ちょっと前まで風船は鉄球だった
少女はそれを引きずって暮らしていた

今は風船は空気で満ちて
陽射しを浴びるだけで割れそうなくらい
薄い皮膜はつるりとしている

軽く紐を手に絡ませて歩け ....
意味する処のゼロ地点に身を置き
自分を肉身としてだけ意識する
に、何か異和を覚えるのなら

アナタの勝ちだ、哀しみすり抜け

ゼロ地点より一歩と 取り敢えず
銀河の岸で
小鬼が一人
青い小花を摘んでいる
小鬼は気付き
私に手をふる
不安は尽きない
けれど
一つ一つを
していけばいい
その時はその時だ



優しくしたい
ある私は
他の人や存在にできるだけ
優しくしたい
私が居なくなる前に
夢ん中でバスを待っている
夢ん中でバスを待ってるよ
きみの街に行くバスを待ってるよ

夢中でバスを待ってるよ
夢中でバスを待っている
きみの街に行く道の上で

なんの努力もしないで ....
今日は寒いね 温かいものでも作ろう

手作りだからきっと美味しいよ

暑かった昨日のかき氷みたいに

あなたのためだけに使うこの時間が

どこかの偽物にはない価値を生む


過去 ....
古い家だった
古くて大きな家だった
子どもの目には
それはとても怖いものだった

しかし、大人になったぼくの目には
それは、それほど大きくはなくって
子どもの頃に描か ....
冬をしまい込んだ
きみの乳房は
しゃりしゃり凍ってて
口に含むと
もはや冬である言語すらも凍りつく
(ツンドラとか
(シベリアとか
つめたい言葉の体温が
二月の真似ごとをしているよ
 ....
遠くで暮らすことが
ぼくらにとって
良いことなのか
悪いことなのか
いまはまだわかりません

狂った時計を確かめても
約束の時間が決められません

古いカレンダーに印しを付けても
 ....
自らの肉の
細胞という小部屋の
内に鳴る鐘の音、耳澄ませ

 次なる時の訪れ 

努め憧れ懐かしみ
従容と待つ 哀しみよ
 近江屋の旦那様のお部屋で
 拭き掃除を済ませた おりん
 その書斎には お嬢様のお部屋にあった金魚の
 水草浮いた陶器鉢が移されていた
 今は 黒出目金と赤い琉金が数匹泳いでいる

 お ....
朝に 歓び光の輪舞
凝集し揺らぎ充満し
異なる様相 滲み出し、

在る人、在る人
それぞれの相貌 露わに

朝に 
異なる光の歓び
浴びながら、 

自らを自ら、
乗り越えんと ....
連れていかれた羊
針をいれられる雲
糸をくれるのは
知らないでいい人に決まってる

流氷にまつわる伝承のように
幼児のおでこで移ろっている
南国語で聞いても
腸は抜かれている

イ ....
 「お前さんも一端の深川の、のらねこになったじゃねえか。」

 おきぬに勝手口の木戸を開けてもらって近江屋から帰るトラの前に
 表通りの天水桶の陰から現れる 長楊枝咥えたイワシ

 「あんた ....
田中修子さんと、ツイッターなどでやりとりをしたことがある
事実と名指された悲しみが、やはりまだ人を傷つける
この現代詩フォーラムも今となって、それなりの歴史があるサイトになった。昔、ある人がこのサ ....
地に舞い降り
地に溶け入り
天に昇りゆき
天に溶け入り
また再び、
地に舞い降り

前へ前へ、 

ぺしゃんこでもまえのめりで

 前へ前へ只進むんだ

遠い遠い遥か芳しいこ ....
ぽっとでの自由は、老いたる自由にむかってスリッパでもつっかけるように言った
「おじいさん、あなたはすっかり、不自由なご様子じゃありませんか?」
巨匠とよばれて久しい年配の自由は、寝椅子のなかで遠く ....
蒼白い雪のゆらら舞い降り
ふわわ地に落ち溶け
次から次に絶えず
浮かぶ相貌にて
眩む意識の
凍結し
今に覚醒スル
純白に力動する思考、

新た観る 顔の威容に

異なる魂達の刻印 ....
雨に捨て猫

cat
我輩は捨て猫である 段ボール箱を住処とし
人の流れを ここから見ている
名前はもう無い ミケだかタマだか
なんかそんな風に呼ばれてたけど もう無くなった

she ....
地球という星がある
国境はない
猫に餌をやってから
今日のことを考えよう
子宮から出てきて随分経った
時々帰りたいが
もう帰れない
もう帰らない
君に誘われて
始めることにした交換日記

続ける自信はないけれど

何を書けばいいのかな
悩んでしまいすらすら書けない

君は好きみたいで
楽しんで書いている
その勢いに飲み込まれ ....
雨があったかくなって
ほんとうだな、って
雨が あったかくなってるねって

ほころんだね梅が
そろそろ 空によく似あう
さぁさぁくり出そう

今日はとてもトライアングルな気分
また見 ....
 「梅もさ、もう終わりよね。…。」
 裏庭で物干し竿から洗濯物を取り込みながら
 隣の表長屋の庭を眺める おゆう
 
 居室の畳の拭き上げを済ませたおりんが
 雑巾を干す手を休め
 梅の木 ....
時には
傷つけてしまうが
大切にしたいと思う時の
こころは何かからの
贈りものでしょ



時々
悩む時もある
でもね
悩み考えるから
気付くこともある



それ ....
なかなか雨はやまない
僕は夢想する
星空模様の傘をさして
君のところを訪ねたい
ジャム一瓶ほどの幸福をたずさえて

なかなか雨はやまないから
君のもとへ辿り着くまでに
傘も溶けてしまう ....
 「ね、おりん。ね…、ねえ、もう寝たの?」

 布団の中で おゆうが
 壁の方へ顔を向けて寝ているおりんへ
 呼びかけてきた
 「起きてるわよ。」

 「ねえ、いいの?…静さんにさ、何も ....
 「今日は 良いお日和でございますな。」
 店の者に挨拶して来たのは
 落ち着いた身なりの中年の男
 店の御主人にお目に掛かりたいと申し出る

 狭い客間へ通された男は
 手にする藍染の風 ....
もしも君が疲れているのなら
此処へ来るといい
美味しい珈琲を淹れてあげるから
何なら安物のウイスキーくらいならあるさ

もしも君が退屈ならば
此処へ来るといい
音楽を聴かせてあげるから
 ....
なんて沢山の人
居るんだろうなぁ
それぞれがそれぞれ
肉の輪郭の表情を保ち
階段を昇ったり降りたり

(此処はステーション、
清い瀬のステーションさ
所々に真紅の薔薇も顔覗かせ
清い ....
  一


面取のない
三角定規で引いたガクガクッ
こころもとないあの日の線
それ宙の果にただようガスの森

誰かが時を人と無理に結ぶため時を隔て
違う誰かが拡がる空間を国家としてな ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(8387)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
花が咲くまで- ◇レキ自由詩4*24-2-25
五行歌、自分というもの- ひだかた ...自由詩8*24-2-25
※五行歌_「銀河の岸で_小鬼が一人」- こしごえ自由詩12*24-2-25
※五行歌_二首「私が居なくなる前に」- こしごえ自由詩3*24-2-25
まっている- 竜門勇気自由詩4*24-2-25
独り言6- 短角牛自由詩4*24-2-25
- 田中宏輔自由詩14*24-2-25
きみの囁く二月で、ぼくは誰にも似ていない冬を過ごした- ちぇりこ ...自由詩824-2-25
朝の想い- レタス自由詩6*24-2-25
貫かれる哀しみに- ひだかた ...自由詩524-2-24
のらねこ物語_其の二十九「雪景色」- リリー自由詩6*24-2-24
永久に(改訂)- ひだかた ...自由詩624-2-24
ひつじ雲- soft_machine自由詩6*24-2-24
のらねこ物語_其の二十八「赤提灯」- リリー自由詩4*24-2-24
田中修子- ダニケ自由詩224-2-23
ヒビキ- ひだかた ...自由詩524-2-23
証券死場- 菊西 夕 ...自由詩524-2-23
相貌(改訂)- ひだかた ...自由詩524-2-23
雨に捨て猫- itukamitanij ...自由詩524-2-23
太陽は影をつくるが道を譲らない- 空丸自由詩1524-2-23
交換日記- 夏川ゆう自由詩524-2-23
さんかく- soft_machine自由詩8*24-2-23
のらねこ物語_其の二十七「朧月」- リリー自由詩3*24-2-23
※五行歌_六首「気付くこともある」- こしごえ自由詩3*24-2-23
長_雨- 塔野夏子自由詩6*24-2-23
のらねこ物語_其の二十六「御神籤」- リリー自由詩3*24-2-23
のらねこ物語_其の二十五「如月の雪」- リリー自由詩6*24-2-23
もしも- レタス自由詩8*24-2-22
清瀬ステーション(改訂)- ひだかた ...自由詩5*24-2-22
- soft_machine自由詩7*24-2-22

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