センチメンタルなんて
届きそうになかった

きっぱりと反転して
 ....
デジタル信号に変換された
音色の濁流から
そのUTAをすくい上げたのは
ただの気紛れだった

はけ口を求めて迷走する魂を
水先案内するように
君のUTAは胸の裏地に棲みついて
僕の ....
NUE(鵺)


猿の
  小賢しさと
狸の
  強かさと
虎の
  素早さと
蛇の
  執念深さが
艮の
  夜空で出逢う時
人の
  内の矛盾は
闇の
  中に ....
「阿」

宇宙のはじまり
命のはじまり
言葉のはじまり

はじまりの吐息が
外側をふるわせる時
内側のふるえは

色となり
音となり
文字となって
世界を創りはじめる
 ....
るるりらさんのnonyaさんおすすめリスト(221)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
答え- nonya自由詩10*19-2-21
肋骨- nonya自由詩17*19-2-9
- nonya自由詩14*19-2-2
距離/秋- nonya自由詩15*18-9-26
蛇口- nonya自由詩17*18-6-1
- nonya自由詩24*18-5-20
当り前- nonya自由詩18*16-9-23
発条式発泡詩_<1>- nonya自由詩1516-4-9
雀始巣- nonya自由詩18*16-3-19
春って- nonya自由詩13*16-3-15
桃始笑- nonya自由詩17*16-3-10
ユラユラ- nonya自由詩19*16-2-20
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
- nonya自由詩18*16-1-19
煙突と月見うどん- nonya自由詩22*16-1-7
半透明- nonya自由詩19*15-4-11
波打際- nonya自由詩17*15-4-5
春の航海- nonya自由詩23*15-3-29
- nonya自由詩16*15-3-11
見学者- nonya自由詩17+*15-2-21
ひなた- nonya自由詩11*15-2-11
ふっ、しあわせ- nonya自由詩16*15-1-31
SISAKU- nonya自由詩19*14-12-11
<はるか>- nonya自由詩16*14-12-6
- nonya自由詩15*14-11-22
UTA- nonya自由詩17*14-11-15
百鬼繚乱_<_4_>- nonya自由詩18*14-11-9
アルモニカ- nonya自由詩14*14-10-29

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