満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る

私は膝をかかえ
天を ....
目覚めのとき、夢の表象が、広がり続け硬さを増す内部へと吸収されるとき、あらゆる色を超えた色をした薄片に、「犬」がそっと重ね合わされる。押し寄せてくる覚醒の光や事物、そして世界に対抗して、私は「犬」の重 .... 名古屋から来た君は
動物園通りを抜けて
髪の毛ぼさぼさで
連絡を待つ
ろくでなしの
連絡を待つ

ろくでなしは
その時ある一つのやさしさに抱かれていて
抱いていて ....
透明と漆黒の間
無限階調の青い温度を
滑らかにはばたく
マンタ
重力は知らない
裏返り、途絶えてゆく
浮力の哀しみだけを
白い腹に秘めて

辿りついた系譜は
争い合う知識ではなく
 ....
森を歩く
一人きりで
冬の森を
霧雨の中を

凍える手は
いばらをつかみ
血が流れる
痛みを胸に

胸の痛みは
置いてきたもの
馬鹿から始まり
今は世界
 ....
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど

なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
 せまいワンルームマンションの一室で
 独り耳を澄ましている
 街の喧騒は遥か彼方で
 過ぎ去りし月日が俺の後頭部をくすぐる
 
 失くして戻らないものは数知れず
 今だにエンジンのかから ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね 
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
彼は 物書きだった
彼は古いランプを持っていて

ほかには何も持っていなかった


紙も
ペンも

なにも持ってはいなかったのだけど

彼は物書きだった


パリからオルレ ....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
近くにあった声はない
やがて離れてゆくだろう
測られてしまった熱の
裏側で泣いている

あなたの深海は
絵で書くことしか許されていない
響けと声に出して
膜張る潮に浸されながら
船の ....
?…


 その子供は「羽が生まれつきなかったから飛べなかった」と言うのですが、羽など誰にも見えるものじゃあない
。じゃあ、青年はその子に尋ねました
「君には他の人に羽があると思う?」
す ....
倒れたからって
いつか倒れるんだから
なんの問題もない

みえなくなっても
いつかみえなくなるんだから
逆らわない

動かないのか
動けないのか
はっきりしろ

寝たままで
 ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに


アイ ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている

わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
 ....
あの日
砂利道で蹴り上げたものは
小石 なんかじゃなくて
はっきりしない哀しさだった

どこかに行けそうな気がするのに
行くべきだと思うのに
どこにも行けない自分だった

何 ....
チャーリーブラウンは後退なんかしない
あの頃に踏みとどまっているだけ
英語の勉強になるならと
無理して読んでみたけれど
やっぱし後退なんてしてくれなかった
それがリアルってやつ
細い線で描 ....
       1

鎖骨のようなライターを着火して、
円熟した蝋燭を灯せば、
仄暗いひかりの闇が、立ち上がり、
うな垂れて、黄ばんでいる静物たちを照らしては、
かつて丸い青空を支える尖塔が ....
みなさんどうしてそんな顔してるんですかと
もう猫も言わない
電車はいくつもの死体を引きずって走る
国民みんなにワライダケを月一回配給すればいい
ついでにあんこにくるんで北朝 ....
夏の僕らに
色をつけるなら、たぶん
それは透けてゆく、ライトブルー

てのひらに載せた水を打ち上げると
はじける あなたの 歓喜、にも似た
飛沫が 止められない光を集めて
虹を降 ....
 詩と詩論
〔序〕
 27のとき詩人になりたいと思い立った。その頃小説も短歌も翻訳もやっていたが、最もなりたかったのが詩を書く人であつた。詩を熱心に読むことが好きだつたせいでもあろう。
 大学へ ....
はじめて声を上げる。はじま、りの、はずか
しい過去を背負ってまで、橋を渡って喉をふ
る、ふる、ふるわせる。てえぶるの、表計算
の、[枠]の中に囚われ、ていた酸素の、また
《二》酸化炭素の、見え ....
とってのこわれたカッター
囲まれたからおとなしく
折れたら折れた先で
汚れていく
自分と自分以外の事

時々 ねだるように
捨てられないだろうと
机の隅で 灯りから
はみでる

 ....
あはれ女の妖かしは
されど現の恋か知らん
まるで豚の子を産んだ
素知らぬ顔の母の様
嗚呼待てど暮らせど来ない人
足が地へとへばり付く
そこから地下へと根が生えて
私の血が水 ....
   

   【ア段】



愛していると仰るの
買われましたと言い返す
去り行く今夜違う背中
たちんぼの我を見つめよ
泣き言啼き声なんでも出せる
はめられるのかはめ ....


君は 泣いて




戸を閉めて
二人はもう一度夜を創造する
血 を ながして




ひ か り
二人が生んだ夜を
野蛮な 夜を 漂白する  ....
「女の人生はまるで芝居だ」と云ふ貴方
貴方は分かったように云ふけれど
命を賭けた名演技
貴方に添うその女も
科白をなぞっているだけよ

乞い買われて
飼いならすかのような錯覚 ....
春めくのか夜になると
もぞもぞするもの
それは
あなたのつくしんぼう
今夜のわたしは疲れているのに
背中を向けた闇のなかで
何かを探し蠢いている
辛抱が足らないから
貧乏なのか
芯棒 ....
浮かび血 筋の
動静見つめた
きっと 水平の遥か
訊かれた セイレン
笑いながら 潜る
気付かれた 痙攣
目に宿る痛みに
幾日後かの陸地
埋められてゆく 
砂地の中に 明日 遠く
 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(11086)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
座標- LEO自由詩42*07-2-2
犬をめぐる文学的断章- 葉leaf自由詩9*07-2-2
水の在るところ- 水在らあ ...自由詩36*07-2-2
ホバリング- 佐野権太自由詩19*07-2-2
半獣神- 水在らあ ...自由詩15*07-2-2
苺愛歌- Rin K自由詩36+*07-2-2
一番輝く星- 山崎 風 ...自由詩9*07-2-2
踊ろう- 水在らあ ...自由詩27*07-2-1
ベルセーズ- もも う ...散文(批評 ...13*07-2-1
チャイナタウン- 恋月 ぴ ...自由詩28*07-1-31
ふたり- 水在らあ ...自由詩35*07-1-30
涯て- 及川三貴自由詩7*07-1-28
情景、雨宿り- 結城 森 ...自由詩2*07-1-27
日々に- 砂木自由詩13*07-1-27
アイ・マイ・ミー- 恋月 ぴ ...自由詩36*07-1-27
ふゆのさかな_・1- 銀猫自由詩40*07-1-26
そして、歩いてゆく- さち自由詩20*07-1-25
チャーリーブラウン- 恋月 ぴ ...自由詩29*07-1-24
浮遊する夢の形状____デッサン- 前田ふむ ...自由詩27*07-1-24
ちくしょう- 水在らあ ...自由詩38*07-1-24
蒼透色- Rin K自由詩30*07-1-23
詩と詩論(その一)- 生田 稔散文(批評 ...15*07-1-23
産声- 岡部淳太 ...自由詩6*07-1-22
こわれたカッター- 砂木自由詩11*07-1-22
狂女、ここにあり- なかがわ ...自由詩3*07-1-22
かしらもじ- なかがわ ...自由詩5*07-1-21
富士山- 水在らあ ...自由詩23*07-1-20
女の一生- なかがわ ...自由詩5*07-1-19
つくしんぼう- 恋月 ぴ ...自由詩32*07-1-18
身体から飛び立つ鳥- 及川三貴自由詩3*07-1-18

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