君が小さな悪意なら
Lucy

ボディブローのように
じわじわ効いてくるのは
僕の中にも君が居るから

君の中にも居るらしい僕の片鱗を
君がこよなく憎むように

その嘲りは抗い難い誘惑

拒むにしても
逃げるにしても
はむかうにも
無視できないから蝕まれるのさ

頼んでもいないのに
耳元に臭い口を寄せ
汚い言葉を吹きかけてくる

気力を萎えさせ
自信を失わせる
侮蔑の言葉
虚無を掻き立てる嘲笑

振り向いて睨み付けたら
とたんに目を輝かせ
しつこく絡み付いてくる

抵抗力を餌として忽ち増殖
体を内から食い荒らし
嬉々として自滅に向かう
君は小さな寄生虫

君はついに勝ち誇れ
君の勝利は単なる荒廃


とうとう追放された僕は
今日から
君を食い漁るのさ




自由詩 君が小さな悪意なら Copyright Lucy 2016-04-17 20:21:24
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