無数の甲虫が這いずり回り鋭い牙をカスタネットのように鳴らしながら俺の皮膚を食い破り体内に侵入する、乱雑に食い荒らすせいで俺はまるで使い込まれて捨てられたズタ袋のように大小様々な無数の穴で埋め尽くさ .... お祭りの命懸けのおめでたさも
思考抽象化の濾過じゅんかも
体験し尽くしてこそ

  人生の美酒 、

呑み干し心残す処無しと 。
君から出られない
息は できる
天窓には触れられる でも
くぐるにはどうしたって 想い出で肥大した頭が邪魔なんだ

君を壊さなきゃ出られない
恋で肥大した自分ごと砕く覚悟は
まだ、無い。 ....
昨夜の嘘はあなたには通用しなかった
思考の引き出しにある秘密が小さく震えるのを抑えきれず
あなたの唇が弱いところに触れると思わずこぼした
照準は1ミリの狂いもなく急所をとらえ逃すことなく
脳天 ....
時々
人知れずつぶやく
「捨てる神あれば、拾う神あり」と
時々
晴れる

時には、
捨てる神と拾う神が同じ神の場合もあるだろう。
時々、自分のことを
捨てる存在が自分の時もあるだろう ....
恋わずらいの人魚に声を貸した
異形がしあわせになるのを見たかった

吟遊詩人の夢折れそうなカラスから声を借りた
喉を巧く操れば 最高に扇情的な旋律が紡げた

人魚に貸した声は戻ってこないだ ....
一滴の水は川となり海へと続く
きみへの想いを流し
その名を呟やいた

きみは白く乾いた路を選ぶと言う
その純潔が硝子のように突き刺さり
片翼を失った鳥のように飛べなかった

埋火に火照 ....
   「何回だって言うよ、世界は美しいよ」
             (羊文学「光るとき」)

九月、未明の町は
ひんやりとして
青いベールに覆われている

ずっと乗っていなかった
自 ....
「死ねや死ねや。死にたいなら、死ねや」
と信長の如く唱えるタレントがいて
「死にます、死にます」
と易々と従う国民がいる。ンなアホな! 安い国ニッポン。
なんの捻りもない。ありのまま、そのまん ....
根なし草だった私が、
根を張ったのは
夫でした

夫に寄生して
ほとんど養分をもらうばかりでしたが
ほんの時たま
養分を還流できたと思っています

例えば、バーバーのアダージ ....
ぼくは何処まで行くのだろう

できればアンドロメダまで行きたいな

幼い頃のプラネタリウムの想いで

今でもゆっくりと誘うから

やがて逝くのを待っている
半月、宙に輝き在り
肉体、疼痛の際に苦っ

あゝこんばんは今晩も

別れた妻も子ども等も
こんばん同じ半月見入る喝
道にこぼれた水みたいだ

自分の事をそんな風に感じて

所在もなく目をつむる

心臓は脈打ち

息をしている


ここにいる

その事は

どこに行っても

同じだろ ....
その
命に
救われている
私の命
しんとする
私の
闇と光の深さは
私のいのちの深さと
つながっていて
深ければ深いほど深くなる
組織の飼い犬がビルから落下し凄惨な死を遂げた。その跡は通勤電車で誰かが溢した酒のようにベタついていたが次々と踏まれて下足痕で上書かれた。素直に弔おうとすれば同じ志のはずの誰かは必ず組織のスパイだ。散り .... 足から冷気が這い上がる
私の友達のことを思う
冷たさが自分を罰しているんだって
私の根拠の無い救いの罰を
私は、私は、私は
こうして生きて君のいない夢見心地の
空間に何を見た
私、ずっと ....
森の匂いがした

渓を彷徨い歩き

釣り糸を垂れる

{ルビ生命=いのち}の重みを感じ

釣り人はそっとため息を吐く
白銀の氷柱
ずんずん伸び広がり
揺れ震えながら
やがて静止する処に

 暗む青紫の花 、

ぽっと一輪咲き開く
冷え切った大地に
やがて打ち付けられ
亀裂の力動の悩ましく
振動の ....
映画館の小鳥の絶壁。
小鳥の絶壁の映画館。
絶壁の映画館の小鳥。
映画館の絶壁の小鳥。
小鳥の映画館の絶壁。
絶壁の小鳥の映画館。

球体の感情の呼吸。
感情の呼吸の球体。
呼 ....
私は、ただ、彼に、私を見て貰いたかった


私が本当に恐ろしい化物だとしたら
あんな小さな薄い傷で終わらせる訳がありません
彼を必ず仕留め、ズタズタに切り裂き、高笑いをしたでしょう
 ....
ぼうっと青い炎のなかを
歩いている気がする
すれ違った人と
来世でもすれ違う気がする

行ったことがない砂漠の
夜明け前と
同じくらい青い気がする
会ったことがないあなたの
髪の毛と ....
こうえんの隅に描かれていた、
てんしの横顔を見て、

「祈りという文字は、ずきずきするから、いのり、へとひらかれていく、」

と、書きつけたくて、あたしがノートをひらくとき、

回転扉の ....
 浅瀬、少し水に浸かる
 動かしえない程に固形化して
 微かに、揺れていた

 さざなみに瞼が閉じて、
  浮かぶ影に

 横切る、淡水魚に
 捕まえられる、その光景は

 いつ ....
月雲を渡り夜を越える
原付きのオイルの匂いが公園を覆う
季節外れの猫がこちらを見ている
振り返ってもまだ見ている
深夜のガストは安全地帯
ボオっと浮かぶ夜の島
猫型ロボットがソフトクリーム ....
ぼくは生まれながらのアホで
電話番号を間違えた
何処に連絡しても繋がらない

秘密にしていたけれど

現フォーを見ていた妻が
何しているの? 失礼じゃない! と
苦言を吐いた

一 ....
夕暮れ
公園で
重なることのなかった影
夜に滲むまで佇んだ

ボールを蹴る音や
笑い声も消えて

ベンチにやってくるのは
大人の時間さ

ムードが僕を追い出して
帰り道
細い ....
そうであるもの
のそっとそう横たわり
いつか僕らが憧れ感触した
あの生動する普遍の大洋
そうであるとしか云いようなく輝き拡がり

 幾何学模様に走る銀鱗の粒やかな響き光り
  銀の煌めき ....
あなたは
柔らかな布団を握りしめ
誰かの存在を抱き締めるかのように
ぐっすり眠っている

二世の誓いも
三世の契りも
いりません

二番目の女でも
愛してるじゃなくても
好きだよ ....
とても土のにおいがする花壇で
先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた
お母さんは泣いてた
僕はまだ小学生で
マリーゴールドを眺めながら
図鑑で見た
花の構造を思い出していた
茎、がく ....
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