うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸 ....
 眠らない彼がいるとして
 その彼が瞳で見る夢
 水面越しに見る色の分からない空
 口から溢れ出る小さな泡が
 大気に逃げる
 愛しているという、でたらめな言葉が
 舌を出して
 笑 ....
未熟な叫び声が

空高くとびあがった

水溜まりから見る景色を

覗いて見たら

小学生の兄弟が仲良さそうに

お揃いの長靴を足並みそろえて

スキップしながら川沿いの道をある ....
星よりはやく西へ東へ

飛行機たちの遠い明滅

夜の坂道に外灯がたつ

いくつかの影をまとい

僕は長い坂道をくだる

僕は夜の無生物になる


さびしい、とつぶやいた

 ....
新宿駅連絡通路できれいなひとに呼び止められた
朗らか過ぎる白い歯並びと
しなやか過ぎる姿勢の妖しさと

「あなたがあなたらしく生きているとき人は美しい」

白い歯並びからのぞく跳ねるような ....
風が吹いている

青く灰色のピンクの影のなか

夕暮れの香りが運ばれている


いちにちは

誰にかやさしい終わりを告げる

よるに棲息する

わたしは無生物になるでしょう
 ....
なんでもないことで
ペンを走らせている

愛のなかで

書ききれないものを書こうとしている

そんなにたくさんの
想いがあるわけじゃない

数えられないほど
弱く
ピンでとめて ....
チョコ男爵は
3Kで
のっぽで、高学歴
高収入

ココア姫は
3Bで
美人、美食家で
ボインです。

カカオ王子は
3Aで、英語ぺらぺら
成績オールA
いつもA顔

ミル ....
雨上がりの濡れた空気に
しっとり染み込む芳香は
垣根の向こうの金木犀


乾き始めたアスファルトに
規則正しくむちを打つのは
子どもが回す赤いなわとび


吸い込みすぎて重たくなっ ....
{引用=眠れよい子よ
月がほしいと泣く君よ
闇夜の空に手を伸ばし
きつくきつく握っても
月はその手をすり抜けて
君の心を絞めつける。
ほしいほしいと泣けば泣くほど
月は君を支配して
 ....
「東」


筋違いの愁いを下瞼に溜めたまま

勘違いの寝グセを直そうともせずに

東のゲートが開けば光とともに流されていく

煌めいているふりをしながら流されていく



 ....
取引先と鹿児島に来ていたので
知覧にでも行きましょうかということになった

私はこれで五回目となる
お客様は初めてだそうだ

特攻隊員たちを想うといつも
戦争、若いいのち、時代、思想、ひ ....
娘は娘で、やはりそんな母親の影響か教育のもと、元気に何事にもとらわれないそんなおおらかな子に育っていた。やたら頭が良く、勉強などしなくても成績もよく、クラスの担任の若い娘のような先生は、クラスをスキッ .... ビール病の正式名称は
発泡性麦酒なんたらかんたらとやたら
長ったらしい名前であるため
誰もがこのように略して呼んでいるのであるが
けしてビールの飲みすぎだけが
その原因であるとは断定できない ....
誰も居ない街の

小さな家の壊れて音がでなくなった

ピアノの前に腰掛け

ふうっと大きな息を吐いて

埃まみれな黒のボディを見えるようにしてやった

そして音の出ない鍵盤を必死に ....
ちょっとプラス1だけ
優しくなれたらいいのに
小数点以下は歯切れが悪いので
やめたいです
9.9999・・・・・・は
背中が痒くなるので
もっと嫌です
1がいいです
2は僕にはきつ ....
私は目を閉じる
下瞼のほうへ意識を集中させる
まるで世界を下へ押しやりたいみたいに
あえいでも泳ぎきれない波のように
なんやかやが迫って息もできない
やっと
口をひらいたときに出てきたもの ....
いつから芋焼酎飲むようなったんかなあ
(あたしはどきっとした)

おまえにもうたんやっけ
(そうや)
(あのとき付き合うとった彼にもろたんや)

四五年まえおまえにもうたんや
(いまさ ....
 女の暮らしは、毎日打ち寄せてくる波のように、変わる事がなかった。
 狭い島の単調な暮らしに飽きそうになると、女は海峡を眺めて夢想した。
 海峡の向こう側には、隣国の長く横たわる山脈が夏でも銀嶺の ....
赤メロンに つららみたいにシタたル
籠もれ陽ふかした 浴びる月香をタくル

むろん 黒眼がしめきったのどかな風には
違いなく 色を歌う無実の草の
なじみの春が ころころと 吹雪いて

横 ....
{引用=疲弊を逃れるための読書の
薄くなったアイス珈琲の
ひと雫がおちる

または
五本目のホープの
味気ない六mgの
崩壊して灰が
おちる

または}


椅子の下へ目をや ....
ふたりの蛇が絡みあい

とぐろを巻いてぼたっと置かれている

私たちは睨みあう

舌をちょろちょろさせ

鎌首をシュパッと突きあわせ

私たちは今、威嚇しあっていた


私は ....
いつの間にか海峡と陸を隔てる水平線は確かさを失い、靄の帯を海に広げていた。
 海峡の向こうには岩肌をみせる山脈と、その手前には昔は燈台守が住んでいたという岩礁に見まがう小さな島があった。
 今、そ ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。

  *

「雲は、本当は流れていないのです ....
道を歩いていたら
言葉が落ちていたので
拾いながら歩く

拾った言葉を並べてみたら
詩のようなものができたので
額縁に入れて飾っておく

紅葉が一枚
はらりと落ちて
そこからまた言 ....
立体的な画像に目を奪われ

グルグルと頭では

スプートニクが回っていた

七夕に願いをかけるなら

それはマジックで黒く染まっているでしょう

現実はいつも甘い薫りで

姿を ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった

ベッドのなかでもブーツ脱が ....
母が縁の下から引っ張り出してきたびんは
レトロでポップな橙の花が描かれていて
若い頃の彼女の趣味であったのだろうと想像出来た


恐らく本来は真っ赤な色をしていたのだろう
すすけたえんじ色 ....
空色にそまる
秋の天蓋の幕をあければ
プラタナスの黄葉の並木
衣擦れの人影

{引用=―――――何をかなしんでおるのでしょう。
何を?ばかな 愚かな道化に何がわかるのです。
わかるる ....
{引用=純
粋世
界の君
が笑う9ヶ
月前にこの
夢ははじまっ
た、はずの夢
*
はじまったもの達
のはじまらなかった
”名前”をひとつずつ
乾いた舌先で声にうつし
て消し去る ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(10260)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
子を想う- 吉岡ペペ ...自由詩1709-10-21
散青- 如仁自由詩109-10-20
関係進路- こめ自由詩1209-10-20
夜の無生物- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-19
ニベアなひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*09-10-19
夕暮れのあしあと- 吉岡ペペ ...自由詩1809-10-18
- 夜明けま ...自由詩209-10-18
アルファベット家族- ペポパン ...自由詩6*09-10-18
芳香- あ。自由詩22*09-10-17
月の子守唄- 夏嶋 真 ...自由詩22*09-10-17
四行詩四態_<10>- nonya自由詩11*09-10-17
知覧にて- 吉岡ペペ ...自由詩4+09-10-17
「あざらしの島」(3/3)- 月乃助散文(批評 ...5*09-10-17
ビール病- ふくだわ ...自由詩109-10-16
時を見つめていたピアノ- こめ自由詩1409-10-16
プラス1- 乱太郎自由詩9*09-10-16
世界は下瞼に押しやって- 朧月自由詩609-10-16
彼には家庭があったんや- 吉岡ペペ ...自由詩609-10-16
「あざらしの島」(2/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-10-16
メロン- 砂木自由詩5*09-10-15
足下を照らす光の中で踊っている- 瑠王自由詩6*09-10-15
蛇つかいたちの行進- 吉岡ペペ ...自由詩909-10-15
「あざらしの島」(1/3)- 月乃助散文(批評 ...4*09-10-15
空を呼ぶ- 南波 瑠 ...自由詩22*09-10-14
秋は詩人- 未有花自由詩27*09-10-14
迎えに行くのは嫌いじゃないよ- こめ自由詩1709-10-14
ジェンマなひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*09-10-13
梅酒- あ。自由詩10*09-10-13
道化/◇◆◇◆の秋- 月乃助自由詩8*09-10-13
- 夏嶋 真 ...自由詩19*09-10-12

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