その時
百日紅は花を咲かせて
夏になったことを教えてくれたけれども
夏が終わったかどうかには関心がないらしいので
花を咲かせたままであった

今がその時だと 秋の虫は
ギーギー ギーギー ....
「ただいまァ。」
 八月。
 庭の潅木が、白い地面に真っ黒な影をいくつも落としています。
 暑い盛りです。
 四月から通い始めた保育園から帰った娘は、日焼けの顔で畳に膝を落とし、さっそくブロッ ....
空が青ければ気分も晴れるほど人間は都合よくできていない。
それは夏になったからといって恋をしたことなどただの一度もない事実からも証明できる。



感情は引力で私を押し倒し、重力で沈める。
 ....
{引用=

*



どの色も気に入らないの。欲しいのは唇をかむ痛みの赤さ


きつね花、天秤にして恋人のふるえる声を謀りにかける


しろはくろ、くろはしろからあ ....
夏の暑い昼下り
溶けて落ちたアイスクリーム
ちっぽけな黒蟻が群がる
うじゃうじゃと
小刻みにうごめく黒い固まりは
ただただ気味が悪いだけだった

ほたるこい
の歌のように
自分の水は ....
堕ちていくのは

時計の針かはたまた

砂時計の砂か

どちらにせよ結果は同じ

両方時を刻む魔法器具

君の小さな手の平を

繋いでふさいでもいいですか?

曖昧な返事は ....
「秋の夜は果てしなく長いのだから」と
あなたは言って
舳先の行く手を確かめながらゆっくりと櫂をこぐ

  おとこのひとに体を許す

例え今夜がはじめてではないにしても
月明かりは艶かしく ....
感性は年齢に捕われない。あくまでも自由だ。そんな当たり前のことを
あらためて認識させられる、そんな印象を持った。
あとがきには「八十四回目の春を迎えて」と記されている。勿論、高齢
に達っしている ....
ビルの向こう沈む夕日を見送ってまた来る夜に足を踏み出す

夕暮れに金木犀の匂いたちやさしい{ルビ時間=とき}をしばし楽しむ

つかの間の光の中でかいま見た妖精の翅どこへ消えたの?

かくれ ....
 
 
このからだの中に
海がある
真っ赤な血が
夜よりもくらい暗闇で
波打っている
今も確かに

沖のかもめが
今鳴いた
わたしの中で
確かに今

浜辺から続く道を
手 ....
寝間着からもれてくる水のにおいが
夜をかけてゆく
つるつると甘皮をはぐ物音も
虫がしんと鳴くともう閉じてしまって
ぼくは波紋に収束する
ことばの様だ
電気じかけなのに
くらやみが本の ....
あのね

とりあえず声に出してみた
答えなんかでた訳じゃ無いし
そんなものはなから無かったりする

えっとさぁ

次のことば続かなくて
それでも携帯の画面へ逃げ込むのだけはぐっと堪え ....
 流れにあらがい
     生きていた頃が、ありました
       いつもいつまでも
    淀み 聞かされた
 乳房の谷に湧き出る 
哀瀬の流れの
   さだまらなかった

  ....
地下鉄は地上よりは涼しかった

青信号を手を挙げて渡る小学生を見て

まだまだ捨てたもんじゃないと一人で頷いた

混ざらない綺麗な夢を見たいな

明らかに時間切れだけど

必死でし ....
伝えたくて
伝え切れないもの

捨てたくて
捨て切れないもの

慌てふためいて
掴み損ねたもの

握り締め過ぎて
壊してしまったもの

煩わしいものたちを
もう一度抱き寄 ....
{引用=うずくまる。
からだの表面積をちいさくして
世の中の37%を遮断する。


わたしのまるいふくらみと
わたしのしろいふとももをくっつけて
ひとつ。にすると
やわらかな鼓動を感じ ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真


はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
さやかで悲しい朝なのに

夏の匂いをかぎました

感謝でむせぶ朝なのに

黒いこころもありました


ひとのこころはどうも遠くて

応酬ばかりのありさまでした


さやかで ....
あなたによく似たひとだった

人違いと戸惑うわたしの顔を覗き込み
どうかしたのと気遣ってくれた

これを落としたひとをずっと探しているのと
あなたの落しものを目の前に差し出した

その ....
 ページをめくると、150にも及ぶ短編が並んだ入り口に立たされる。
題名はなく整然と数字が打たれた下に展開される世界は、まるでエッシャーの騙し絵に迷いこんだようだ。

5 女の正体が実は額縁で/ ....
見失った起点をとりもどすための儀式。なぜそれが必要なのかはわからないけれど。ホームから(赤い)傘を放って、虹を呼ぶ。虹は来る。(生き物のように)。雨は去る。対になろうとする、ことば .... {ルビ顰=ひそ}めた枝に想いを隠せば
揺らぐ月あかりを帯にまとう
記憶をぬぐいおとす 黒いみずうみは、
深奥の靜かな湖畔から 寂々行きつくこのさきに 
こわされてしまう わたしの予感のする
 ....
揺れる花は荒野に一輪だけ

その上で流れた一線の流れ星

空間は穏やかに過ごしていた

まだまだ口にだしていない言葉は

たくさんあるけれど

それもこの花が枯れる時には言えるだろ ....
おもたい買い物を持ってあげて
へいきだからと
買い物帰り
小学生
おかあさんの背のはんぶんで
同じ量を持ってあるく
わたしはわたしをおもいだす
何も言わないけど
じんわりや、おもいだす ....

職場で必ず着用するエプロンには
大きなポッケットが付いています
わたしはその中に
いろいろなものを放り込むのが癖です
ポッケットが膨らんでいないと
落ち着かないのです
膨らんでいて少 ....
熱い光はただ重なって
そっと重ねられて


渋滞した道でせわしなく鳴るクラクションも
軽やかに散歩する犬の太くて短い声も
光に飲み込まれてかき混ぜられて
珈琲に落としたミルクみたいにぐる ....
回転扉の向こうはサバンナだった。
「さぁ、はやく。」
何かに躊躇っているうちに
電解質と一緒に失われた
青という名の雷鳴。



「サバンナに広がるベッドには、 ....
ここに一脚の椅子があって

それは懐かしいにおいのする木製の小さな椅子
小学校の教室にあるような椅子
揺らすとかたかた音がした

そんな椅子にあなたは腰かけている
手には一冊の詩集
マ ....
 
私の季節は、かわいいかわいいカメレオンが飲み込んでしまったの。
だから、夜のとばりも知らないし、梟の鳴き声も知らないの。
知らない知らない、わからないの、ね。

だからあなたがどこの季節 ....
力のかぎり追いかけるのは、
自分の力をしんじているかのように
止まることをも知らず
一点に集中した想いのはてなのです

おしもどす秋の風に
それが、遠くにあることなど知らずに
駆け抜ける ....
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