わたしはわたしの詩の中から
書いているわたしを見つめていた
ある日それは贅肉を削ぎ落とす行為
やがて臓器を切り売りして
かつて愛したものの首を絞め
部屋中に灯油を撒いた
見限ることにしたの ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
  朝礼


フロアの中心に固めた事務机の島を囲むようにして立ち
輪番制の司会者のもとに
一人ひとり何事かを発声することが期待されていた
しかし外線が鳴ると朝礼も一時中断して
近くのだれ ....
黄と橙色は
とてもよく似ていて
それはおそらく
同じ季節を生きているからだ、と
ふと思う
遠い山並みを眺めれば
それは混色されて
日び
上書きされていく
油絵のようだ
厚塗りされた ....
久しぶりに息継ぎしたら
歯磨き粉みたいな
ノスタルジイが
喉に染み渡った

垣間見た空は遠すぎて
その場限りの
センチメンタルなんて
届きそうになかった

きっぱりと反転して
 ....
うるむゆきのはざま
ぬれ落ち葉にそっと載せた瞳の過食
遠く翳る今を汲む オト ノ
のたうつ沈黙
噛み締められた貧困が小走りで吹き渡る
さざなみのような オト ヘ
欹てては刎ねられたこの両耳 ....
焼焦げた詩に辺りが拒まれる朝

幾つもの数字を突き立てられ
中東事情から抜粋された
金の卵を産むカラクリを
羽の生えた大らかさで
目ざとく 錯覚する

机上の空論も
過剰な言論も
 ....
NUE(鵺)


猿の
  小賢しさと
狸の
  強かさと
虎の
  素早さと
蛇の
  執念深さが
艮の
  夜空で出逢う時
人の
  内の矛盾は
闇の
  中に ....
僕の感性はあなたを非常に魅力的に感じ、欲していますが、
僕の理性は沢山の証拠を持ち出して、遠ざけようとします。

深く関わり合った事を消す事はできませんが、
思いと現実が違うように、そう、それ ....
僕において、「主体」「他者」とはなんだろうと考えることがある
他者を成り立たせているものの前提には主体があり、他者により到来するもの
としての主体がある
でも、この主体は何によって獲得した ....
コストを如何に抑えて、良いものをつくる、その成果が商品として、私たちの前に並べられます。その商品としての特質として、人命尊重は、何番目なのでしょうか。それというのは、私たちは、人命尊重第一主義の社会に .... 【あたらしい一日】

ところで
どこともなく金木犀の香りがして
新しい季節の梢で すずむしが
昨日より すこしスローな音色の 今日を謳う

ところてんしきに
としごろてきに ....
新米を握る母の手は
燃え始めたかえでのように色づき
かぐわしい湯気を蹴散らしながら
踊ってみせる
熱いうちに握らないと
美味しくないのよと
まつわりつく子に言いながら

端をほんのわず ....
強烈な風雨を受けて
折れてしまった月下美人の葉を
何気なく水に差しておいたら

根が出た

その後も根は伸び続け
葉のくぼみに蕾をふたつつけた

さすがに花を咲かせることはなく
 ....
大切な約束をしたことを
いいかげんなわたしは
いつのまにか
忘れてしまった
むきだしのアセチレンランプの猥雑さざめく夜市
腹を見せて死んだ金魚は
臭う間も与えられずに すばやく棄てられる
 ....
わたしはピアノなのだろうか
誰かが
わたしの蓋が開けたら 喜ぶだろう日に
開け放たれたの

なのに あなたったら こころが ふらっとにのっちゃって
わたしをメゾピアノにもさせないで
わた ....
長雨が降りしきる
深い森と濃い霧に
おおわれる
絶海の孤島に
もう遠い昔
誰も知らない
猫たちと
鳥たちが住まう
千年杉がありました

樹齢千年を超えて
鳥たちがさえずる
杉の ....
{画像=140920123249.jpg}




*

あなたはわたし わたしはあなた


愛を頂戴、毒をあげる。
言葉を頂戴、嘘をあげる。
声を頂戴、棘(トゲ)をあげる ....
ぼくらは言葉を繋げて
この暗い宇宙を何処まで渡って往けるだろう
一冊の詩集が時を越えることは
真空パックの棺が難破船のように
意識の浅瀬に漂着し鮮やかに燃え上ることだ
死んだ詩人についての{ ....
【また きます】


「雨が降り始めましたから
みなさん もう いそいで 降りてください」
と云われて 震えた
そういわれて わたしは いそいで 
その場を離れてしまった

ほんとう ....
育てた罪を持って市場へ行った
飢えていたから金が
欲しかったのだ
金があれば食える
食えば生きていける動物に
僕はなりたいのだ


老練な仲買人は言った
自分で育てた罪なんか
売り ....
さよなら さよなら
季節は足早に過ぎ去って行く
あの頃の思い出も見上げた空の色も
今では遙か黄昏の彼方に

黄昏よ
いつの日もおまえはそばにいてくれたね
どんな時もその光に包まれれば
 ....
いくつかの
起承転結が
たとえば
レース編みの
小さな花模様のように
点在しているような
ひざかけを
(今朝、突然に秋が来たので、
 それが不意打ちであったため
 タオルケットだけの ....
破水した光の{ルビ枝垂=しなだ}れ
終わらない夏の囚われ
わたしは煮え立つ釜のよう
せめぎ合いの果てに溢れ出す

      
しろくのけぞる
      朝顔のうなじ 
       ....
砂漠でプールのチケットを買うような日々
ラクダにのったダフ屋が 指を三本立てる
市営プールじゃあるまいし
いまどきたったの三百円だなんて
ダフ屋は首をふって
金ならいらない これが欲しいんだ ....
ROKUROKUBI (ろくろ首)


夕暮れの観覧車に
絡みついた
わたしを解いて

BMWの助手席に
しがみついた
わたしを引き抜いて

あなたの吐息と唇が
辿った
 ....
あなたは 年老いた家の姿を見たことがあるか

台所からは 骨と皮だけになった皮膚の隙間から
食器と血が 毎日滑り落ちて死ぬ音

骸骨のような運転手になった父が
赤信号のまま 車を通 ....
なかなか膨らんでくれない風船に
飽きもせず息を吹き込み続ける
何処かに穴が開いているのを知りながら
滑稽な独り遊びを止めることが出来ない

春には妄想を咲かせて散らして
夏には傷痕を弄 ....
愛やら哀や食傷小町
茄子を揉み揉む{ルビ外法=げほう}のスアシ
アブラ{ルビ帷子=かたびら}文系ソバカス
{ルビ瞬=しばた}くひゃっこの黒蜜{ルビ空=から}して

{ルビ琴=きん}やら{ルビ ....
夜空が見せる死へ
立ち会えば
人は願いごとをするのだというけれど
想いに比べれば言葉はもどかしいだけで
現実にはそんな暇もないほど
許されている時間は
まるで人生のように短く
まばたきの ....
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