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信州で得たお金で

京都に戻った

ほぼ行方不明は継続中

ある日 清掃車に 

乗っているバイクごと撥ねられた

気を失ったのは人生初

目を開けると

周りに人の足 ....
僧侶の方が

学者から聞いたという話を聴いた

生命の尊さの話

胎児がいる羊水は

何十億前の太古の海と同じ成分だと

何十億年かけて人間に進化したことを

母親は十月十日で ....
薄鼠色の空

雨を見ながら温泉に入った

背後は鬱蒼とした山々

纏い付く滑らかな湯

一人きりの湯場にはしゃぐ

足音に振り向くと

こんな平日

こんな辺鄙な所に誰 ....
今日は月曜日

朝から色々色々色々

そんなこったろうと思っていたけれど

こんな日は自分をもてなす

蒸しパンを蒸かす間

烏龍茶を淹れる

私の茶壺は

茶色のぽっ ....
四角い窓から月が見えた時

この頃だったなと思い出す

琵琶湖の西 

鯖街道を通り

原生林を間近に感じるログハウス

まだ肌が艷やかで

自分が美しいと思い込んでいた頃
 ....
もう二十年近く

髪はショートヘア

気に入ってしている

昨日 少し伸びた部分を

自分で切って切り過ぎて

朝から鏡を見て見て溜息


越して間もないので

挨拶しか ....
仕事終わり

無性に

他人が作ってくれるものを飲み食べたくなる

帰り途には

コメの付く名の大店喫茶店がある

窓際に座り

あったかいカフェオレとサンドウィッチ

ゆ ....
三宮駅で待ち合わせ

古い喫茶店で少し話してから飲みに行く

学友とバンドを組み

ミニスカートでギターをかき鳴らし

絵を描きバイトをし

夢のために人々の間を飛び回り

 ....
ふいに聞こえた浜省の曲

つけっぱなしにしていたテレビからだ

こういう時

音楽と記憶は切り離し難いとつくづく思う

もうすぐ誕生日だから

呼びかけてきたのかな

そん ....
真夜中

自転車で無理矢理二人乗り

皆を出し抜いたみたいになった

どこでスイッチが入ったのだろう

タイプではなかった気がする

連れ去られるように走った尼崎の街

我 ....
不思議なもんだな

あの頃の私たちは

そんなに仲良くなかった

むしろ苦手だった

声変わり前の甲高い声で

口うるさく言うから

でも あの日

合唱コンクールの日 ....
日曜は朝寝

もっちゃり十時に起きて

思いついてラグを洗う

本格的な梅雨前に

サッパリした畳にしてやろう

ラグの洗濯に難儀していたら

心配そうに風呂場を覗く顔
 ....
シーズンを過ぎた大農家

私以外に

東京から来た青年一人

私の話す方言が嫌いなので

話しかけないでほしいと言う

ほほぅと思った


ある日の朝

東京青年と軽 ....
水蒸気が立ち上り

白く烟る農地

遠くには八ヶ岳

折り重なり連なる

パッチワークのそこかしこに

夜明け前から働く人たちが点点点


深く吸い込んだら

山の精 ....
車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心 ....
岸壁に腰かけて

オレンジ色に光る波を見てた

足踏みしかできない私たちが

束の間 癒された時


こうなる前に

どうにかできただろうに

選択権は私にしかなく

 ....
171号線を

バイクで走る

奇跡的に壊れずにいたから

赦されたのだろうか


色々なものを振り切って

走る走る


道がずっと続いていて

色んなところに繋 ....
おぶわれた彼女は彼に傘をさす

耳と耳をくっつけて

時折 顔を見合わせて

どうか神様 この二人が

このまま幸せでありますように


あの日 竹林の小径

傘の縁から ....
写真を見て

昨夜は現実だったと知る


宵の口

光る田圃の中を走る

四方八方から蛙の声

紫のカーテンに囲まれて

きっと どこかに神仙がいるはず

豆のような ....
明日は家出予定

ライブの帰り道

坂の下がまるで海

バイクごと突っ込んでいった


後にも先にも

街があんな水浸しになったのは知らない

大嵐の夜

腰まで浸か ....
無口で 少し悪い風で

カスミ草と赤い花の花束をくれた

黙って逆方向の家まで送ってくれた

最初から最後まで

ずっとそう


見た目と心はちがう

この上なく純粋で
 ....
すべてがほとんど初めてで

背が高くって

いつも見上げて話す帰り道

それがとっても愉快で楽しかった

時折見下されると

その人に守られているようで

頼もしかった

 ....
終電まで

バス停のベンチで喋る

時代小説の話をしたような


山の薫りが

背中の方から覆ってきて

いい夜だなぁと思う

あなたの声は心をやわらかくする

けっ ....
誕生日に

チューリップの花束をもらった

ぜんぶ違う種類のチューリップ


〝電車だからね、ちょっと恥ずかしかった〟


広い肩幅と一八〇センチ以上ある 

その人は

 ....
干し無花果を食べ

思いがけず 美味しかったようで

もうひとつと

私に手を伸ばす

まだ知らないこともあるんだな

四月も後半

まだ夜は冷える
月よう日は

仕事へ行く前に

神社に行く


桜の樹が黄緑の葉を

ゆさゆさ振る

誰もいない境内

でも たくさんおられる


狛犬さんの足をなで

狛狐さ ....
少し混むH電車

夕陽がまぶしくて

目があけられなかった

背の高い彼には

夕陽は見えていない


おもむろに

リュックから取り出したノートを

私の顔の前にか ....
カーラジオから流れてくる曲が

その人の心の叫び声に聞こえた

いたたまれなくなる

時速二十キロ


公園の柵

見下ろす私 見上げるその人

私に手を差し伸べ 優しく ....
見上げた頭上に 

小さくなった飛行機

あんなとこにいるんだなぁ

人間をたくさん乗せた鋼のかたまり

すごいなぁ

そん中にあの人はいるんだなぁ

小さな足の裏が見えそ ....
熱が出て

どうしようもできなくなって寝込む


苦手な液体の薬を

私に無理矢理呑ませ

みかんをてんこ盛りにして

始終世話を焼いてくれた

いつもは私に強く出れない ....
atsuchan69さんの花野誉さんおすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初めての記憶喪失- 花野誉自由詩8*25-6-19
太古の海- 花野誉自由詩13*25-6-15
きのくにの湯- 花野誉自由詩7*25-6-10
六年目の茶壺(ちゃふう)- 花野誉自由詩9+*25-6-9
ストロベリームーン- 花野誉自由詩8*25-6-7
花の人- 花野誉自由詩7*25-6-5
雨日和の昼寝- 花野誉自由詩9*25-6-3
娘の誕生日- 花野誉自由詩7*25-6-1
葬送曲- 花野誉自由詩5*25-5-26
キツネ目の人- 花野誉自由詩14*25-5-23
迷路へ- 花野誉自由詩8*25-5-21
ビールをつぎながら- 花野誉自由詩425-5-18
東京青年- 花野誉自由詩5*25-5-13
信州の朝- 花野誉自由詩5*25-5-12
信州へ- 花野誉自由詩13*25-5-11
密々- 花野誉自由詩525-5-9
京都へ- 花野誉自由詩6*25-5-7
雨宿り- 花野誉自由詩525-5-6
藤山- 花野誉自由詩8*25-5-4
家出前日- 花野誉自由詩325-5-3
十代のタカシ君- 花野誉自由詩2*25-5-1
身長差三〇センチ- 花野誉自由詩1+*25-4-25
中山の駅前- 花野誉自由詩3*25-4-24
忘れられない花束- 花野誉自由詩425-4-23
こたつの向こうで- 花野誉自由詩4*25-4-22
月よう日- 花野誉自由詩3*25-4-21
夕焼け電車- 花野誉自由詩3*25-4-20
バラの咲く公園- 花野誉自由詩225-4-19
空にいる人- 花野誉自由詩3*25-4-18
京男の看病- 花野誉自由詩325-4-17

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