亡くし仔
凛々椿
きのう
電線の張替工事があって
声が途絶えた
それからというものの
すずめの親鳥が
トランスのあたりをちょろちょろしている
巣は
除去されていたよ
それから
ふだんはこの街にいないはずのからすが
きのうはとてもうるさかった
すずめの親鳥は
餌をくわえたまま放心している
もうすぐ巣を
巣立つはずだったおおきなこどもたちのために
自由詩
亡くし仔
Copyright
凛々椿
2015-06-23 14:38:48