ひとすじのつむじかぜが
ひとりの短距離走ランナーとなる


そのように秋が
いちまいの枯れかけの葉となって
もうコーナーを曲がってゆく


いつのまにか 私が秋である秋、
 「すみません。ちょっと、すみません。」
 耳にした 男の声

 近所の『なぎさ公園』
 夜空にそびえ建つ高層ホテル
 側に 野外劇場の石が組まれた広場
 置かれてある公衆便所の灯りだけが ....
   こえは たましい

  漂っ ている

      こえは

     森の

   乾けない

   空

 ひきずられる 影


    あ 

      ....
 目が覚める
生存しているのは誰か
 私とは誰なのか

空気の中を漂って
 街道に迷子している
雲間に揺れている

教えてくれないか
 何処にいるのか
誰がいるのか

 今も何 ....
絶望をカバンに詰めて
眠れない夜を過ごした

前の日も雨
天気は荒れ模様
回復見込みはしばらくない

午前9時
空港の掲示板に
遅延情報が流れる

ネパールに行ったら
寺院を観 ....
るるるが死んだ
道ばたにひからびて
転がっていた

れれれとろろろは
葬式に行った
そこにはもう
るるるはいなかった

いいやつだったな
いいやつだった
やさしいやつだったな ....
向こうがわによく似合う
それは
眠るまで明日を意識させ
沈んでゆく

畦道
そこここからする鳴き声について話そうと
すっぽりと抜けた数日前の言い訳に
突き動かされ明日を生きる

今 ....
急流に傾く一途に揺れる岩 頷き
少年は片足を乗せ真っ直ぐな視線に耐えていた。
重層な雲に覆われた街の歴史的建造物
白蕗の羽織で啜る軒先茶屋の框
  まるで、ピラミッドから眺めているような視 ....
あらいぐまは
ひとりぼっちで北をめざしていました

背中のリュックサックには
リンゴがふたつと
はんぶん食べかけのバナナ
角砂糖が三個

角砂糖は四個ありましたが
波打ち際で洗ったら ....
わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである。
(ルカによる福音書五・三二)



目がさめると、アトリエの前に立っていた。

──子よ。    ....
ガラスを溶かし流し込んだら色付けして。散りばめられた色を際立たせるように空に返した。空が呼吸するたびにきらめくのは、夜明かりだからかもしれない。太陽と呼ばれる、一閃はまだまだ訪れない。際立たせる鏡であ .... 釣銭分の時間
ひらひらまなざしをいざない
ゆれるラベンダ―にそっとおりた
日陰のむらさきに渇きをあずけ
ふる翅の白い静けさから
乗りかえた 瞳の上
裳裾をひいて素足でわたる
いまだ地に伏 ....
新しい病院へ向かう車の後部座席で寝転がっ
て、窓の向こうを見ていた。お泊りはもうい
やなんだけど、もう、指を銜えるほどちっち
ゃい子供でもない。やがてドアが開き、傘を
さしながら「ゴメン」と言 ....
  野の花の 優しさが
   あなた

 一ふりかえり見る
 広漠とした 高原の葉ずれの音に
 それは
 しみこみ 又はねかえり
 幻影の様だった 稚い愛

 北方に 連なる山はだが ....
 いいにおいがするよ
 ひとがゆくところ

 いいにおいがいっぱいするよな
 かぜにさそわれ
 やさいがやさしくいためられ
 そっとおはしがならんで

 みずまきのてをやすめると
  ....
  ・{引用
            ⚪︎}
   波音 のない夜の海の
   靴底の湿りけ。
   波の 、{ルビ音=ね}に

{引用=
    𝘹 }
{引用=なにも 想うことは  ....
草むらで月鈴子がリリリンと鳴くから
季節が移り変わっていくのを感じる
風鈴の音色とも少し似てしまうから
間違わないように風鈴は小箱に仕舞おう

静まり返った夜の向こうで
あなたは何を思うの ....
悲しみばかりが増えて
このままではいけない
花弁をバラしてみても
ご飯を食べても

言葉を知って勇気を出して
幸せを探しに行こう
どんなに遠くにあってもかまわない
歩くための足の準備は ....
 ちいさくて固い 心臓が
 そっと弛まるように
 白い雲は
 もう 空の高さを競わなくなった

 風が足跡をうずめるように
 虫達も その聲を次第に顰ませて
 次つぎと落ちて プリズムの ....
                         
 高校の嘱託講師から予備校の非常勤講師になってしばらくすると、下鴨から北山に引っ越した。家賃が五万七千円から二万六千円になった。ユニット・バスの代 ....
ダイヤモンドの針をそっと置く

行っておいで

想い出は遠くなるばかりで
美化されたがっているのはなぜだろうか
この溝は
なぞられれば現れる道だ
ふたたび
さみしさの琴線に音を咲かせ ....
指先を太陽に翳して
陽の光の中を着物の着崩れを直しながら歩く

隣町まで足を棒にして歩いてみたら
少しはこの気持ちが楽になるだろうか
茶色い茅葺き屋根の家を過ぎて
長屋を横目に見て
空き ....
午後、
いちまいの枯れかけの葉を、
三塁からの盗塁走者、
にする、
ひとすじのつむじ風、
の、狡さは、
運搬するコンベアーの滞り、
に、よって無残にも堰きとめられた、
試合は、
14 ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
氷の季節には回虫も動きを止めていた
突然太陽が暴れだしたのでリンコ/僕は逆らうことを諦めた

ゆるせないのは涼しい顔をして腹の虫を肥らせていること
弱虫と見せかけて強い者には抵抗し、さらに ....
私たちは畔にいる
この川に隔てられ
あなたとわたし
大空の下 太陽の下
絶え間なく絶え間なく
落ち続けて昇り続けて

洋上で過ごすように
日がな一日、
畔で待ち続けて
絶えず思い出 ....
 ふしあわせ というものが
 とくに こころ美しく
 あたまのするどい ひとに
 みいる のでしょうか

 はんぶん いろづいた林檎の
 つめたい甘酸っぱさを
 あなたは こころ ....
砂を、食べている
無限に広がる
砂漠で

時々蜘蛛を、見つける
その、内臓も食べる。

そうして今日も
照りつける太陽に焼かれて
流れ出る汗と熱に

揺れる視界に
方向感覚 ....
汗が目をつたい
塩辛さが痛い
草は水を失い
根無し草を被っている

ミンミンゼミは狂い鳴き
一日のはじまりから終わりまで
命の終末まで生を主張する


夏は終わろうとしていた
 ....
夏の獣、
身震いし
ぶち撒け
力動する核
咥え引き裂き、
無限の感触
熱し燃え
残響し
夏の獣、
戦慄いて
動かず。
atsuchan69さんのおすすめリスト(10495)
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