「あいつどこ行ったんだろ」
「ずっとオニやってたもんな」
「怒って帰っちゃったんじゃないの」
「あいつヘンジンだからな」
「もうそろそろ帰ろうか」
「帰ろ」「帰ろ」
「それじゃ」「また ....
{引用=
 たわむほどに忍ぶ
ユリの葉は、こらえきれず
重き玉露を 弾いてみせた


 その 砕ける音を
耳にしたような気がしたのです


 千夜の しののめ
いさめらしきものを ....
「夏の空気が
彼の似姿になって
見えるものよりも
見えないものを覗かせる


夏は
懐かしいことも
哀しいことも
それから
思い出したいことも
呼んで来てくれる


彼と見 ....
{引用=
到来は 雨月の{ルビ小夜時雨=さよしぐれ}
遠くに{ルビ鳴神=なるかみ}もあらぶるよう


昔は今 豊葦原の中つ国、その奥山に御霊がたずねる湯屋がございます


姫垣のむこう ....
ケチャップ切らしちゃってと
大人の笑顔で彼女は言った

僕の目の前に置かれたのは
ケチャップがのっていない黄色い肥満体だった

まあいいさとスプウンを入れたのだが
腹から出てきたのは ....
「たーまやー」大きな口で君の声花火の破裂音が伴奏 あたたかく降り積もった雪の下に埋めた
女になってしまう前の、
何でも言葉に出来ていた少女のわたしを

女になるというのは
自分が一番遠い他人のように感じる生き物に
なる事なのだ
女になっ ....
言ってしまった

分かるから言ってしまった

めまいがする夜

近くの室内プールに行ったことを

心配させたくなくて

弱いと思われたくなくて

みにくい心を知られたくなくて

ぼくはあの夜

水のな ....
おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り

さく ....
奈落の底から 天上世界にまで突き抜ける滝が
私の体の中に 降りてゆく

これまで
沈鬱がわたしを咥えたまま 離そうとしなかった 私の目の前に
ただ黙って耐えていた私に 滝が現れたわ  ....
君が
はじめて私の手を離し
自分の羽根で
よちよちと
はばたいていった日のことを
母は忘れることができない

君はとうに
逞しい翼をひろげ
上空の風に乗り
母には見ることもできない ....
{引用=
街は、いつも
 こぶしを振り上げる 動乱のような
非日常を 人の心にやどす


ちいさなネオンの明かりに立つ少女


夜を踏む女の ピン・ヒールの 短い天使の影


 ....
1966年 ザ・マッコイズは
アメリカ中西部の街で「Come On, Let's Go」を歌った
飛行機事故で死んだメキシコ系アメリカンのロックン・ローラー
リッチー・ヴァレンスの曲のカヴァ ....
わたしはわたしの中に
夜を溜める
そしてその夜を醸してゆく
深くなるように
やわらかくなるように

わたしはわたしの身体に
花を鳥を
風を月を沁みこませる
わたしの中の夜が
やさし ....
瞬きがまだ終わらないうちに
なくなってしまう
数知れぬ一秒にも
満たない想いがあるだろう
とは思うけれど

一瞬のあいだ瞬きをするうちに
恋の始まりはきっと
終わりのない愛になる

 ....
開いて
閉じて
開き直る

胸のちょうつがいを
ギシギシ言わせて
自分の扉を開け放つ

隅から隅までよく見てみやがれと
立ち塞がった戸口の後ろで
気弱な本体が震えている

 ....
しずかな つばさの抑揚に
呼吸を あわしながら歩きます
しろさの きわだつ蝶を
追うとき わたしの 肩甲骨も
空を感じてました

「おたんぽぽしてるの
ふうてん とばそ」
 ....
{引用=
目をさます
{ルビ灯火=ともしび}に光りをともす
夜の帳をとく
忘れれば 万物の命を病めさせる


部屋に家具ひとつなく
静寂に そこは
音という概念すらありもぜず

 ....
この幼い文字には記憶がある
漢字を覚えられない少年はそれだけで言葉を文字にする事が許されず
間違いばかりを指さされては 心を深く胸に隠すしかなかった


開け放なたれた部屋の小窓

文字 ....
{引用=

詩を詠むように
風を読むものたちがいる


読経の声
いや、それは蜂の羽音にも似た
風だった


見上げれば、しばらく忘れていた空が
いそぐ雲を 連れ立ち ♯

 ....
陽炎の中溶けて 掬われることない
雪の中溶けて どこの道も傳えない
雨の中滴っている ただ
わたしと云う流体

てんてんてん、の信号に
折り重なる人の影 声の風向き
その間左右へ ....
 「こころいき」


奇跡の勾配を ころがる
空は水色、
水は空色。

鳥が鳴き
あたりという あたりに
しきりは 無い
緑の匂いがする
こけて膝小僧を すりむ ....
君の色はどんな色?
いじわるな質問ではないから
並んだ色鉛筆から
一本だけ取り出して
君の色で画用紙いっぱい塗ってみる
君の色はこんな色
赤 青 緑 黄色 黒 白
ご覧
僕が選んだ ....
山鳩の遠く鳴く朝
僕は旅に出る
心は遠く動いている
窓の向こう
あの坂を下った道に


風が梢をさやがせて
あれは空に向かって高鳴る心臓
緑の葉が一枚 また一枚
流されてゆく
風 ....
プチトマトの実がついたと
子供のようにはしゃぐ君の瞳は
まだ昨夜の喧嘩のことを
忘れていないよと言っている

後ろからのぞき込む
バツの悪い僕の視線は
幼いトマトと君の横顔の間を
 ....
時の間に合う朝は来ない
時が裂けた放射物の先端に漂う
無数の闇という点の生命 走り
その場で無限の高速回転しながら 自らを分解していく
目の無い触手の集合体 南中の光に裂け
キラキ ....
{引用=
緑をゆらす
風は、なおらかに こんなにも
美しいものだから
少しばかり
すずろ歩き


季節をむさぼれば
不埒な 出会いが待っている


ちいさな 会釈


往 ....
ジメンに座り
深呼吸して少し休む

太陽の下
目を瞑っても
瞼の裏は赤く光る
生命の赤
戦場の赤
寝ても覚めても四六時中
追い立てられて
いるようで…今
と同一線上の未来

 ....
鮮やかな緑の波を揺るがして
強い風が吹き抜けて行く

その風にあおられるように
忘れていた何かが目覚めようとしている

あなたと出会ったのはこんな緑の季節でした
お互いに愛し合いながら傷 ....
空のどこかが
解けて
みずが零れる



モノとコトの上に
容赦なく
みずが注がれる





ぬるんだ雨は
葉っぱを揺り起こし
やわらかな雨は
根っこにじ ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(10797)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
また明日- nonya自由詩23*13-6-15
花のいのち- 月乃助自由詩813-6-14
トムソーヤー卿- ゴースト ...自由詩4*13-6-10
湯屋- 月乃助自由詩713-6-9
オムライスなんて大っ嫌いだっ- nonya自由詩29*13-6-8
「たーまやー」大きな口で君の声花火の破裂音が伴奏- 北大路京 ...短歌213-6-5
「花曇り」- 桐ヶ谷忍自由詩29*13-6-5
めまいがする夜- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...8*13-6-5
花まんま- そらの珊 ...自由詩22*13-6-4
抹茶アイスと滝- るるりら自由詩10*13-6-4
えんじのベレー帽- Lucy自由詩23+*13-6-3
Taxi_driver- 月乃助自由詩613-6-3
カモン・レッツ・ゴー- 壮佑自由詩10*13-6-2
夜を溜める- 塔野夏子自由詩18*13-6-1
恋と愛のあいだの何秒か- りゅうの ...自由詩7*13-6-1
ちょうつがい- nonya自由詩23*13-5-31
天使は川辺にて- るるりら自由詩23*13-5-30
月魂—つきしろ—- 月乃助自由詩12*13-5-28
ノート- ぎへいじ自由詩18*13-5-25
フォルテの風- 月乃助自由詩9*13-5-24
わたしという流体- 唐草フウ自由詩15*13-5-23
【緑】こころ域_- るるりら自由詩14*13-5-23
君の色- 乱太郎自由詩19*13-5-22
山鳩の遠く鳴く朝- 石瀬琳々自由詩12*13-5-22
10年後- nonya自由詩27*13-5-21
愛おしい永久- 狩心自由詩113-5-20
魚の子- 月乃助自由詩12*13-5-18
手寝美火式遠体- 狩心自由詩2*13-5-14
ざわめく- 未有花自由詩12*13-5-2
穀雨_(こくう)- nonya自由詩23*13-4-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360