豚の生姜焼き
ウデラコウ

くるかしら くるかしら
あなたは わらって くるかしら

そんなことだけ考えて 

心の中は大きな大きな嵐だけれど
それを悟られないように涼しい顔で

ずっと

まつのよ

その時を


生姜の香りがなんだか安っぽくてだけどちょっぴり意地悪で

ツンと鼻をつくのはきっと 切ないからだけじゃない


胃袋をつかめと よく言うけれど

私は とうに あなたの笑顔に掴まれたまま

どう動いてあなたを 掴めというのよ


くるかしら わらうかしら

そんな気持ち 微塵も見せないで

ほらきれいに きれいに
今日も よくできた ポークジンジャー

晴れの日のお昼に よく似合う
この香りと 色あいが

君に 届くようにと
願いにも似た 祈りを込めて

私の手から生まれたものが
君を明日へと生かす一滴になればいいと

願うのは たったそれだけ
決して私をみて笑わない君が

私の手から生まれたもので
笑ってくれるなら

それだけで じゅうぶん。

ポークジンジャーは 今日も
そんな思いとともに

あなたの元へと まいります。



自由詩 豚の生姜焼き Copyright ウデラコウ 2014-06-06 21:01:40
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