女優
森の猫

15の時 演劇をやりたかった

が 部の雰囲気が悪く
音楽系の文化部に入った

戯曲”ロミオとジュリエット”に
あこがれていたから

その希望のままに
今も あたしは
生きている気がする

そう 演じている
毎日を

無邪気な妻として
子供を一生懸命育てる
演技

母としてのPTAでの
演技

真面目な障害を持つ息子の
母としての
演技

その証として
今までずっと ずっと

自分さがしの旅を
続けているから

子供が小さい時は
いくつもの通信教育教材を取り寄せ
深夜に勉強

子供を背負い 書を書く

近くの図書館に通い詰め
乱読の日々

どこにいても
ふわふわして

ほんとの自分らしくない
あたしの魂はどこのあるの

そうココロの中で叫びながら
月日は過ぎていった

思いがけず
3番目の子供を宿し
産み育てるうちに

欝という 病を背負う

これが あたしの
大きな転機だった
良くも悪くも

いや よかったのであろう

13年のときをかけ
詩に出会い
朗読に出会い
人と出会い

あたしは 変わった 
180度以上!

ものすごい
スロー スターターだ

でも うれしい
ほんとのあたしに
なれたから

もう演じるのは
ほんのわずかだけ

社会の規範をはずれない程度に

女優に目覚めた女性は
もう後にはひけないと聞く

あたしも自分の人生を
演じながら

楽しむための
生を受けた

人生をあるく


自由詩 女優 Copyright 森の猫 2010-06-22 01:44:32
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