すべてのおすすめ
秋は渡りの季節ですから
マンモスたちがやってきます
マンモーとともに群盲たちも渡って来ますが
像を撫でてはいけません
どうせツンデレだろうなどと言って
「見るなのヴィーナス」を見つめては ....
どんぐりの双葉はたくましい
芽を出しなさい世界樹
リスたちはみんな
頬ぶくろを持っている
そんなリスたちに運ばれて
埋められて
忘れられて
どこか幼稚園の片隅からでも
天の屋根 ....
砂漠ならばいい
砂漠のヒキガエルのおなかにシリアルナンバーが
あったというならあったのだろう
アーティフィシャルなヒキガエル
けれども日曜日の遅い夕方
ふと目をやった河原の石に
なぜバ ....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
猫寺には
猫の観音さまがおわします。
仏罰は猫手パンチ、
肉球ぷにぷにの千手観音さまです。
障子すべて開け放った和室に
屏風の衝立
衝立は
六曲一双モネの睡蓮
昼寝時の畳からは
好んで水辺に生える青草の匂い
ひつじ草がぷくりぷくりと開く
どこか遠くの沼の気配
....
力を抜いた片掌に
ちょうど一つずつ乗るほどの
ピンク色したケセランパサラン
夜に開くサガリバナ
夜にだけ
マングローブ林の奥のほうで一晩だけ咲いて
ほたりと朝には
水面に落ちる
....
これなるはもぬけ
まぬけではなくもぬけ
まぁまぬけなもぬけではありますが
これなるもぬけは言の葉をあやつりまする
人語を解しまする
花鳥風月ひとの情けに涙もいたしまする
つまりは詩などもい ....
どの星座も
夜更かししたり
早起きしたりすると
次の次の季節の分までは昇って来ている
ただ
ずいぶんと深更なので
それをだれかと一緒に見るようなことはあまりない
明け方のアンタレ ....
裏庭の{ルビ姥薔薇婆=うばばらーば}は薔薇を愛している
薔薇のネームレス
薔薇のシノニム
薔薇という名前のピース
何もかも愛している
生殖器としての恋矢は
それはカタツムリたちの話
....
春日早々
蒼穹にひるがえり
はためく何か白いもの
ああ
あれは一反もめん
由緒正しき日本の妖怪
いったんもめんがいったんもめんとけんかしちょる?
ひらひらきれいじゃけんがいったん ....
目には
まぶたがあって閉じることもできるのに
耳にはないね
目はよほど
脳にとっては過負荷で高価なセンサーなのだろうけど
耳だってとじられればいいのにね
ケータイや
ウェブの海で ....
春雨スープってね
しいて言えば女性なんだよ
生物学的に言えば
「どうして?」
はるさメスうぷだから
「うんうん」
でね
しいて言えばサメでもあるわけ
脊椎動物の、魚類としては
「 ....
ピンク色のサラマンダー
ウーパールーパーのライフサイクルは
いろいろです
おとな、こども、おとなこども
おとなこどものこども
おとなこどものこどものおとな
おとなこどものこどものお ....
花にはさまざまな花があるけど
花はそもそも植物の生殖器官なので
植物にはいろいろな性がある
種や個体ごとに
雌性と雄性とどちらかだったり
両方だったり
どちらかと両方だったり
片方と ....
東南西北
風が集って
夏の野原は緑一色
青いトマトは
翡翠の軟玉
九連宝灯チューンナップ
けれども今は早春の荒野
捜神雪苦
春雷未蕾
門を九つ潜り抜けても
天国のドアは ....
詩が何のためにあるか
詩っていますよ
あらゆるものを
名づけてしまうことなく呼ぶために
どの言語も
単語のひとつひとつは
一々長ったらしく説明してられないがための
高速言語
符 ....
早春にはバターカップ
金色めいたとろけたような
黄色い花びらの福寿草
だから君たちはジャムカップ
赤やピンクや紫の
マツバボタンやポーチュラカ
チビクロサンボのバターのように
盛 ....
ちょうちょ食べるならしじみちょう
しじみちょうならおみそしる
お味噌入れたら火を止めて
ちょうちょひとふり鍋の中
しじみの滋味はなつの滋味
ちょうちょも豆もオリゼーも
みんなそろって鍋 ....
人間の若者に一目ぼれした挙句
天の水門を閉じ忘れて
大洪水を引き起こしたおっちょこちょいな姫よ
今年の夏も忘れずに
天地に涼しい水を巡らせて下さい
あまねく世界中に分布している洪水神 ....