公園通りを抜けたところで
突然、大粒の雨が落ちてきて
石畳を駆けぬけ
アーケードに避難した

濡れた前髪から
昨晩のヘアトリートメントのにおいが
密かにたちのぼる
フローラルウッディの ....
ぼくは忘れていない
あの日のきみ
瞳の中に
色褪せないように

時が流れても
忘れない

夢の中で
泳ぐようにして
きみに出会う
儚い
夢の中で

ぼくは忘れていない
約 ....
さざ波をそっと触ろうか
さざ波をそっとしておこう
年波に想い巡らせて
砂浜に背を向ける
一人旅です
分かってました
歩いてきた道のことは
一歩一歩
ただ踏みしめて
バス停までを歩きま ....
記憶の中に家があって
記憶の中に家族が居た
毎朝同じ時刻に
家族のような人たちの出て行く玄関は
毎朝違う場所にあった
ある日
家族のような人たちは
夏を連れてきた夕刻に
消えてしまった ....
男女が互いの卑怯を知り、傷を舐め合ったり
殺し合いに近いことをして、互いの醜さを知ったり
そう言うことが人間としての認識を深めていく上で
成長のための足掛かりとなる経験となったとして
良い大人 ....
風を誘い夜を酔わせて
瞬く余韻に溶けるもの
溶けて蕩けて目醒めては

熱気の空から降り頻る
雨 、

むっと時を淀ませ刻み込み
あの御巣鷹の空からすら
ひとひと哀しみ只々麻痺させ
 ....
雨がくる
雨が降る
気をつけて
あっという間に
やってくる

激しい雨
電車は止まる
車も浸水する
いたるところで
道路が海のよう
なすすべもない
こういうことで
大変なのに ....
黄色い花畑で
蝶よ舞い上がれと
言ってみた
色とりどりの蝶が
花畑から舞い上がり
青い空に染みた
わたしは
花畑に寝転んで
空を眺めた
月が光ったり包むように照らす記憶のない、まだはじまったばかりの夜だった。
顔の何処かで泣かないように空に瞳を任せていた。どこを見上げてみても
わたしが知らないだけで、星はやさしく奏でていたんだった ....
小さな町の女の子は
空を見たことがない
小さな町の住人に
割り当てられた空が足りない
朝陽が昇ると溶けてしまう
うす紫のバスに乗って
小さな町の女の子は
茨の蔓を採りにゆく
野茨つるば ....
世界が動いている
私も動いている
くるくるぐるぐる
脳髄廻りを思考の蠢き
月明かりの
雲間からさっと射す、

肉身の苦痛 始まる最中
ベランダに出れば 、

私の中か世界の中か
 ....
空間に
手を差し出し
ゆっくりと
上下左右に探る
けれども
存在する
はずのグラスは
見つからずに
からのからっぽ
だったはずの
空間は
次第にそれ自体の
存在を漲らせ
だら ....
今宵
閃光にうばわれた
満月は雲
火は華と化し、
秒速の命を生きる
あまたな人を幸せにするため

匂いを放つ 月光のうすあかり 
遠く遥か隣り街に 山の端を染め
火の華を 見下ろ ....
 或る季節風の朝
 街中でコートをひるがえし行く
 女の紅よ

 結ばれないと解っていて
 湧き出る胸の音楽に
 自分をすら見失う時
 陽光に己が肌をさらすことも出来ず
 根なし草の様 ....
昨年の陰謀論アワード第一位のネタは恐怖を国内に撒き散らすための囮だったという陰謀論が今年度のアワードランクインして物議を醸している。今や世は陰謀論フィーバー(古いなぁ)。僕の先生フィーバーは、いや、冗 .... ある寒い冬の休日の午後
裏庭にサバンナが置かれていた
誰かが昨夜のうちに
ダンボールの中に入れて
遺棄したのだろう捨てサバンナだ
今年の冬は
乾燥注意報が頻繁に出ているので
草丈の短いサ ....
時は途切れることなく
今を更新していく
ずっと同じところを
歩いている気がしても
進んでいるんだ

トンネルのカーブが続いて
先の見えない恐怖

いつか出れるんだ
生きていれば
 ....
コンコン、と
ノックはするけど

返事もしないうちに
入ってくるママ

机の上に
紅茶とお菓子を置いて

口をあけて
パクパク、パクパク

何を言ってるのか ....
  {ルビ蟷螂=たうらう}よ その身に棲まふ禍(まが)つもの おまへの腹はおまへを喰らふ


 小学生のころに、道端とかで、カマキリの姿を見つけたりすると、ぼくは、よく踏みつけて、ぐちゃぐちゃ ....
いもうとぶった手鬼喰った
泣いたらもうしねぇが言われ
もうしねぇと謝りゃ手が生えた
かかのかね隠してたら
鬼に銭を口に入れられた
溢れるほどの口の銭
もういらねと言っても
鬼は許してくれ ....
(遠雷まだかな
(どうして?
(だってうるさいんだもん!
ネリーさんは水でできてるみたいだね
(夏、だからね
ってほら
言ってるそばから排水口に吸い込まれちゃって
夏は濡れやすいから気を ....
バットにボールが当たる音
汚れたユニフォーム
校歌に応援歌
いくつもの物語と思い出
流れる汗と涙
を画面越しに見ている

親戚に人見知りしながら
エアコンの効いた部屋
枝豆とビール
 ....
 薄緑の歩道橋の真ん中で
 さざめく街の空中で
 立ち停まっている女を見た

 遠目で黒い日傘の女をみつめていると
 眠くなり汗がじわっと体を包む
 街の建物の間を
 車が川のように流れ ....
誰が言ったか知らないが
 言われてみればそんな気がする

            森田一義

  ※    ※    ※

女は言った。薔薇よりもあのマンションの方が良かったわ。と、
 ....
叢雨を
なぎたおす
台風の来ない
窓へ

風が吹くとき

それでも
窓を叩く音が
隙間から染み込んで
砂が石になってゆく

秒針を
あわせようとする
ちくたくと
この指で ....
高きから低きへ
流れるように


憤りの前の

ため息


それほど


無知に対して

知っているふりを

振りかざせるなら


水はいらない

勝手に
親だから

 ....
郊外に
佇み居る
きりすとさん
白銀の輝き帯びる
出で立ちにて、

今宵を照らし出し
いよいよ真白く微笑む満月の
太陽に自らを委ね明け渡す折図り
夜明けの空海✠から地平に沈み
濃密 ....
どんなに食っても俺は不満だ
どんなに食っても俺は不満だ
どんなに食っても俺は不満だ
どんなにファックしても俺は不満だ
どんなにファックしても俺は不満だ
どんなにファックしても俺は不満だ
そ ....
夏休みがくる

あの子がいますように

いや、いませんように


毎年 祖父母の家で暮らす夏休み

解放される天国の季節

いつからか

夏休みに必ず出会う少年

透き通 ....
下から見上げる近くの虹は巨大なアーチ
遠くに見える小さな虹は小さなリング
もっと離れれば雨水のあぶく
一転
薔薇の色は多彩血の色は赤一色
ひたすらに薔薇の破片を足で踏む
我々は虹に興味はな ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(11088)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
通り雨- そらの珊 ...自由詩14*25-8-13
忘れない- 自由詩425-8-13
長い旅- 降墨睨白 ...自由詩6*25-8-13
マヨイガ- ちぇりこ ...自由詩18*25-8-12
大人とは、なんだろうか?- 鏡ミラー ...自由詩6*25-8-12
さがうしお- ひだかた ...自由詩725-8-12
線状降水帯- 自由詩8*25-8-12
青空- 降墨睨白 ...自由詩8*25-8-12
遠くて近い(夏の夜に)- 唐草フウ自由詩16*25-8-12
small_town_girl- ちぇりこ ...自由詩14*25-8-11
詩想、とにもかくにも(改訂)- ひだかた ...自由詩825-8-11
わんすもあ、よひのくち- ひだかた ...自由詩925-8-11
_華火__- 月乃 猫自由詩14*25-8-11
花になりたい- リリー自由詩9*25-8-11
いいよ、もう、全部陰謀論で- 降墨睨白 ...散文(批評 ...5*25-8-11
サバンナの掟- ちぇりこ ...自由詩10*25-8-11
トンネルの先の光- 自由詩625-8-11
虫。- 田中宏輔自由詩12*25-8-11
蟷螂_。- 田中宏輔自由詩11*25-8-11
なまはげ- 降墨睨白 ...自由詩7*25-8-10
夏の終わりのネリーさん- ちぇりこ ...自由詩15*25-8-10
夏休み- 自由詩7*25-8-10
歩道橋- リリー自由詩17*25-8-10
我々は薔薇に興味がない- 降墨睨白 ...自由詩8*25-8-10
8月- wc自由詩10*25-8-10
- wc自由詩8*25-8-10
サンバースト- ひだかた ...自由詩725-8-9
正気の王者- 鏡ミラー ...自由詩8*25-8-9
あの子のいる夏- 花野誉自由詩15*25-8-9
我々は虹に興味はない- 降墨睨白 ...自由詩3*25-8-9

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