窓の外は総てたわいない挿話である。熾火が時を経て蛍を遺し鮮明に刻印する思考濃度を確かめる。足を止めたときに憑かれる、いつか。術はまるでひどくおかしいのか、空穂舟はびしょうへと降下するんだって。あから .... 梅雨の明けない早朝、雨は少し降っていて
私は散歩するのをやめていた
できれば行きたくないな
という気持ちを後押しするように、小雨ではあるが
雨はひび割れたアスファルトに落ちていた
ふと昨日の ....
絵具をのばして色を確かめる
書物の行方をめくってみる
思いつく言葉の先に何があるのか
風はどこから吹いているのか


水辺の四頭の馬
あの時なくしたものは戻って来ない
あの時はなした指 ....
時折
窓の外にやってくる
小さな鳥
カーテンごしのシルエット
じっと佇んでいる

窓を開け放って
歌っていると
鳴き声が聞こえる
歌うのをやめると
静かになる
再び歌うと囀りはじ ....
ぽっとひろがる
無限の感触
記憶の奥まり
記憶を抜けて
あの世と繋がり

真っ白になった魂、

もわんとつつむ
あの世の感触
揺れて揺らいで
夏の熱気に曝され
夢見がちに覚醒し ....
こうして日々
人から離れて一人で暮らしていると
自らの存在が希薄になって
空気のなかに溶けてしまいそうに思えてくる
きっと僕は 世界から隠されてある

隠されたもの
それをオカルトと呼ぶ ....
あの日みた映画の話しは覚えていない
たぶん外は小雨が降っていた
隣の席に座ったコート姿の貴女は
しっとりと肩まで伸びた黒い髪に
その日風邪をこじらせていた僕のあたまに
朦朧とした熱い ....
四月に種を撒いたヒマワリは
梅雨のさなかに大輪の花を咲かせ
真夏の太陽を待たずに萎れ始めた

虫食いの穴だらけの大きな葉には
小さな小さな{ルビ精霊蝗=ショウリョウバッタ}が二匹
同じ方を ....
ついに、
投下されてしまった、
夏、
という爆弾の、
じりじりとアスファルトが焦げ付いてゆくような、
そして、
その熱波をさらに助長してゆくかのような、
せわしない、
蝉たちのなきごえ ....
― あのぅ すみません
  コトバに効く薬ありませんか ―
     コトバに効く薬ですか
     はぁ そういったものは
     当店では取り扱っておりませんねぇ
     外用薬 ....
 サワサワと吹く松の風
 ふと目をあげたら
 海に迫る山肌に
 薄い雪

 尽きる事のない様に見える
 波のたゆたいは
 その胎内に微生物の死骸がまっしろく
 降りつづけるのを感じてい ....
人には言えない
その願望を
持て余すごとに
花を植えよう

白のプランターに小さいお花

黒のプランターに寒色のお花

摘んで
手折って
咲かせて
蒔いて

百八日目を ....
夕暮れ
道を失った
木々の間を歩く
コンパスは狂い
足はもつれ
命の行方も危うい

計画も装備もなく
闇雲に動いて
葉先で皮膚を切り
悲鳴をあげる

闇が迫り
足音だけが響く ....
思考の宇宙
否 、
宇宙の思考
目標を眼差す巨大な意志の営み
未定形なウネリ、カタチ為さんと 
発動されるその瞬間から、

 立ち木たちの裸に緑
  もさもさ纏い繁り始め
   緑の ....
vanitas vanitatum.
空虚の空虚。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)

そこにあるものは空虚。
(ロジャー・ゼラズニイ『いまこそ力は来たりて』浅倉久志訳)

詩人はひ ....
 字をかく
 筆先の弾力が
 未知の世界に突入する

 柔らかくしなりながら
 墨は、
 濃く薄く線を描く
{引用=ヴァイブレーションに充ちた 
小さな愛の告白を
嘲笑うべきではなか ....
さぁ今日はこれから復讐だと息巻き
コテンパンの返り討ちの目に遭うのが好きなボクは
今年の夏も
架空の敵に押し寄せ
架空の返り討ちに遭っている
復讐の完遂だけを誓うボクの夢想家としての血は
 ....
君の耳にだけ寄せる波がある
その波に織り込まれた風を聴きながら
君は眠る
あるいは踊る

フォスフォラスが鏡に映れば
ヘスペラスになり
ヘスペラスが鏡に写れば
フォスフォラ ....
あなたが見てきた髪の毛を
とうとう削ぎ切ってしまった
あっけなくあっさりと
思い出がぱらぱら落ちていき
掃かれて

さあ新しい自分になる
とはぜんぜん思わない
それでも少しずつ
 ....
歯を磨きながら
鏡に映る顔を見つめる
可哀想な感じの眉毛

嗚呼
私は困っているのか

鏡の中の私が
助けを求めている

どうすればいい?

頭の中は真っ白
眉毛は益々可哀想 ....
金環月食は頸に金色の輪を作る
暗闇に浮かぶ白い歯列は音を立てて笑う
束ねられた髪の彫像が風に靡き
谷底に落ちたハーモニカが鈍い音を奏でる
君の撫子色の山脈のような尻が
彼の腰に火をつけ炎は大 ....
閉塞した今に
嘔吐をつまらせて出来る沈黙
それでできた私
沈黙は同時に叫び
喉の奥で雷が轟々と燃える
叫びは同意に射精
身体の内部で撃鉄が下り
内的衝撃で顔が曲歪んで捩じ切れた
真白な ....
事実は記憶は
捏造・抑圧され得る

   けれど 、

魂の深奥に刻み込まれた
想いは決して変えられない




無数の影 踊って居るよ
意識の視界に深奥から

 幾つも幾 ....
仮に六が市民にとって平和な数字だとしても
内心穏やかな日々を送っていたとは限らない
室町時代の暗闇の村で熟成された大切な思い出

荒んだ生活においても我を見失わない詩人らは
故人に直に手 ....
{引用=柔らかな地で少女が寝そべっている静かな自然の優しさに包まれ透明なオーラを放つ少女

まるで私たちここに住んでるかのよう悦びの極地、そこにある安らぎ

まだ目を瞑っている老人誰かの影がそ ....
わたしは見た
立葵がゆれるのを
風の仕草を想いながら

わたしは見ている
だが今のものとは違う
ずっとむかし
でこぼこ道の端
夏草から抜きん出て
こちらを向いた
斜陽のせいか
ど ....
私の職場は十分お化け屋敷なのに
隣町で評判になっている
お化け屋敷のアトラクションに並んでみた

前に並んで仲間内で盛り上がっている若者が
この人一人で入るの? という目でチラ見する

 ....
 嵐の夜
 いく本かの北山杉が
 悲鳴もあげずに倒れた

 十四歳だった私が
 暗い峠を越えた山間地の
 北山杉は
 鋭く尖ってざわめいて
 無垢な翼を持った時代のおもいで

 嵐 ....
貴方と舌が結ばれないままに
呼びあえぬ愛し名は
予兆と非在の間に燃え立つ
痙攣する青薔薇
可能性を孕む
貴方の呼び名に
呼応が匂い立ち
対話が開かれる
此方から彼方へ流れる
絶えるこ ....
白い貝殻たちは
海にさらされた
うつくしい骨
空につるされた
ほねとほねは
風にゆられてぶつかり合い
連れ立って
清んだ音を生んでいる

望めば
とぎれることがないように思える
 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(8387)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Invisible奇候- あらい自由詩124-7-17
ハナアブ- 山人自由詩10*24-7-17
水辺の四頭の馬- 石瀬琳々自由詩9*24-7-17
鳥と歌う- 自由詩524-7-16
覚醒夢と無限- ひだかた ...自由詩424-7-16
日記(オカルト)- 岡部淳太 ...自由詩324-7-16
微熱- アラガイ ...自由詩8*24-7-16
ヒマワリ- ヒロセマ ...自由詩16*24-7-16
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処方箋- 涙(ルイ ...自由詩224-7-15
朱夏のなぎさ- リリー自由詩10*24-7-15
僕の遺灰を- 三月雨自由詩624-7-15
BASE- 自由詩424-7-15
ウネリ、カタチ為す季に- ひだかた ...自由詩224-7-15
The_Great_Gig_In_The_Sky。_- 田中宏輔自由詩6*24-7-15
砂の橋- リリー自由詩5*24-7-15
復讐の夏- soft_machine自由詩324-7-15
- 塔野夏子自由詩6*24-7-15
余韻- 唐草フウ自由詩5*24-7-14
鏡の中の私- 自由詩324-7-14
顎の下に揃う8枚の爪、夜に浮かぶ- 英田自由詩224-7-14
嘔吐を詰まらせて出来る沈黙ー絶叫- 英田自由詩224-7-14
五行歌、想い達- ひだかた ...自由詩324-7-14
未来から_始まる絵本_006- 足立らど ...自由詩324-7-14
カスミソウ- 陽向(2 ...自由詩10*24-7-14
見つめる声- ただのみ ...自由詩6*24-7-14
お化け屋敷に入る妖怪- イオン自由詩3*24-7-14
北山杉- リリー自由詩9*24-7-14
愛の完成-SSへ- 英田自由詩224-7-14
浜辺便り- そらの珊 ...自由詩12*24-7-14

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