真実は近付かず 
近付き表せば嘘になり
無力感に打ちのめされ
諦念と哀しみ抱き
ながら

 魂の塔を昇る、登り続ける

ふぅと息つき聴き入れば
仄白き声のヒビキ無限
内なる祭壇を打 ....
 「いいやッ、いやいやっ、何と!なんなんじゃ?
  気持ちわるい掛け軸ではないかっ!」
 「あなた、…ふたりの話、ほんとうだったんですね…。」

 翌日、掛け軸の吊るされる居間で
 呆気に取 ....
 「深川にはさ、ふしぎな話がたしかにあるのねえ…。」

 おりんより早く湯屋から店に戻った おゆう
 正座して部屋の隅の小さな衣装箱から
 昨日、着物の下へしまい込まれた掛け軸を
 掴み取り ....
うつろ灰色の翳に高尚なまん月がまろびでる
象牙すすけた草原のときは、まだまだ みちなかば
いっそう留めた錯覚を立ちのぼらせつつ嫌がりました

ふとあなたは、という穏やかさだけで
ただ顔を曇ら ....
首の後ろ辺りから
広がっていく空白と

瞼の裏を掠め過ぎる
拳の記憶

喜びを道連れにして
悲しみが死んでいく

心が死を擬態するのは、宿主へのいたわり
仕組まれた機構に過ぎないと ....
帆布を揚げて
ヨーソロー!
船長は高らかに叫んだ

目指す宝の島は
オレの背中の地図に描かれている
酔えば赤く浮き出て航路を示す

ラム酒を飲み放題という条件で
航海に行く契約書を交 ....
どうして
こんなに平穏なのか
冥土へと導く と信じられたホトトギスも
いまは五月の鳥

森を抜け
砂の砦みたいな監的哨跡にのぼって
海のまえに出ると
もう詩に出会った気がした

壁 ....
きみに死んだ弟をあげるよ。
もうじき死ぬんだ。

そしたら{ルビ暴=ほたえ}たりしないからね。
もう駄々をこねたりなんかしないからね。

手間のかかんない
とってもいい子になるんだ。
 ....
燃える森の光に
子らの遊び戯れ

ジャングルジムの鉄路
銀に錯綜しながら
放擲されるブランコに
登り棒いち早く昇り詰め

遊び疲れた子らの
使い尽くされた肉体
燃える森の光に置かれ ....
早春、きみは少女、
入学式を前に、いちはやく試着して、
歓びまわっている、
三月のセーラー服の少女、


早春、きみはあるいは、その少女の制服の下で、
日に日に成長してゆくような、
ま ....
                     月に葉隠れとはいうけれど
      そぞろ虫の影におびえる酩酊者 

道端で眠る小地蔵が倒れて 
 まだ青い無花果の実が零れ落ちている 

 ....
この峠の一部になれたら
きっと、深く眠れる
死んだことも忘れるくらい
安らかに

四季に逆らわず
空を巡る風

淀みに濁らず
海に還る水

峠の道を私は歩く
積んでは崩すを
 ....
句読点をつけずに
日々を綴る

嘘をトリミングして
真を気取る

可愛い思い込みを
行間に吹き込む

縦に横に伸びていく
この文字列を何て呼んだらいいんですか?

私は
 ....
飲み会に出るために
クルマを置いて地元のバス亭に向かった
停留所まであと2分という所で
バスが発車時間2分前に出て行った
バスはフライングした

地元民は律儀なので
時間前に並んでいるか ....








闇は 冴えかえり
きれいな
真っ黒をしていて
小鬼が小さく ぁ
と鳴いた



しん

闇に光は
ともる
私のこころ


 ....
卒業式より入学式
きっとそのほうが近い

おわかれが悲しいより
ちょっとどうなっていくのかなって
そわそわ、未知の道
ようこそと迎え入れる
手の花束を渡って

そこはしばしの ....
天空の彼方から銅鑼の音が響き
東の風とともに
青い龍が螺旋を描き
舞い飛んできた
干からびた大地に
人々は飢え
龍を待ち望んでいた
鉛色の厚い雲が湧き立ち
雷鳴は轟き
銀の雨が降る
 ....
もう起きるのか
朝から騒がしい 春と冬がもめている
どちらも「まだだ」と言い張っている
冬眠していた生き物も目覚めが悪い
始発の電車はすいていた
ゆっくり座席に座り
眠気の中で私の中のあた ....
一途な飛礫の成分を助け起こせば
奇跡を待つかたちをして あれば

例えばつぶらな、寝返りをうつ
古いビー玉と馴染んでいくのか

楽譜は反転した点描で出来るなら
よりそうように、あらためて ....
 夕映の 風にそよぐ
 お堀端の柳の枝は青々として
 「今夜も、蒸すのかね…。」

 低く重なった綿雲を見る
 蔦吉の 下駄の鼻緒は切れていた
 「仕方ないね。」
 下駄を脱ぐ右足

 ....
 「茶トラ猫、あの日以来…来ないわねぇ。」

 近江屋、厨の上部の隅
 かけてあった梯子を床から上げる おゆうは独りごちる

 そして 三畳の間に敷かれる煎餅布団に座って
 脇に置かれた小 ....
今日たまはお腹が一杯で痛いと言うので
急いで近所のATMに連れて行った

下痢気味でジャラジャラとうんちをしたら
ATMが詰まってしまい
救急車を呼んだ
待つこと30分
このATMはお札 ....
胸が死ねという
詞を使って人を弄する
これ迄の軌跡がない轍
目が悪くなったんだ
詞を使って救いを求める
光が差す空の朝陽で
何も見えないと言い訳をする
染みるだけ染みた寒風が
表面をさ ....
 「何だ、これは。」
 トラの左肩を掴むハチの目にチラッと 
 ずれた小袖の襟元から 見えた刺青
 肩から ずりッと引き下げて

 「桜吹雪の刺青とは洒落てるじゃないか。やっぱり遊び人か。」 ....
真っ白で綺麗
大きく育ち美味しそう
育てた人も嬉しそう

辛い大根も甘い大根も好き
どちらもそれぞれ美味しい

今年は上手く育った
去年は小さく育ち
物足りなかった

大根おろし ....
 空に 冴える下弦の月

 雑穀問屋の屋敷の裏庭
 縁側の沓脱石の傍で
 浅い眠りにつく ハチ

 ふと 嗅ぎなれない匂い
 目を覚まし 見廻すと縁の下に
 小さく動く影一つ
 「誰 ....
何かのふりをして歩いていると、詩を書くこころが僕
のなかからふらふらと彷徨い出て来た。そいつはゆら
ゆらと漂うように移動して、道行く人たちをとおくを
見るようなぼんやりとした眼差しで見たり、空を ....
 「近頃、米や油が大変高くなって皆困っているよのお…。」
 
 「まこと、この物価高で。俺達よりイワシの方が健康状態良いのでは
  ないかな。」
 あぐらをかく膝に丸くなっているイワシへ 
 ....
砂時計がたてる音のように
せつないくらい小さな寝息
双生児より近くて遠い君の
魂には今生でしか触れない
血の味がする朝餉のあとで
鶴を折ってこの運命で遊ぶ
手の熱すらも知らない相棒
今朝の音楽は短調ではなく長調が似合った
何時もの苦い珈琲が何故か甘く
正確なメトロノームが響きあって
ぼくたちに奇跡の扉は開いた

あまりにも透明な
薄く虹色に染まったシャボン玉

誰 ....
atsuchan69さんのおすすめリスト(8396)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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人・生- ひだかた ...自由詩424-2-18
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いやおい- アラガイ ...自由詩15*24-2-18
峠道- まーつん自由詩3*24-2-18
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