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列車の暖かいシートに座ると

向こう側のガラスの奥には

半透明な私が少し微笑んでいて

疲れて座っている

暗闇にうっすらと光り浮いている私は

ゼラチン質のように柔らかで他人の ....
幼稚園のそばを通ると
叫ぶような声で子供たちが歌っている

歌っているというよりは
ぼくのわたしの声が一番大きいんだぞと
叫んでいるようで
うるさくてしょうがないんだけれど
楽しくなって ....
近所の人はおじいさんとおばあさんが

一緒にいるところを見たことがない

どっちがどっちにくっついて

おもちのようにふっくらまっしろ

のびていくしわしわ

仏のように柔らかな如 ....
山奥の沢
大きな石の上に寝転がっていると

こんぽろりん
こんぽろりん

遠くの方から小さな
木琴の音色が聴こえてくる
私は少し調子の外れた
しかし心地の良いその音に導かれるように
 ....
都市気候に密閉された

お洒落な箱にいます

外はとても過ごしにくいのだけれど

箱に入れば何もかも揃っていて安心

そこは好かれる気配が大切

優れていても劣っていてもだめ

 ....
地面はまだ雪が積もったままだけれど

雪の下からは水の流れる音が聴こえてきて

清らかな春の囁きが

頭の中を流れていくようで心地良い

上を見上げれば木の枝には

春の芽がびっし ....
最終列車が息を吐く

車内には人が結構たくさん乗っているけれど
皆疲れて茫然としており
身体半分が無機質な物体になりかけ
車内の音を吸い込んでいくので
奇妙な静けさが漂っている

発車 ....
押入れの毛布にくるまり

ロールケーキのようだなと

とろけるように目を閉じ

甘い夢を見る

お菓子の家は飽きたから

寿司ネタにしてくれと叫んでいる

小学生の私

そ ....
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ

チョ ....
夕暮れ
石ころが転がる河原で
ひとりのんびりビールと

割り箸に刺したはんぺんを
七輪でささっとあぶり
ちゅるちゅる呑みこんでいると

対岸にオレンジ
鬼火が屋台の提灯のように
等 ....
そっと風が吹けば

散り散りにこころは飛翔し

うらおもて

うらおもて

ひるがえり

夕暮れ空の向こうで

群れをつくり

大きなさかなが一匹

空をゆっくり泳いで ....
山を歩いていると
深い緑に浸り
濃密な孤独感と解放感を
吸い込み吐き出す

誰もいない山道に
誰かの視線があるかと思うと
綺麗な赤いまえかけをした
苔だらけのお地蔵さんが
ところどこ ....
さば味噌ホケキョ
のれんをくぐれば香りが唄うよ

さば味噌ホケキョ
わたしはとろけた脳髄ごはんに浸して

さば味噌ホケキョ
時間は蜜にとろけて流れる

さば味噌ホケキョ
かつおが踊 ....
ところてんかまわず
すうっと出しちゃったら気持ちが良いよ
細長いわだかまりがいっぺんにどっと出て気持ちが良いよ

つるつるにょろにょろ
つるつるにょろにょろ

のどぼとけがなって和尚さん ....
るるりらさんの灰泥軽茶さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
もうひとりの私はゼラチン質のようだ- 灰泥軽茶自由詩1213-12-21
叫ぶ子供たち- 灰泥軽茶自由詩1013-5-25
おじいさんとおばあさん- 灰泥軽茶自由詩7*13-5-9
山女の木琴- 灰泥軽茶自由詩9*13-4-29
都市気候とお洒落な箱- 灰泥軽茶自由詩9*13-3-29
春の囁き- 灰泥軽茶自由詩7*13-3-22
発車までしばらくお待ち下さい- 灰泥軽茶自由詩5*13-3-18
甘い毛布- 灰泥軽茶自由詩5*12-11-11
チョココロネ犬- 灰泥軽茶自由詩10*12-7-11
はんぺん踊り- 灰泥軽茶自由詩19*12-6-16
うろこころ- 灰泥軽茶自由詩13*12-5-30
苔地蔵- 灰泥軽茶自由詩5*12-3-18
さば味噌ホケキョ- 灰泥軽茶自由詩2*11-10-13
ところてんとそうめん- 灰泥軽茶自由詩5*11-10-11

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