口ぐせになっている
おとなも
こどもでさえも
何かと言えば口にする

死ぬほど頑張ったのか
どれだけ努力したと言うのか

口にすればするだけ
逃げていってしまうものがある

それ ....
頬づきの
われた視線 くびる

つけた 前髪敷く

地下に ひらいてる窓
写ってる 引き戸

つつぬけの
息 熱く ガラスに

かかしのように 突っ立って
だけだって 咲いてい ....
目次

【 電流の魚 】
【 蜂の巣ピーカー 】
【 細胞の蛇 】
【 卵形UFO 】
【 太陽の網 】
【 シンデレラ・ワイン 】
【 花モグラ 】
【 点々バラバラの地球 】
 ....
やっぱり残業してから見舞いに行くと
二十歳の彼が仕事を続ける
おじいさんの入院で家族も忙しいのだろうが
今 自分が抜けたら仕事も大変だと見極めた
この二年近くで働き 大人になったなと思う

 ....
芸術が権力を持ったとき
自ずと芸術性を失うだろう
ジャーナリストが権力を監視するように
芸術も権力と反目
成功した芸術家が
安全な場所で表現したところで
何の感動もない

目に染みるよ ....
殆どの人間が
近視か遠視だ
もしくは目がない
目が飛び出して
破裂しそうな奴もいる
無論、私もその一員である

私達と世界の間には
電子機器の画面や書物
カメラのファインダーがある
 ....
神が引きあわせし
おぼし召しか
地下に沈んだ
鈍色の界隈の中で
二つの魂は出逢った


強く惹きあう
その穢れなき愛は
至高の芸術を
求めあい


深く
深く
蒼い情感の ....
身体の一部すら
はみ出ることは許されない
ひどくあいまいなラインの向こうに
全身全霊を傾ける
彼の仕事場がある

ピッポが飛び出す
勝利を求め
スーペル・ピッポ
いつだって彼は
ラ ....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように

五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し

もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
(楽園や、シロップの甘さへの不信から)

 ・「福音以前に罹患したマゼンダへの飢え」
c.架ケル-トno.音'E-椅子"とイーゼLine.U字の筆chill美ノ緋と
三,lk-日月- ....
            はり裂けそうな心を

            そっと胸から剥がして

            激しいROCKに浸してみる

            ドラムの振動に
 ....
星、吸う'p カ-rテンレール越しの 灯り アルカリの
吐露 'Eの汽車の 或る一室に看る夢は揺り篭の 姫林檎
rin-音/g-0の鈴と フルートの寝息/fldの 緋化学的な'r  ....
緑の中に緑がある
夏の中に夏があるように
それでも私達の中に
私達はないのです

緑みなぎる緑を
じっと見つめてください
あなたがもし
緑のない砂漠の住人ならば
記憶の底にある
緑 ....
何の為に生きているかなど
問うた事はない
私達はこの時を
しかと掴んでいるのだから
何の為に生きているかなど
問うた事はない

一つの爆発としての理由
爆発する前に何かあったのか
そ ....
俺はコックピットを携帯していた
その中に座るリカちゃんが足を組んで
仕事に疲れた男達の死んだ目を
刺激的に舐めた
人を殺したいと考えていると
人相もそういう顔付きになって
疲れた男達の汗臭 ....
切符を握った手が濡れてきたから
てのひらを上に向けて解放してやった
そうしたら切符は川になって
行き先はすっかり見えなくなっていた

川は
僕だけが感じる速度で流れ
薬指、から滝 ....
自分が否定されない場所に逃げ込んだあなたは
人に干渉しない場所に逃げ込んだ
特に些細な事では感動しなくなった
今にも崩れ落ちそうな自分を
冷静であるかのように装った

あなたは文字を書き始 ....
召し抱えてください私を!
貪欲なるままに隠したナイフをの手をの目を
血で染め上げた手を
目をの手で
目に闇雲の蜘蛛をぶら下げて
キーホルダーに蜘蛛の目を
手をの目が手でのキーホルダーを握り ....
人と人
国と国との摩擦を秘めた
力を擁護した悪魔の邪悪を
小さな体で受け止めた
天使のような女が一人
光の少女から
大地の母へと
変わり始めた朝に
血みどろになった指先を
緑の子宮口 ....
膨れ上がったお腹を擦る
ただ単に太っただけだ
そうか、もう私の中に子供はいないのか

歩くだけで一苦労だ
足の横には義足、義足の横には杖、杖の横にはバイク
バイクの横には自動車、と言いたい ....
あらゆるものから離れて佇む時
落ち葉のソファに横たわる
この皮膚感覚だけが頼りだ

あらゆるものは絵画の如く
静止している
そこに漂う空気は氷のように張り付いて
追いかけてきたものを思い ....
落葉がそぞろに風にふかれ
雲は青く高い空をゆく

うらの{ルビ小径=こみち}の縁石に腰をかけて
杉といっしょにゆれている

夏の{ルビ遺言=いごん}は朽ちることなく
静かに実 ....
声にならなかった
あらん限りの力を込めたはずなのに

例えばそれは
孤島に取り残されたおとこがひとり
遥か水平線に見え隠れする
船影を
蜃気楼だとはなから諦めているかのように

もし ....
ジャンプして、アタックする
すべり込んで、ボールを拾う
宙に浮いたボールが一言、ギャグを言う
「布団が吹っ飛んだ」
選手も審判も観客もみんな一斉に
吉本興業の新喜劇のように転ぶ
その間、ボ ....
鋭利な湖面をすべってゆく
一艘の小舟
私は黒布で目隠しされたまま
なすすべもなく横たわっている
風 感じるのはすべて風
重い水をかきわけて
舟はゆるやかに進む


盲目の私の世界に響 ....
増水の ために

すっかり 荒れはてて しまった

堤の かよって ゆく なかを

猫じゃらしを 噛み ながら

草ひばりの 音が ほそぼそと つづく

すすき野原を  ....
 
蝉の鳴かない朝でした
胸の端からほどけてゆくひかり
できたばかりの海は睫毛に乗る軽さ
静かに浮かぶ顔に人知れず声を燃やす

髪を結んで横たわる
約束、と呟いて水より生まれし数字を ....
二十歳の黒髪のような、
ブルックリン橋から、曙橋を繋ぐ空が、
未踏の朝焼けを浴びてから、
青く剥落して、雨は降ることを拒絶した。
とりどりの青さを、さらに青く波打って、
空は、傘を持たずに、 ....
          水に挿した青磁器を彩る

          切り裂かれた花々たちが

          私に{ルビ現在=いま}の終わりを告げる

          過去の栄華を断 ....
夏の名残を雨が洗うと
淡い鱗を光らせたさかなが
空を流れ
ひと雨ごとに秋を呟く


九月は
今日も透明を守って
焦燥のようだった熱や
乾いた葉脈を
ゆっくりと
冷ましながら潤ませ ....
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