『イル ポスティーノ』という映画を見ていたら、パブロ・ネルーダの詩の一節が引用されていた。


俺は人間であることにうんざりしている
俺が洋服屋に寄ったり映画館にはいるのは
始原と灰の海に漂 ....
また新しい痛みを探してる?
この前みたいにはいかないと思うよ
力いっぱい何かをやるなんて
想像もできないし、したこともないし

笑顔とポジティブな言葉
拡張された感情
あなたが思って ....
つぎから
つぎに
つめを下にした
指が
降ってくる

ただしいことの
降灰
ただしくない欲は
ロケット花火

高層12000階のすみかに
移り住んでしまって
もどるには
地 ....
奪還する疎外感
我がもの顔で
一人ぼっちの振りする
不快な支配

転げ落ちる坂道
勾配による強制
崩れるようにして
走る足の音

続くエンドロール
向かい風と同時に
氷結す ....
今楽しいことと言えば
昔の詩作品を分かりやすく
丁寧に 自分の解釈で
改変して 書き直してみること
やっぱり一番楽しいのは
高校の頃に熱中した 中也の詩
いかようにも解釈できる 幅を持って ....
1 誰にも言えない秘密

誰にも言えない秘密なんて誰にでもあるよねと思うけど、これは困った。「俺誰にも言えない秘密があってさ」と壁ドンされつつ体育館裏で言われるとか嬉しくない。しかもそのあと「俺、 ....
光をいただき

空気をいただき

水をいただき

食事をいただき

愛をいただく
1 また明日

また明日、と言って彼女は顔を伏せた。また明日、明日はいつくるのかと聞いたらまた明日なんだから明日来るに決まってるだろうと笑われたがここは明日が明日来るかわからない土地なのだ。みんな ....
久しぶりです。
嬉しいような嬉しくない出来事です。

あふれる感情とつまらない日常。

無駄な消費だ。
何故そうなった。

冷蔵庫いっぱいのオレンジが出番を待つ。

前にも後ろにも ....
布のヒツジは並んでる
一直線に並んでる
布のヒツジは横向いて
一直線に進んでる
白 茶 薄茶も隔てなく
規則正しく進んでる

布のヒツジは夢を見る
羊になる夢を見る
草原を駆け 草を ....
病室の午睡時、

誰も居なくなる
ただ人の気配だけ
影絵の如く残り

自分が此処に居ることが
怖いくらいはっきりと浮き立つ

  *

病院の午睡時は誰も居なくなる
ただ人の気 ....
アマゾンの巨大魚
ピラルクを釣ろうと思い
ワイヤー製の頑丈な仕掛けを作った
これでは電車に乗れないので
少しコンパクトな仕掛けを作り
1mの鯉を釣ろうと餌を調合した
ひき肉とサツマイモと数 ....
俺は光を手に入れた
全ての言葉が自分に向けられたナイフのように感じるとき
街燈の口から肛門までは広い路地裏で
背中を刺された水溜まりがうつ伏せになっている

太陽と月が手を繋いで流れる日々
 ....
罪を
ね、
時間がやさしい風で
洗い流してくれるよ

これは
ほんとうの経験さ


恋愛も
ね、
そんな風に忘れられるなら
憎しみも
悲しみも
ね、
透明になるま ....
いまとなっては
すこし悲しいくらいの
干からびた笑い話だが
僕は
じつは
二十歳になるまでに
死にたかったから
世界をバカにするのも当然だと
信じていた

どんなあたた ....
37℃を超えたあたりから ちょっと虚な意識の中で

なんとなく ようやく

スマホの写真を消し始めた

一緒に行った旅行 あなたの写真だけ消していくと

あの時間から あなただけが消え ....
  

カサヲサセバ
素直になれるだろうか

オチテシマエバ
寂しさは治るだろうか

アメガフレバ
消えてなくなるだろうか

ヨルニナレバ
子どもに戻れるだろうか

 ....
神なるものに孕まれ
神なるものの内に在る
私なるものは
神の内に詩想し生きて

今やすべて私の自由意志に任され

この荒涼として混沌の人間界  、

私自らが加担し造り出したのなら
 ....
それはスライスだ
食べるのが大変だ
皮をいちいち剥かないといけない

バナナは好きだ
美味しいからだ
だからやってられる

ネイビーバナナ
ネイビーバナナ

難しいね
生きたい。生き残りたい。この宇宙のいのちの星に
一つのいのちとして生まれたからには、生まれ持っ
たこの本能を、せいいっぱい開放して謳歌したい。
だから俺は、自らをごまかさない。自分の欲求を恥
 ....
食べたもので人の身体は出来ています。
そんなことはいちいち考えずに
その日の風まかせで
献立を決めてきた

心は何で出来ているんだろう

手元が狂うのは永遠の一瞬
包丁の刃で切り落とし ....
私たちから離れた世界中の多くの人々が
私たちのことを祝福していると思うのは

確かなこと
毎日を生きてきたという

何もないのは
純粋な証拠なのだから

善と悪が交じり合った ....
夕暮れになると虫を求めて燕が飛び回る
蝙蝠の飛翔よりずっと気分がいい
燕はハレの礼服になれたけど
蝙蝠は傘にしかなれなかった


自分の大学がイスラエルの企業から恩恵を受けている
そ ....
紺碧の空のもと

緑の{ルビ渓=たに}に分け入り

髪より細い糸を頼りに

ときめく胸を押さえ

銀鱗が舞い踊る
 「個人はなにものかに達するためには、
 自己を諦めなければならないということを、だれも理解しない」
  (ボアスレーへ、ゲーテより 一八ニ七年九月二十五日)

 「一ふき風の木の葉しづまる」 ....
  

とある休日
ひとり
グランドを走りつづけた少女は
急に立ち止まると
雲ひとつない青空をみあげました

そこには空しかみえなかったけれど
しあわせのすべてがみえた気がしたの ....
諦念と憧憬の
深く深く

郷愁の場を探しゆく
我、何者ぞ

ただ堆積した記憶、

死して突き抜ける

自己諦念の深みに
憧憬の高み郷愁の次元、

注ぎ込まれ普く拡がり

 ....
静かさ
満ちる
闇の
沈黙に
解ける悲しみ



静かさ
満ちる
光の
ほほ笑みに
解ける喜び



静かさ
満ちる
空の
青さに
解けるいつくしみ
○「ほんとうのこと」
すべては過ぎ去るということ

○「心と体」
心が受け付けないものは
体も受け付けない
体が受け付けないものは
心が受け付けない
心と体はつながっている

○「 ....


朧げな 赤い花を摘んだ/剥いた
溢れる果汁が人の皮の下と同じで
ぷっくりとした繊維が 空気を熱く昂らせていた

私の熱を奪い取って からからの空を膨張させていく
地球の血液

 ....
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