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・NEWDAYS

飛び降り
宙ぶらりんで嗅いだ春は
甘かったかな
苦かったな

コーヒーと海を混同したまま
電車はくさる肌の上を黙走していく



・ドーナツ

暴力 ....
肌が透けるようなTシャツを着たきみが
キッチンで小さな竜のぜいごを削ぐ
なんの予感もない薄暮の中
麦茶が冷えている

夕はんの後の散歩はいつも同じコースで
途中、24時間やっているあの店の ....
1.

朝、ベランダで
立ちんぼのまま夜をすする

まだこーんとした空を
盛りのついた飛行機が
西へ、西へといそいでいる

髪をかきあげる
色の抜けた毛先を透かしながら
42リッ ....
グーグルアースのそこに眠る街の火が見える
かそけき線だ、名づけ親たちはみな
後悔している
野について知らず、またあなたについて知ろうとしない

生っぽい白いシーツが夕暮れても
なぜか不完成 ....
今日、月がもも色で
口をつぐむように鳴らす笛が
灯台の{ルビ灯=ラフ}をかすめて
指どおりのよい
髪にまきつく

入りくちは浅くなめらかに
奥はとおくするどい爪のかたち…

荷を ....
みなみの国で生まれたような顔して
じつはとてもさみしい名前だ
だから呼ばない
必要としない

カウチって良い響きね

そうかもしれない
もう大人だから
寒いときは毛布を買おう
 ....
わたしのとういところをみぞれがながれていった
かこがかこらしいままかせきになり
結晶とわたしが
まったくおんなじそんざいになった

いつかひかるものとしてあつかわれる
幻の火にてらされ ....
意味不明な場所で会うんだよ
真っ白な怒りの板に
悔いを食ませ
流れた燐のほとばしりとは
ついさっきまで
この身体だったもの

としたらかすかな
ほんのわずかな瞬きで
吹きすさぶいまの ....
もうもくどもよ、

ベッドのあさいところで
指をかぞえる
放射状にならべたままで
つかみあうことができないままで

どの地点にも等しく降る雨のようになれないものごと
すなわち、わた ....
不安なひとよ

柄に
アルミホイルを巻くのを
忘れないで
なまぐさい身は
ひとり青く
ナイフでこそげるには
やらわかいから


(らん反射してた
     たしか、
     ....
甘すぎる飲みものに
あまり遠くまで泳いで行けそうにない日
という名まえをつける

低体温というひびきに憧れなかった?
いいえ、わたしは
身体のとおいところが
ゆっくりとまわるようなめまい ....
身体のうちで
いちばんきれいな皮ふのところを選んで
跳ねる、つぶてが
こぉんと、宵へ落ちていった

眠っていたのかそうでないのかわからない
果たしていつのまにか
まるですっきりと目覚める ....
羽毛時間に起きて
ひとり
立ったまま金色のコーンスープをのむ

おそるおそる
ほどくように
わたしの一挙一動が
いま「この日、この場所」という名の
プロペラになって
ひかりの塵を ....
紙ねんどでできた魂が
窓ぎわで色あせていました

緑化された街へとつづく
海風にやぶれた辺外の家の
そこだけ乾いた晴れの日のモーヴ

わたしはわたしの火で身を焼いた
「あの日」となづけ ....
紙の鎖の端をにぎって
妹も姉もいないところで
父と母が編んだ赤い塔をゆく
らせん階段はきらいだ
古い日々を思いださせ
とにかく青い
ノ・ヴァ、きみが秋晴れだったころ
ぼくが立派な牡鹿 ....
わたしはまだ生まれていない

さるすべりの上を
からすが何機も飛んでいた
わたしはわたしの屋根を吹き飛ばすものを
そしてそれがやがて生まれくる箱の首を
絞めたのです
そっと
やわらかな ....
おにいちゃんの夢を
巻きとった滑車が落ちて
あたりは一面トルエンの泉になりました

うつくしい場所です

眠っていると
肩にとまったツイバエに憑りついて
3秒前のことはぜんぶ忘た

 ....
ゼラチンをふやかしとろかし
またかためてとろかした指ごと
腐るだろう
ほら、がんばりなさい

「膝に生えたきのこを毟って食べたら
おとこおんなになったよ」
と、手紙に書いた

あらゆ ....
花むした天体を
こまかく細断された視点から見る
ノートは
かわいたシンクに置き去りにされていた
最初のページをとばして、つぎから
こどもらへ宛てた物語が月面語で書いて ....
夏至に生まれた子だけがよく匂った
しかたないから埋めてしまおう
(いや、いや)
なにか途方もない労働のまえやあとにある
くらいほうへつんのめるようなあの気配
わたしと
へその緒でつなが ....
わたし、食うわ、と言い放ったくせに
背をまるめて小さな口で啄むように食べる女が好きだった
(なぜ、わたしたちはおもいだす)
この身体がトルコ石でないと知るころには
トロイ・メライは終わっていた ....
1.障害のある屋根のしたで


虹といた

ほら、また打ちまつがったと言って舌をかむ
仕打ちのむこうの
わたしよりもずっとあどけない家族写真の風景

ギテイが舐めるように ....
1.虹

紐といた

気の遠くなるひだまりの路線で
彼のもつれた襟足に
昼の星は木漏れて消えた



2.スターバックスラテの矛盾

おびただしい反則が
やがてあらしを連 ....
夏の立駐で
宙づりのア・ウェア

温度といい
風といい

リネンの海で
かわいく葬って
また、次
こそげおちていく
応じている
わたしたち

かそ
かすか
かすがい ....
もうありったけの陰を踏んでしまった
気がつけば空はゆるゆるになっていて
気が狂いそうにやさしい
どのまどろみも平等だった
角のはえた恋人がわたしを映して割れていく
心中みたいなラメが散らばり ....
子らにはすべて名まえがある

物のなかにいる子
鏡を割ったような子
一粒の歯もないままでわらう子
レモンイエローの乳房の子
氷点下で生きている子
それでも
澱とともにあるとうめい
 ....
無量無辺のこのことを
寄る辺なき時代の卵白が包んでいる

さかさまつげを背にして眠る
わたしたちの
やさしい負けはいつの日も決まっていて
いつか必ず
だれの目にもとまらない場所で
 ....
・23:18


入れましたか、と聞こうとして
いつも手を伸ばしてしまう
爪の先から痛くなる
ひとから施された病だ

留められている
でかけたままの姿かたちで
感受性を ....
かつて
のしかかる羽根だったもの

いつも
ふゆの景色に茜色を刷いていく
かろうじて開かれた膝のおく
凍える火を吸う唇がいう
「わたしたちは箱から飛びだした角のようなもの
いつだっ ....
逆さまつげの生えた道を丁寧にグルーミングする犬の/バイタルサインを見逃して/睡蓮の咲くバルコニーで破滅的な行事に従事する女よ/どの恒星からも均等に遠のいて/寄り目の思考をダウンロードする/サイレン ....
殿上 童さんの平井容子さんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
なにもかも- 平井容子自由詩816-2-4
RPG- 平井容子自由詩715-5-27
SOUP- 平井容子自由詩914-10-22
かぼそいしむなしい- 平井容子自由詩714-9-6
夜、入り江にて- 平井容子自由詩1314-6-12
卒業式のあとで- 平井容子自由詩714-3-20
イニシエ- 平井容子自由詩1214-2-13
磁場、光- 平井容子自由詩714-1-2
_- 平井容子自由詩813-12-10
檸檬- 平井容子自由詩813-11-24
ミルクティー- 平井容子自由詩1013-11-1
クリンリネス- 平井容子自由詩713-10-24
いつかうつくしい日のはなしをしよう- 平井容子自由詩613-10-17
神のアール- 平井容子自由詩1113-10-1
むこう- 平井容子自由詩1413-9-21
この美しい場所で- 平井容子自由詩813-9-12
シネマ- 平井容子自由詩613-8-3
空気- 平井容子自由詩713-8-2
キッチン_4- 平井容子自由詩913-6-16
strings- 平井容子自由詩813-5-23
内臓- 平井容子自由詩413-5-14
ア・ピア- 平井容子自由詩713-5-10
ピア- 平井容子自由詩613-5-7
8- 平井容子自由詩713-3-27
硝子篇- 平井容子自由詩813-3-6
終止符- 平井容子自由詩913-1-28
陰をあたえる- 平井容子自由詩1712-12-27
最後から二番目の雪- 平井容子自由詩10*12-12-6
- 平井容子自由詩812-10-13
オッド・ダイアグラム_4- 平井容子自由詩512-9-30

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