日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく

小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
死んだものたちの魂が集まって/ひとつの声となる/わたしは神を吐き出した/神は罅割れた指先で/日割れた地面を引っ掻いた/川原の石で頭を叩き潰された小魚たち/小魚たち/シジミも/ツブも/死んだものたちの魂 .... たどたどしい指が生み出す
バッハのプレリュードを
小さな鉢植えに収まったサボテンだけが
棘をかたむけて聴いている

他の観葉植物は枯れて
手元に残ったそれは
巣立っていった息子が置いてい ....
ハロー
こんにちは
顔の無い自分の
顔の部分について考えている
なぜか?
非常識だからだ
洋服を着た
からだだけがピンポイントに
ぺたんこになって地上に映し出されていた
これからもわ ....
少女たちについて
携帯電話をすばやく
両手でうちこみ
笑顔と無表情の
隙間から歯を見せ
歯ブラシを
そこにつっこみ
恋人ではない
おとこの名前を
うがいするような
少女たちについて ....
ODなんて体に悪いよ~ぅ
って言われたりするけど
体に良いと思って
ODやってる人なんていません。
酒も煙草も同じでしょ?



「うん、わりと平気」



ケモノ達が
悲鳴 ....
生まれ変わって、小さくなって、街でかわいい服を少しだけ買って、少しだけ仕事して、たまごボーロ分け合って食べて、少しだけの恋愛があって、少しだけ争いと仲直りがあって、春が来て夏が来て春が来て冬が ....  よい父は、死んだ父だけだ。これが最初の言葉であった。父の死に顔に触れ、わたしの指が読んだ、死んだ父の最初の言葉であった。息を引き取ってしばらくすると、顔面に点字が浮かび上がる。それは、父方の一族に特 .... 雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す

つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
 ....
 あの……おれ、夢見るんですよね、海の。ときどき夢のなかに海がでてきて、おれはサーフィンやってるんです。でっかい波にのってると、そのままヒューッて空に飛んでっちゃったり……あと……パイプ・ラインのなか .... 目の前に一本の道が現われた。

この道を行けば、海に出る。

ほら、かすかに波の音が聞こえる。

見えてきた。

海だ。

だれもいない。

天使の耳が落ちていた。

 ....
雨は降ったり止んだり降ったりで
四季のある国のひそかなもうひとつの季節

室内干しの洗濯物
取り込むまえに
ちゃんと乾いているだろうか、とさわってみる

乾いているようにみえても
繊維 ....
虹を作る
その生き物の背中には羽があって
だけどそれは
空を飛ぶためのものじゃないらしい
六月の晴れ間を見つけると
庭にぴょこんととびだして
霧を吹きかけて虹を作る
小さな生き物は
小 ....
 手をコピーする。左手をコピーして、右手を
コピーする。腕をコピーする。左腕をコピーし
て、右腕をコピーする。顔をコピーする。光を
見ないように、目をつむってコピーする。肩と
胸をコピーす ....
空へ空へ
伸びる茎
光を光を
求めて
枝分かれして扇形になった
それは
小さな木々のよう
草はらに
明るい森を成している

海の向こうからやってきて
異国の地に根をおろした
覚 ....
夏陽がじっくりと焦がす
白い坂道の曲がり角
大樹の木陰、繁り合う枝葉
セミの声
見上げる少年と虫捕り網

身体を揺らしながら
爪先立って手を伸ばす少年
ぼくは坂を下り  ....
傘からしずく泣いている気がしたら明日は晴れると信じてみよう

白い卵(らん)ドアポケットに並んでる賞味期限のラベルを貼られ

小さくて青い魚は群れており短くなった夜の水底

ワッペンの裏に ....
かたつむりの王は
水辺で嘆息する

今回も失敗であった
ヒトに寄生することは容易だが
操ることも難しくはないが

あやつらは海に帰って来ぬ

一方、地上では
一人のマッドサイエンテ ....
青りんごは自ら枝を手放して
地に落下した
それは手のひらにすっぽり包まれるほど小さく
人が食べ頃だと思うには到底未成熟だった

わたしにもっといい耳があれば
落ちた理由が聴こえたかもしれな ....
つい、さきほどまで
天国と地獄が
綱引きしてましたのよ。
でも
結局のところ
天国側の負けでしたわ。
だって
あの力自慢のサムソンさまが
アダムさまや、アベルさま、 ....
刺激を受ける事で
感覚を呼び覚まそうとしている
消費されていく日々我々の中で
自らに使命を施したいと
必死にもがきながら

文章が過去であるなら
朗読は現在であり、
本当の詩は
朗読 ....
今朝、弱い人間を殺し
私は生まれ変わった
過去から続く同一性が嫌でならないからだ
頭で考える過去現在未来ではなく
魂の呼び声 本当に「今」というポイントに集中する
なぜなら、頭で考える過去現 ....
声が衰えただって?

ここが頂点で、
ここが始まりの都市だ!

そして何が良いかという基準を乗り越えるソウル

再び叫び 明るい叫び

切ない歌声で 思い出に浸れるなんて俺は信じない ....
 グミ

どうぞ、と差し出された袋のなかには
色とりどりのグミ
お祭りみたいにひしめき合ってる

青いのをひとつ
取り出して
口に入れる前に電球にかざす

ママが言った
海の色を ....
ホームセンターで
小さな紙袋に入った花の種を買い
土を入れたふかふかのプランターにまいた
ねずみ色の日々の傍らに
きれいな花を咲かせたかったのかもしれない

庭のひなたに置いたプランターに ....


どの、骨で
鳥をつくらうか。

どの、骨で
鳥をつくらうか。

{ルビ手棒=てんぼう}の、骨で
鳥をつくらう。

その、指は
翼となる。

その、甲 ....
I あがないの子羊



I・I 刺すいばら、苦しめる棘


その男は磔になっていた。
目は閉じていたが、息はまだあった。
皹割れた唇が微かに動いていた。
陽に灼けた身体をさらに焼 ....
いまはもう中心部からは消えてしまったが
都市の周縁部にはまだ電柱が立っている
電線が宙を何区画にも複雑に分割している
ひとつひとつの空色のピースは同じ形をしていない
再開発を諦められた地区の空 ....
今年もうぐいすが鳴いた
うぐいすが
うぐいすであることを誇るような
透明の声は
命の分身
離れてしまえば
もう本体に戻ることはない
永遠に

たとえば
意に沿わない風にも
うぐい ....
新じゃがいもをたくさんもらったので
ご近所さんにお裾分けした
お返しに、と
果物をいただく

蜜柑のようでちょっと違う
きめ細かいすべっとした黄色い皮は薄く
手でむけそうだ
現れた果実 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(8387)
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陽の埋葬- 田中宏輔自由詩14*23-7-3
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第八都市- 狩心自由詩123-6-9
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アカザ- そらの珊 ...自由詩5*23-6-7
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黒い光輪。- 田中宏輔自由詩11*23-5-29
埋設- ゼッケン自由詩323-5-28
うぐいす- そらの珊 ...自由詩8*23-5-24
到来物- そらの珊 ...自由詩9*23-5-23

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