17歳だった_ Delft
藤原絵理子


モノクロームの写真に 影だけが見える
真珠の耳飾りが 揺れる 泣いているのに
あたしの瞳は 無垢な少女のように
耀いている 嘘をついている


アンリエット… きみの墓は 毀たれた
あたしは 17歳だった 暗い心の深淵に
誰かの泣き声に目覚める 朝の光は
ふと 穏やかに その悪夢を


「怖がる必要はない」 彼は言った
鈍く光る 鎌の先を見たとき 知った
煌いた朝露は 真昼の陽光を見ることはない


憐れんでくれなくても よかった
あたしは 彼女に 恋してただけ
夜は 月の光よりも強いのだから



自由詩 17歳だった_ Delft Copyright 藤原絵理子 2014-12-05 22:51:18
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