{引用=「少年のころ」

少年のころ道草をよく くって帰ったものだ

冷凍食品工場があった
友達のおかあさんが勤めていた
意味もなくいやで まわり道した

子供らしい体温で
大人のに ....
   ヘチ釣り


 イガイを嚙み砕いた
 モノがいた
 先ほどの
 違和感の直後に
 なにやら
 竿先にまとわりついていた
 違和感の直後に
 
 もう一度
 新しいイガイを ....
いつから家は家だったのだろう?
(チャイナ・ミエヴィル『クラーケン』下巻・第五部・59、日暮雅通訳)

ドアってやつはいつドアでなくなる?
(ジョン・スラデック『時空とびゲーム』越智道雄訳)
 ....
肌と肌が触れて
気と心が知れた
口移しで人生を伝う
涙なしではいられないよ

お風呂に一緒に入ろう
言葉にならないものの共有
揺れる湯船
ふっとこぼれた笑顔

重なり合う
刹那に ....
火を吞み込む邪心が人の無心を焼き尽くす
風を嗅ぎつける者が遂に世界を弄滅させるまで

憂いを食べつくす言葉を放つたびに
オレンジ色の首飾りが
似合っている少女の瞳に映り込む
この時間を流れ ....
道路工事で

職場前の道は渋滞

ブラインド越し見える作業員の人たち

若い人が一人もいない

砂塵と高湿度の靄の中

上下するヘルメット

ドア一枚隔てたこちら側は

 ....
静脈の運ぶ退廃が酒肴として活きる夜
帷の内と外でどれだけ熱量が違うのか

内では
肥満めいた男が慄き若い女に買われて
右往左往しながら満更でも鳴く蕩けて
真っ暗な夜がないのと同じように
 ....
ひらがなといくつかの簡単な漢字を覚えた頃
新聞の尋ね人の欄を読むのが日課になった

 和子 連絡してくれ 父
 正男 心配してる 母

やや太い黒い線で囲まれた
額縁の中の
それらの文 ....
誰もが知る肌に
夏の落ち着きを失った季節は、
陽のわずかな傾きに
秋を告げる

沈黙をやぶる囁きに
自問自答をとめる

潮の香りは、さやけき潮の音
反射する 陽炎のひかり
 ....
大草原を駆け抜け
廻り続けていく車輪
魂の淀みを抱えながら
自らの汚濁を振り払い
まわるまわるくるくる廻る

深く紫に沈む葬送の列を打ち刻み 

死者から生者へのキッス
媒介しながら ....
金曜日、ファミレスにて。

カラカラと音を立てた 冷えたグラスから
水滴がしたたって テーブルに水たまりを作ってる

さっきから僕の愚痴は 止まらなくなってる
うだるように続いてる この夏 ....
海がつなぐ
まだ知らぬ世界も
流れ流れてやって来る
水か銀か仏か
あらゆるものが
流れ込んで
世界中を巡りゆく

海がつなぐ
あなたと私も
同じ母の魚を食らい
糧か毒か滋養か
 ....
男子トイレの小便器に立つ
目の前に貼り紙
「届くと思いますが一歩前へ」

大丈夫と従わないと
巻き散らかして周囲を汚す
素直に従うと
手元が見えなくて
自分を汚してしまう
今まさに自 ....
妹の娘は
私に似ている

彼女が産んだ赤ん坊
男前ではないけれど
愛嬌のある顔
知り合いの可愛いおっちゃんに
似ている

彼は私を一生懸命見つめてくる
私が何者か分析している

 ....
体内を流れる時間の
表面に浮かんだネップ
渓流を割る石のように
折々に
かき乱す
いっそ家禽になれたらと切望するほどに
自由であることが――――――――。
{引用=
職人は均質に仕上げ ....
夢を窓際に置いといたら
いつの間にか日焼けしていた
忙しかったばっかりに
自分のやりたい事やしたいことを
淵に追いやり視界から消してしまった
窓際の夢は色を変えた影だけが残った
コンビニで
おにぎりを2つ買う
野外食堂で
頬張り空腹も満たされ
手に余った包装物は
そこらへんにポイ

コンビニで
缶ビールにおつまみ
野外居酒屋で
ほろ酔い加減に
ミニ宴 ....
2重の蠟は
智慧を了し
ツマビラカな
星の接点を
観ずる

しかし
2も2も5なら
6は栄光の
発光体になり
しばらくは馬なので
そんなふりをしたカモメになった

そんな表裏 ....
着信音
表示された名前に
息を飲んで
恐る恐る応答をタップした
紛れもない
あなたの声

嘘みたいだと言ったら
嘘でーすとふざけてきて
一気に緊張がほどけた

少しも迷いのない
 ....
たとえば、
洋上遥か昇る巨大な火球
たとえば 、
杉木立に囲まれ伸びる石畳
たとえば  、
揺れ動く草葉のささめき

朝に瞑目意識の内に現れ来る光景を抱えつ
日々深まり深める能動的なる ....
 

サザエさんの中にある
あるいはまる子ちゃんの中にでもいいのだが

スマホもPCも大型TVも無い時代
ほんとうは
もしかしたらエアコンさえ無かったか

こたつみかんに紅白歌合 ....
どこまでも
続こうとする坂道
喘ぎながら

繰り返される
独り言のような呪文
聞きながら

闇雲にしがみついた
あなたの背中
眠ったふりしながら

安いおしろいに混じった
 ....
土から顔を出した芽のように
意識の端にまだ眠りの殻が残っていた
風を孕んで色あせたカーテンが膨らむと
どちらも淡い光と影
すべるようにすばやく表情を変えた
あなたの顔にはいつもこころが映る
 ....
風の歌なんか聴かなくていい
おれの声を聴け
ビール瓶の栓を100円玉と間違えて
拾ったおれの声を聴け

腹がへって
矢も盾もたまらず
全力疾走して野球帽が飛んだ
おれの声を聴け

 ....
 何をしても上手くいくし

 何もしなくても上手くいく



 見えない器を満たすこと

 それをこぼさず運ぶこと



 溢れた水は土に還し

 空へ向かって芽を伸ば ....
他人のこころの闇よりも
自分のこころの闇のほうが
深い

感じる時がある
でも私はそこで絶望はしない。
私の
大きな絶望は、
昔に失ったからね。小さな
絶望は、今もすることはある
 ....
歴史ばかり雄弁な片割れ石碑のどこにも書いていないが
多賀城の南門から素足をのぞかせた未開の少女が入ってきて
わたしの首になめらかな両腕をかけて影へみちびきいれた
そのときからわたしの胸には真紅の ....
雨降り 夕暮れを巻いて
物語を待っていた
バスが来て 人を降ろし
タクシーが来て 人を乗せて行った
日々は車窓みたくぼんやりで
右から左へ流れていった

むすめに 毎日 頬擦りを ....
ケケケケケケケケ
ケケケケケケケケ
ケケケケケケケケ
ケケケケケケケケ
ケケケハレケケケ

一番いい服を着て
お洒落な街へ行く
あなたに会う為に

ハレの日に晴れた
ケを蹴散らし ....
引き裂かれる
肉身の苦痛
精神の愉悦
繫ぐ魂を
大音量ノイズに曝し

何とか正気を保ちつつ

両腕のパンパンに膨らみ
尚も自傷行為を
繰り返さざるを得ず
遂に自らの肉身引き裂き
 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(11086)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メモⅳ- 道草次郎自由詩325-9-15
ヘチ釣り- 北村 守 ...自由詩2*25-9-15
全行引用による自伝詩。_01- 田中宏輔 ...自由詩1225-9-15
体温- 自由詩425-9-15
マッスルドッグ- 歌留多カ ...自由詩425-9-15
砂塵のむこう- 花野誉自由詩12*25-9-15
- 降墨睨白 ...自由詩4*25-9-14
尋ね人- そらの珊 ...自由詩7*25-9-14
回帰- 月乃 猫自由詩12*25-9-14
まはる(改訂)- ひだかた ...自由詩8+*25-9-14
金曜日、ファミレスにて。- itukamitanij ...自由詩425-9-14
海がつなぐ- 自由詩10*25-9-14
届くと思いますが一歩前へ- イオン自由詩1*25-9-14
気が合いそうな予感- 花野誉自由詩15*25-9-13
認識に関する四つ目の欠片にぶつけた足の爪の三つの折り目- 自由詩3*25-9-13
窓際- リィ自由詩2*25-9-13
ゴミぽい・吸い殻ぽい・空き缶ぽい- 多賀良ヒ ...自由詩225-9-13
カモメのkamome- カッラー自由詩2+25-9-13
迷いのない声- 自由詩625-9-13
らんなぁずっはい!- ひだかた ...自由詩6*25-9-13
- 秋葉竹自由詩3+25-9-13
無縁坂_ーS氏に捧ぐー- 夏井椋也自由詩7+*25-9-13
風とことばは嘘つき- ただのみ ...自由詩6+*25-9-13
おれの声を聴け- 室町 礼短歌5+*25-9-13
メロディ- おやすみ自由詩525-9-13
「愛してる」とつぶやくよ- こしごえ自由詩5*25-9-13
真紅の門からひろがる空漠をぬけていく南風- 菊西 夕 ...自由詩6*25-9-13
朝を迎える- はるな自由詩425-9-12
ハレの日に- 自由詩6*25-9-12
シューゲイズ↘↗m.b.v- ひだかた ...自由詩4*25-9-12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370