キリスト看板、コンドームの自販機、公衆トイレ

詩が書きたい
詩が書きたい
忘れちゃってた自分の痛さも全部言葉にして数年後に愛すためにも

消費よりも浪費よりも懐古が増えたので私は ....
窓のペンキが剥げかけた
白い木枠に
凍った雨粒がはねた

体を流れる時間の粒子は
凄い速さでキュルキュルはじけて
天の川に広がってしまう

目が覚めたら咲いている釣鐘草のように
一瞬 ....
青い夏の夕暮れ時、
斜光に降り注ぐ雨
銀の色に細やかに
絶えることなく

 青の光の銀の絶えることなき呼応を

届いていない荷物にふと気付き
あれっ?!と想った瞬間、
呼び鈴の鳴る
 ....
ふ と

見上げると
クジラは空を読んでいた

東には
逃げ遅れたはぐれ雲
クジラはふらんと尾鰭を揺らした

南からは
色と香りをまとった風
クジラはぬわっと口角を上げた

 ....
十人は十色で
数百の紙片が散らばる居間に
佇む私の家族には
血の繋がりを感じさせない何かしらがある
ブランコ技師である父の手は取り外し可能で
今晩も女の胸に爪を立てているはずだ
瓶づめのま ....
かんたんに覚えてね

ずっと忘れないで

あなたはわたしを人間のように愛してはくれない

けれど、わたしはことばに甦る

いつか風がふいて

えいえんがつつむのだと分かる日がくる
 ....
思い出が 目をさます

空き缶をつぶした灰皿にあふれ

かなしみに追いかけられていたあの頃

藍色の水たまりから空にこぼれ

にくしみに追いつめられる前の日

あの子に 今度こそ告 ....
医者の診断は
デリケートな人が下痢になる
過敏性腸症候群とのこと

あぁ、クソしても一人
クソッタレはあいつ一人

一度でも強いストレスで下痢をすると
その経験から腹部に注意が集まるよ ....
 通勤電車でふと絡みあう視線
 作業着姿で伏し目がちに座っている
 その人の 汚れた軍手をはめる手に
 真紅の盃

 みずみずしい酒の香のなせる業にして
 白髪で皺きざまれる{ルビ貌=かお ....
キミが呆けてわめきちらしていた何処か異国の話
その実はこの国のことを言い続けてきてたんだね
今になって気づいた。

キミのこと信じてみたい本閉じる実存してるロストワールド




 ....
夜がしなだれかかって来る
その嘘みたいな軽さに
なんだか泣きそうにならないか?
そんなとき
君に逢いたいのに
馬鹿だから馬鹿のままで
毛布にくるまりひとりで眠るんだ
めちゃく ....
崩れかけた壁に
ミサイルの破片が
突き刺さっている
心には
言葉にならない
恐怖の破片が


10発中9発の迎撃に成功した と
テレビは誇らしげに伝える
残りの1発で瓦礫に埋も ....
四万の光りがうねる 烈しいけれどゆったりとした四角形のために
そのうちひとつの頂点は アンプから飛び降り 舞台を駆け回り
ときどきもうひとつの頂点と向かい合い 無言で会話する
あとのふたつの頂点 ....
銀行へ行った日、自転車で坂を下ると、急に夏の顔になった道がひらけて、水色の画用紙を引き裂いたように、夏空が目の前にせまる。ああ、もう夏か。

それで私は小学生の頃を思い出す

なんだかちょうど ....
猫は知っている
人が磨き人に割られるランプらの意味
猫は知っている
女たちがくちびるの感覚で
こぼれる涙に色をつけたがるかの謎を
猫は知っている
男たちの欲望に満ちたやさしさが
つぎの曲 ....
子供の頃は
酸っぱいものが
嫌いで食べられなかった

成長するに連れて
酸っぱいものが好きになった

ちらし寿司は
見た目は華やかで
味も美味しくて好き

華やかなちらし寿司
 ....
O高校を卒業してから
五十年余りの月日が流れた
その間各自それぞれの人生コースを歩み
今日の同窓会にたどり着いた
積もる話は山ほどあることだろう
古希を過ぎてからの告白も
あるかもしれない ....
彼がふらりと入ったのは
彼女の個展だった

中には天井に掛けられた梯子が
ポツンと置かれていた

彼女は何も言わず 
彼にルーペを渡し
梯子を昇るよう促した

彼は訣の分からないま ....
小市民的な幸せもいいけれど
雑魚の醜さも忘れないでください

一般人は無罪ではないと
僕、思うわけです

あれをして一般人と言われてしまうと
多く苦情が出る

冤罪だ、やめてくれと
 ....
どうしても届かない距離にあるような、
手を伸ばしても触れないものでできているような、
時代と名前をつけられて、それでもそこに今あるようなものを、
わたしたちはこういう時だけ呼び起こして、
砂時 ....
人は時が薬になると言うけれど

ぼくには効かない

様々な記憶はあまりに生々しく

傷からは鮮血が滴り落ち

包帯を巻いても血が滲む
二回続きのトラブルで

虹色魚は姿を見せず

仕掛けを作る夕方に

二コリと頬笑む

捕らぬ狸の皮算用
その人の
お心づかいが
嬉しくありがたい私は
生きるための
心の糧を頂いている



礼も過ぎれば
無礼になるというけれど
感謝の気持ちは
次から次へとわき起こる
ああいけま ....
人間

空気

原子
あらゆる物質は素粒子から出来ている
素粒子は刹那に生生流転を繰り返し
留まることを知らない
星々の寿命は100億年と言われ
人は100年程度
どうせ生きる ....
アイドルになる人を見つめて、
ため息をつく
輝く星にはなれない
路傍の石、それが自分だ
こんなにもがんばっているのに
舞台は遠い

そうなのに、そうだけど
あふれる想いが止められない
 ....
田んぼ道に
美しい野の花が
たくさん咲いている
花屋の花にも負けない美しさで
咲いている
ものの美しさは値段ではない
土の中へ
種をまくと
芽が出てくる
こんな不思議なことがあるだろうか
そして太陽の光を浴びて
すくすく育っていく
やがて小さな芽が
大きな大根になる
こんな不思議なことがあるだろうか
 ....
1台のシーシャのように
同じ味の夢を共有した
あおい煙をくゆらせて
交互にホースを持ち替えて
ぽつりぽつりと交代で話す

夢ってね叶わないんだよね
そんなこともわかる年ごろで

けれ ....
虹色の魚を追い求め
大雨が止んだ渓谷の本流に出かけた
午前五時半
何時ものポイントを狙い
腰まで浸かる流れに
そっと歩みを踏み出し
突然足元の石が転がった
私は透明な水流に潜り
もがき ....
絶望の頂きに立つ
この人間社会の空に

 白雲棚引く朧月夜

光りやはらに届き来て
絶望もなく希望もなく
活き活きこの時生きるのみと
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