冬が来た
Lucy

あたしはすごく疲れてしまって
家までたどり着けるのかひそかに心配で
空気はきんきんに冷えていて
闇を泳ぐようにふらふら歩けば
月が煌々と夜空を照らしているんだった
なのに街灯の明かりの下では
羽虫のような雪が舞う

冬だね
冬が来たんだね
もうこのまんまどこまでも
夜を泳いでいきそうだ
長かった秋の
煮え切らない淋しさなんて
結晶になって
きらきらして
明日の朝には
レンガの歩道に張り付き
根雪の最初の地塗りになる



自由詩 冬が来た Copyright Lucy 2014-12-05 23:16:35
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